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既約表現の問題
有限群の3次元表現の具体例を挙げ、それが実際に既約表現であることを示せ。 教授が難しくてわからないだろうけど考えてみなさい。といわれたのですが見事にわかりませんでした。 誰か分かる方いらっしゃるでしょうか?教えてください。
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3次元空間でx, y, z軸方向の単位ベクトルをe1, e2, e3とし、4点(0,0,0), (1,0,1), (1,1,0), (0,1,1) を頂点とする正四面体を考えます。この正四面体をそれ自身に重ね会わせる変換群をTとすると、T は恒等変換e と正四面体の頂点と重心を結ぶ4本の軸の周りの角2π/3の回転(これらをそれぞれD(1),D(2),D(3),D(4)とする)および角4π/3の回転、四面体の相対する2辺の中点を結ぶ3本の軸の周りの角πの回転(これらをそれぞれD(α),D(β),D(γ)とする)の合計12個の元からなります。e1, e2, e3の変換を考えると、これらはTの変換の下で D(e)= ┌1 0 0┐ │0 1 0│ └0 0 1┘ D(1)= ┌0 0 1┐ │1 0 0│ └0 1 0┘ D(2)= ┌0 0 1┐ │-1 0 0│ └0 -1 0┘ D(3)= ┌0 0 -1┐ │1 0 0│ └0 -1 0┘ D(4)= ┌0 0 -1┐ │-1 0 0│ └0 1 0┘ D(α)= ┌1 0 0┐ │0 -1 0│ └0 0 -1┘ D(β)= ┌-1 0 0┐ │0 1 0│ └0 0 -1┘ D(γ)= ┌-1 0 0┐ │0 -1 0│ └0 0 1┘ およびD(1),D(2),D(3),D(4)の逆行列に従って変換されることが分かるので、e1,e2,e3で張られる空間を表現空間とする正四面体群Tの3次元表現が得られます。この表現が既約であることは不変部分空間が0と全空間しかないことから明らかです。一般論は群の表現論の参考書は多数ありますので参照して下さい。例えば 平井武「線形代数と群の表現I」朝倉書店(2001)