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【歴史・日本史と宗教】「開山に必要とされる千谷」と
【歴史・日本史と宗教】「開山に必要とされる千谷」とはどういう意味ですか? 千谷とは山の高さだと思いますが、千谷とは高さ何メートルのことですか? 昔は千谷の高さがないと山と認められなかったのですか? なぜ山と認められないと寺が作れなかったのですか? 平地に寺はありましたよね? 開山とはどういう意味ですか?
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1.千谷とは、山の高さではありません。単純には千個の谷、という意味です。もっとも、多くの地名や姓の由来としては「千」は「たくさん」「とてもたくさん」という程度の意味ですが。弘法大師の伝説では、開山のために千の谷を持つ(はずの)赤城山を探したが、どうしても一つ足りなかった、というお話になっているそうです。(別の質問の回答にあった増田氏の論文にもあります) 2.なので「昔は千谷の高さがないと山と認められなかった」ということはまったくありません。昔は山と呼ぶのに必要な高さの規定はありませんでした。 3.山と認められないと寺が作れなかったのですか? 初期は「寺」というのは仏僧の修行の場として創建されました。修行を効果的に行うためには、「俗世」からできるだけ離れたところがいいのですが、日本は国土の7割以上が山、という国ですから、そのような場所は必然的に険しい山の上、ということになります。そのため、多くの高僧は自らの寺を開くときに山を選びました。空海の高野山、最澄の比叡山などです。全国各地、今でも徒歩で行くのは勘弁してほしい、という場所に沢山の、しかもかなり由緒あるお寺が多いのはそのためです。 しかし、仏僧が修行するだけなら山の上でもいいですが、それでは一般の人々には不便です。貴族や武士が何か理由があって寺院を建立する場合でも、気軽にお参りができるほうが便利。なので平地や海辺にもお寺が建てられることになりました。 4.開山とは、寺院を開く(新設する)という意味で使われるばあいと、ある寺院を開いた人(基本的に僧侶)の意味で使われる場合があります。3で書いたように、古くは寺院は山を利用してつくられたのでこの言葉ができたのでしょう。平地にお寺を建てることがごく普通のことになってもすでに「開山」という言葉が定着していた、ということです。
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