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定言命法の第三公式について

定言命法と方式の関係については先日この場をかりてご親切な説明をいただいたのですが、定言命法の第三公式で、「意志がその格率によって自己自身を同時に普遍立法と見なしうるように行為せよ」というのがありました。 これはどういうことを言っているのですか?立法という概念がいまいちわからなくて… それとこれが「自律の原理」ということですが、どこらへんが自律なんですか?? すみませんが教えてください (^_^;)

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

こんにちは。 質問者さんは高校生の方ですよね? 前回回答したとき、ちょっと簡単に書きすぎたかな、でも高校生の方だったら、くだくだしく書くより、できるだけシンプルに書いた方がいいだろう、と思ってたんです。 こうやって再度それに関して質問が出るということは、質問者さんがきちんと考えていらっしゃるということなので、それがわかってうれしいです。 まず、自律、ということを考えてみます。 カントによれば、意志の自律とは、「私」が自分自身に対して格率(=行動のルール)を与えることです。 ほかの人に与えられたルールに従って行動することが、「他律的」であることはわかりますね。 カントは自分で決めたルールもさらに二種類に分けます。 「いい人だと思われたい」「幸せになりたい」のように、ほかに目的があって、そのための手段であるようなルールをカントはたとえ自分が立てたものであっても、他律的、として厳しく退けます。 自分に~しなさい、と命じる理性の声にのみ従ったルールが自律的な格率と認められるのです。 このように、みずからの理性の声を聞くことができ、格率を与えることが「意志の自律」です。 さて、第三方式 >「意志がその格率によって自己自身を同時に普遍的立法者と見なしうるような仕方でのみ行為せよ」」 これは第二方式の >「汝の人格ならびに他のすべての人の人格における人間性を常に同時に目的として使用し、けっして手段としないように行為せよ。」 から導かれます。 人々がお互いを「手段」としてではなく、常に「目的」として尊重しあえるような理想の社会を、カントは「目的の国」と呼びます。 現実にはあり得ないけれど、人間が目標とすべき道徳の国です。 「目的の国」の住人は、元首であろうと、一成員であろうと、理性の人=理性的存在者でなければなりません。 「目的の国」の住人は、誰しもが自律的な存在者として、自分自身に格率を与えます。 理性にのっとってうち立てられた格率は、自分自身に立てたものでありながら、同時に普遍的な立法として、ほかの誰もに当てはまります。 つまり、普遍的立法者というのは、「目的の国」の住人のことなのです。 そういうことを考えてもう一度この第三方式を見てみましょう。 どのような意志にもとづく行為であるにせよ、その行為は「私」が自分自身に与えた格率に従ったものでなければなりません。そして、その格率とは、理想とすべき目的の国(究極の道徳の国)の住人が、自分に与えつつ、同時に万人に当てはまる普遍的立法のようなものでなければなりません、といった意味になるかと思います。

tomatooow
質問者

お礼

いつも本当にありがとうございます。 ghostbusterさんの回答はいつも本当にわかりやすくて過去の回答なども見て勉強させていただいています!! 専門でないというのが驚きなくらいです… 聞けるような人が身近にいないので本当に助かっています。 以前からなんども質問させていただいているのですがだんだんわかってきたような気がします!!! 本当~にどうも。重ねて感謝しますm(__)m

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