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古文の質問です。

古文の質問です。 露いかばかり袖にふかかりけん。 の"けん"はどうして終止形ではなく連体形になるんですか?

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  • kzsIV
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回答No.2

疑問詞は「か」「や」「ぞ」(終助詞も含む)と共起しやすいため、結びは連体形が多くなります。10種余の学習用古語辞典を見た所、事項解説に疑問詞の「係り結び」を説いているのはベネッセだけで、用例はほとんどが「か・や・ぞ」と共起するものでした。疑問詞(いかに・いつ・いづこ・いづち・いづら・いづれ・たれ・なに・など)で、結びがどうなるかを説明したものは、以下の2語だけでした。 いづれ ◎「土左日記」の「いづれまされり」については、連体形で、結ばれない点で諸説がある(ベネッセ古語辞典 1988)。 ◎疑問詞としての係りをなしながら、「か」を伴わないときは終止形でむすぶこともある。(角川新版古語辞典4版1998)   我が髪と雪と磯辺の白波と、いづれ優れり、沖つ島守(土佐日記) など ◎多く文末の活用語は連体形で結ぶ(学研新古語辞典1986) ◎「など」に応ずる文末の用語は連体形で結ぶ(ベネッセ古語辞典1988) ◎文末の活用語は連体形で結ぶ(角川新版古語辞典4版1998)   など、いらへもせぬ(伊勢物語)   など、かく久しうはありつる(蜻蛉日記)   など、かくうとましきものにしもおぼすべき(源氏物語)   など、人々参り物は遅き(宇治拾遺物語) 「いかばかり」の場合、結びが終止形になるのか、連体形になるのか、平安朝の和歌で百余首ほど見てみました。結びにつかわれるほとんどが助動詞「む」「まし」「らむ」にかぎられていました。つまり終止・連体同形の助動詞ばかりです。中で終止形となるのは   いかばかり 久しくもあらず     天衣 乙女が撫づる 岩ばかりなり (古今六帖和歌) ですが、これも「ず」は連用形中止法だ、という主張も通りそうです。   いかばかり 我を思はぬ 我が心     我がためつらき 人を恋ふらし (久安百首) は2句切れにすると連体形結びのようにも見えますが、ここは「いかばかり」は「思ふ」にかかり、「思ふ」の未然形に「ず」の連体形がついた「思はぬ」が「心」にかかる、と見た方がよいでしょう(コンナニモ 僕ヲ嫌ッテル 僕ノ心 僕ニツレナイ アノコガ好キラシイ) というわけで、   "けん"はどうして終止形ではなく連体形になるのか? というと、ベネッセの「疑問詞結び」に従って   「いかばかり」が疑問詞だから、その結びの「けん」は連体形である。 という回答が導き出されます。もしも   "けん"は終止形ですか、それとも連体形ですか? ということであれば、   終止形だと思いますが、鎌倉期以後の文であるならば連体形と考えてもおかしくはありません。 と回答することになりましょうか。

その他の回答 (1)

  • fujic-1990
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回答No.1

 辞書で確認しましたが、「けん」は、平安中期以降から発音に従って「けん」と表記されるようになった、そうですが、元々は「けむ」です。  活用は、 ○/○/けむ/けむ/けめ/○ です。  質問者さんのお尋ねの文章では、「終止形」の「けん」じゃないですか?

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