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古典バラード翻訳:Red Coquillard
He couldn't even bear to see a vagabond cry, And would drag him off and feed him at an inn, Only near a church would he let the fellow be, Enabling him to pray in and rid himself off sin. From the poor he wouldn't take a penny, But the rich always had to be on guard, If no one will believe this, tell them: Such was Pierre, the Red Coquillard. (書名:「GYORGY FALUDY'S VILLON BALLADS」のIvan Kovacs訳、詩のタイトル:ROBBER'S BALLARD OF THE RED COQUILLARD) 拙訳: おあがりよ、無宿はさぞかしつらかろと 半ば無理矢理、おもてなし。 ただ、神の家の近くでは、助けぬよ、 礼拝堂で、神の救いを祈るがいい。 恵まれない者達よ、悪銭でよけりゃあ配ってやるぜ、 悪代官よ、せいぜい戸締りには気を付けるこった。 耳の穴かっぽじってよく聞けよ、 これぞ音に聞く、紅の略奪者ピエールよ。 Pierre, the Red Coquillard.の、普段、義賊となる(今回引用の箇所)、義賊(山賊)の親分になる、幸せな日々、最後に絞首刑になるまでを描いた5つ区切りのヴィヨンのバラードの一部です。 現代の日本などの福祉がしっかりとした国では、悪人から奪っても犯罪行為をした時点で犯罪者ですが、時代劇のような背景があれば義賊の話は好きです。(荒くれ者とは仲良くなれそうもないので、飽くまでも読者という立場でですが。) 前後の文は、今回もネット上で見つけられませんでした。この本の訳は2017年に訳されたものですので、すいません。 今回も皆様の翻訳例を教えていただけますでしょうか? BAは選びませんが、宜しくお願い致します。
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- Nakay702
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鼠小僧次郎吉、「浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」と辞世の句を詠んで釜煎の刑に処せられた石川五右衛門を思い出し、無上の親近感を抱く。 「お礼コメント」やSPS700さんの名訳など参考にさせていただきながら、第2弾を試みました。「口語表現。音調は無視するが脚韻は配慮。なるべく短詩形にする」を意識しました。 私訳第2弾: 無頼に泣き面は似合わない、 宿屋でメシでもつきあうよ、 ただし教会じゃ告解しろよ、 祈って罪を贖っとくがいい。 貧しい者には身銭もしぼる、 悪銭持ちならしこたま奪う。 知らぬと言わば聞かせよう、 その名も轟く盗賊ピエール。
- SPS700
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御役に(=誤訳2) 家のない子が泣くのを見ると 攫うように連れて行って飯屋で腹一杯食べさせ 置いておくのは、悪(わる)のいない町の上手(かみて) 貧しい人からは一文も取らないが お金持ちからはたっぷりと そんな人居るわけないと思ったら 赤貝のピエールってそんな盗人(ぬすびと)だったと言うんだね https://educalingo.com/en/dic-fr/coquillard
お礼
ご回答ありがとうございます。 赤貝はタイポじゃなかったんですね、これは失礼いたしました! 個人的には、#2でいただいたご作品の方が好みでした。 > 置いておくのは、悪(わる)のいない町の上手(かみて) なるほど、確かに中世の教会中心の社会で教会の周りが貧民街なわけないですね! そこまで想像力が回りませんでした。 > 赤貝のピエールってそんな盗人(ぬすびと)だったと言うんだね 私が「貝」を誤解したばっかりにすいません。 普通の辞書ですと、Coquillardを引いてもなかなか出てこず、なんとか見つけてもbanditくらいの語義でした。それにしても、shellも「貝」なのか「甲羅」なのか、「殻」なのか、そもそもなんでthe shellだったのか分からないのですから分かりようがないですね。 それにしても、さすがフランス語原文でヴィヨンを読まれたお方なんですね。 どうも、ありがとうございました。 今後とも、宜しくお願い致します。
- SPS700
- ベストアンサー率46% (15297/33016)
家のない子が泣くのは見るのも嫌い 攫うように連れて行って飯屋で腹一杯食べさせ 置いておくのは、その子が祈ってお祓いがしてもらえる近くだけ 貧しい人からは一文も取らない でも金を持ってたらやられるぞ そんな人居るわけないと思ったら 赤貝のピエールってそんな人だったと言うんだね
お礼
ご回答ありがとうございます! 今回は一段と冴えていますね! >家のない子が泣くのは見るのも嫌い 毎回どうやってこんな普通の言葉を芸術品に仕上げてしまうのかと思います。 憐れんでいるのに私のように「無宿」なんて言うのは今思えば変なものでした。「家のない子」というのが自然な相手を人間としてあつかっている温かみのある言葉ですね。 「泣くのは見るのも嫌い」の箇所はいつもながら「ズルイよ。こんな何気ない言葉で心に響く言葉が書けるなんて!」と思いました。 >攫うように連れて行って飯屋で腹一杯食べさせ これはもう、芸術作品じゃないですか! 「攫うように」という言葉にしたって他の言葉にしたって、決してそれ単体では美しくもなんともないのに、組み合わせでこれ以上にない芸術品にしてしまうとは、流石ですね! > 置いておくのは、その子が祈ってお祓いがしてもらえる近くだけ 放って置いておく状況説明なのに、「見捨てる」冷たさが微塵も感じられない温かさがある文章に腰を抜かしました。流石ですね! >貧しい人からは一文も取らない >でも金を持ってたらやられるぞ ここの箇所は最重要箇所ともいえる場所だとは思うのですが、私はちょっと空回りしちゃいましたね。 こういう飾らぬけれど不思議な温かみがある文章を私も書けるようになりたいです。 > 赤貝のピエールってそんな人だったと言うんだね それにしても、「赤のピエール」とは意外に決まりますね! (貝はタイポですね。) 今回も名文の醍醐味を味わいました! やっぱり、SPSさんは土と水さえあれば芸術品を作れてしまうような、備前焼のようなお方ですね。 どうもありがとうございました。 また、今後とも宜しくお願い致します。
- Nakay702
- ベストアンサー率79% (10005/12514)
見事なお訳ですねえ! 恥ずかしながら、私のは「拙い訳」です。 私訳: さすらい者の泣き面なんぞ見たかねえ、 引きずり出してメシでも振舞ってやろう、 ただ、教会近くじゃヤクザもカタギもねえ、 救いを祈れば、いかなる罪も拭われよう。 この男、貧乏人にとっては滅法優しい、 が、あこぎな金持ちの、錠前破りの名人。 知らぬ、信ぜぬと言うなら聞かせたい、 その名もとどろく、ピエール紅盗賊団。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >見事なお訳ですねえ! いつものご指導に感謝しております。少しずつ成長しております。 >さすらい者の泣き面なんぞ見たかねえ、 vagabondの訳は「放浪者」「無宿者」の二つくらいしか出てこず、「さすらい者」は出てきません出てきませんでした。勉強になります。 また、He couldn't even bear to see a vagabond cryが意外に難しくて私は苦労しましたよ。だって「泣き声を聞きたくないから泣く前に、、、」と訳そうとして「長い!!!」と思い短くまとめられないので質問文のように逃げました。(笑) なるほど、こう短くまとめられたのですね! ここもまた、勉強になります。 >ただ、教会近くじゃヤクザもカタギもねえ、 >救いを祈れば、いかなる罪も拭われよう。 例の如く背景を調べずに翻訳文を考えていますので、私には、正解は分かりませんが。福祉事務所前のホームレスはお役所にお任せします。みたいなニュアンスかと思っていました。 ただ、ヴィヨンは、「祈ってもお腹はふくれない。」と言いたかったのか、「罪が消えれば、神が助けてくれるだろう。」と思ったのか? 謎ですね。 >この男、貧乏人にとっては滅法優しい、 >が、あこぎな金持ちの、錠前破りの名人。 実は今回もHeの訳で苦労しました。「漢」、「侠気あふれる男」、、など考えたのですが、どれもしっくりこず断念、、しました。「この男」は灯台元暗しでした! また「悪い金持ち」を意味する言葉も、探したのですが「あこぎ」はでてきませんでした。流石ですね! >知らぬ、信ぜぬと言うなら聞かせたい、 >その名もとどろく、ピエール紅盗賊団。 Coquillardは、「略奪者」と私は訳しましたが、なんか一味ちがう、、、ご回答を拝見して「盗賊団」、、、「これだ!」と思いました。 いつもありがとうございます! また、今後とも宜しくお願い致します。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >「口語表現。音調は無視するが脚韻は配慮。なるべく短詩形にする」 Nakayさんの必殺技がついに解禁されました!!!! >無頼に泣き面は似合わない、 >宿屋でメシでもつきあうよ、 なるほど、今回は「面倒見がいい先輩タイプ」に仕立てましたか、身近な感じがしていいですね! >ただし教会じゃ告解しろよ、 >祈って罪を贖っとくがいい。 昔の人たちにとって教会とは告解とはどんな意味を持っていたのでしょうね? 欧米文学を理解するにはキリスト教も理解しなければならぬと言いますが、無頼の人ヴィヨンから見たキリスト教となると、(一応2冊ほどヴィヨン関係の本を読み終わったのですが、それでも)また一段と難しい問題です。 それでも、ヴィヨンが絞首刑を言い渡された時に、「罪の赦し」についての素晴らしい詩を書いていますから、(それで絞首刑は取りやめに、、、。)信心はどれほどのものか分かりませんが「罪の赦し」に関しては重くとらえていたのかもしれません。 (ちなみにその詩は部分じゃなくて全引用しないと翻訳が無理な感じなので、ちょっと質問を諦めました。) そうなると、Nakayさんの解釈が正しい可能性が高いですね! 何気なく読み飛ばしそうな箇所だったので、助かりました。ありがとうございます。 >貧しい者には身銭もしぼる、 >悪銭持ちならしこたま奪う。 言葉のリズムが気持ちいいですね!!! ここは、やはり一番の決めセリフの箇所なので、お見事ですね! >知らぬと言わば聞かせよう、 >その名も轟く盗賊ピエール。 「これだ~~~~~!!!」 こういう時にいうセリフとして、ノドもとまで出かかっているのにどうも出てこないセリフがありまして、モヤモヤしておりました。 お陰様でやっと、解決です! 今回もご指導ありがとうございます。 また、今後とも宜しくお願い致します。