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「コレラの時代の愛」の一節の翻訳例を教えてください
”To him she seemed so beautiful, so seductive, so different from ordinary people, that he could not understand why no one was disturbed as he by the clicking of her heels on the paving stones, why no one else's heart was wild with the breeze stirred by the sighs of her veils, why everyone did not go mad with the movements of her braid, the flight of her hands, the gold of her laughter. He had not missed a single one of her gestures, not one of the indications of her character, but he did not dare approach her for fear of destroying the spell.” (Gabriel García Márquezの Love in the Time of Choleraより引用) 拙訳: あまりにも美しすぎて、あまりにも 蠱惑的で、ふつうの人とまるで違った。だから 他の人がどうして、あの靴がコトコトと 石畳を打つ音に心が高鳴らぬのか、 あのベールにゆれるそよ風を 見つけながら、なぜ誰の心も のぼせぬのか、なぜ 三つ編みの動き一つ、 ふわりとした手の動き、笑い声が奏でる黄金に 皆の心は燃えぬのか、あの つむぎだす全てを あますことなく見つめてきた。 動けば壊れる魔法にかかったかのように。 「コロナの時」に「コレラの時」の話をふと思い出しましたが、、、 私は出だしのTo him she seemedからつまづきました。 いかにも翻訳調の「彼にとって、彼女は~にみえた。」なんて不自然な訳は脊椎反射のように出てくるものの、、急に普通のそもそも日本語でheとかsheとかherとか自然にどう言うのかそう言えば知りません。 本当に読解と翻訳は違うな~と、つくづく感じます。 簡単そうでどうしても翻訳ができずにいます。 どうか、皆様の翻訳例を教えてくださいませんか? よろしくお願い致します。 (翻訳作品の優劣をBAで選ぶなど私にはその資格がありませんので、選びません。)
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- SPS700
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#2です。補足です。 ご感想ありがたくいただきました。今お書きになった名訳を拝見して「しまった、僕のを出すんじゃなかった」と思ったのですが、 拙訳汗の如し、というのか一度出すと引っ込めるわけにもいかず。でもこういうのメッチャ楽しいので、僕の愚投稿に懲りず、また問題を出してください。
- SPS700
- ベストアンサー率46% (15297/33016)
あの女(ひと)ほど人並み優れて美しく、 なまめかしい人はいないのに、 石畳をカツカツと鳴らす靴音に なぜ他の男は胸騒ぎしないのか あの薄物のため息に、そよ風を感じ 胸をかきむしられる思いに駆られないのか 髪の結い目の揺れ、羽の生えたように軽い手、黄金の笑くぼに なぜみんなは我を忘れないのだろう。 その男は、その女(ひと)の人柄がわかるようなものは、身振り一つも見逃さなかった。でもその夢を壊しては、と近寄れなかった。
お礼
ご回答ありがとうございます。 SPSさんの文章には華がありますね。 >あの女(ひと)ほど 毎回本当に天才的な言葉選びのセンスがありますね。本当に、この言葉が出てこなくて私はsheの訳を諦めしまいましたよ。 今回も勉強になりました。 >石畳をカツカツと鳴らす靴音に カツカツの方が色っぽいですね! 私の場合、場面は思い浮かんでも「コツコツ、コトコト、カチカチ」くらしか候補がでてこず、その中ではコトコトかなと思いましたが「カツカツ」を見つけたspsさんは流石だと思いました。 >あの薄物のため息に、そよ風を感じ この箇所は本当に流石SPSさんだと思いました。原文のまま「ため息」でここまで美しい文章を描くとは!!私も原文を維持したいのですが、できませんでした! この箇所も勉強になりました。 >髪の結い目の揺れ、 「これだ!」と思いました。 なんだか「三つ編み」と訳すと個人的には何にも心に響かず、「でも三つ編みを、三つ編み以外の言葉でどう言えると?」と悩みつつ諦めていました。 「髪の結い目」とすることで、より限定的に「結い目」だけがイメージされるので、とても視覚的な言葉となり、原文の如く鮮明に映像が浮かび上がりました。 本当に天才ですね! >羽の生えたように軽い手 この箇所も「これだ!」と思いました! flight of her handsに相当する比喩というのが難しく、、私は「もうこの箇所は、、、堪忍、、。(泣)」と思いました。 SPSさんのお訳ですと、本当に原文のままに手の動きを感じられます。やっぱり、SPSさんの文章はすごいですね! >その男は、その女(ひと)の 伊勢物語の冒頭を思い出します。 私も「**男」で表現したかったのですが、**の箇所がどうしても出てこず諦めました。 これなんですよ! 私が書きたかった表現は! いつも文章力の身に着け方についてお伺いしたいと思っておるのですが、私のように自由気まままな人間には無理な練習方法なのではあるまいかと、お伺いを立てる事すらためらっております。 今回も勉強になりました。 また、今後とも宜しくお願い致します。
- Nebusoku3
- ベストアンサー率38% (1479/3859)
詩的な感じの完ぺきな訳の様に思いますが、少しお邪魔いたします。(かえってまずくなるかもしれません) あまりにも美しく魅惑的で、ふつうの人とはかけ離れた彼女を なぜ他の誰もが、(彼の様に)、あの靴がコトコトと石畳を打つ音に心が乱されぬのか、 ベールのささやきの様なそよ風に胸が高鳴らぬのか、 三つ編みの髪の動き、優雅な手の動き、光り輝く笑いに狂おしくならないのか? 彼はその動作の全てを余すことなく、彼女のキャラクターの一部にとどまらず、見つめたが、良くない結末を恐れて近づく勇気が有りませんでした。
お礼
ご回答ありがとうございます。 この作者が、ネルーダを絶賛しているというのを、ネルーダについて調べていたら知りました。そこで、この作者と言えば思い出すのがこの一節です。(正直他の箇所は私の好みの文章ではなく、、苦痛を感じつつ読み終えた覚えがあります。)そこで、思い出したついでに翻訳してみようとトライした次第です。 >あまりにも美しく魅惑的で、ふつうの人とはかけ離れた彼女を 英文自体は簡単でも意外に初めから私は、難しく思いました。「魅惑的」という言葉を拝見した瞬間にseductiveは、そっちだったかもしれないと思いました。といいますのも「蠱惑的」と訳したものの「この主人公以外にはそんなに魅力的だと思っていなのに、使うのは変だろうか?」と気が付いたからです。 本当に言葉選びは難しいです。 >なぜ他の誰もが、(彼の様に)、あの靴がコトコトと石畳を打つ音に心が乱されぬのか、 よかったNakayさんも「あの靴が」と訳しましたか、「her heelsの日本語訳って???」と私も相当悩みました。 >ベールのささやきの様なそよ風に胸が高鳴らぬのか、 ここが意外に難しく私は思いました。「ささやき」と訳しましたか! 流石ですね! >彼はその動作の全てを余すことなく、 英文翻訳で一番難しいのは、he, she, herだと今回は感じました。やっぱり「彼」でいいんですよね! でも、自分からは、なぜか自信がもてなくて翻訳に詰まります。 ちなみに、私は英語の詩や名文にこのような思いを抱いており、「なぜ文学系の英語の質問がないのか、さっぱり分かりません。なぜ誰も心を乱さぬのだろうか?」と思っております。(笑) 今回もありがとうございました。 また、よろしくお願い致します。
補足
すいません、、、、人違いをしてしまいました。 プロフ画像が、いつも回答してくれる方と一緒でしたので。 雑談箇所は、すいませんが無視してもらえますか? すいません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 SPSさんの名訳には毎回勉強になっています。特に「髪の結い目の揺れ」の名訳にはさすがだと思いました。場面が「髪」→「手」→「笑い」と目まぐるしく移り変わる中、一つ一つを鮮明に映し出すのはとても難しく、 原文を読みまして、直訳した途端に「歯車が狂ってしまった。」と思っておりましたので、なおさら「髪の結い目の揺れ」という名文に感銘をうけました。 >でもこういうのメッチャ楽しいので、(...)、また問題を出してください。 私の場合は、今回の英文のような思いを文学作品全体に抱いておりますので、翻訳文を一緒に考えてくださるSPSさんとの交流がメッチャ楽しいです。 また、今後とも宜しくお願い致します。