- ベストアンサー
切れ字
切れ字の「けり」について教えてください。 1 赤い椿白い椿と落ちにけり 2 滝落ちて群青世界とどろけり 1のけりは切れ字。 2のけりは切れ字ではないようで、「とどろく」の已然形+助動詞「り」だといいます。 でもちょっとみると、同じ「けり」で間違いやすいですね。 まず、こういう場合のけりは切れ字ではないのかどうか。 次に、見分け方として、直前に動詞がある<動詞+り>だと思われるものは気を付けたらよいと心得ればいいのかどうか。 さらに、「に+けり」の場合のみが切れ字であるのか、他にも切れ字となるけりの形があるのかどうか。 どうか、これらについてお教えください。
- みんなの回答 (8)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
#6です。 >「たまたまカ行の五段活用だった」ということがミソでしょうね。その連用形は「け」それに+「り」で、「けり」に見えるんだよ、と言えば分る子は分かるでしょうね。 : どうしてこうも話がズレてしまうのでしょうか。 「とどろく」の連用形に「ます」を付けるのだから「とどろきマス」でしょう。 ですから「詠嘆のけり」の場合も連用形接続繋がりで「とどろきケリ」となると類推できるでしょう、と。 ところが実際の「とどろケリ」では、口語体ではそもそも活用語尾のない語幹そのものについているように感じられ、つまりは「バ」に繋がる仮定形のように見え、少なくとも連用形接続ではないことが分かるので、その場合の「とどろけり」は「詠嘆のけり」ではないということだけでも気付けるでしょう。 口語体 文語体 未然 とどろか(ナイ) 未然 とどろか(ズ) 連用 とどろき(マス) 連用 とどろき(タリ)⇒ケリ 終止 とどろく 終止 とどろく 連体 とどろく(トキ) 連体 とどろく(コト) 仮定 とどろけ(バ) 已然 とどろけ(ドモ)⇒り 命令 とどろけ 命令 とどろけ
その他の回答 (7)
- hakobulu
- ベストアンサー率46% (1655/3578)
1 赤い椿白い椿と落ちにけり : 「けり」という助動詞は、下記辞書では【活用語の連用形につく】と注釈されています。 http://www.excite.co.jp/dictionary/japanese/?search=%E3%81%91%E3%82%8A&match=exact&itemid=DJR_keri_-050 「に」が完了の助動詞「ぬ」の連用形であることを知っていれば、「落ち+に+けり」であることがわかると思います。 また、連用形に付くので、「落ちけり」という表現も可能になるでしょう。 2 滝落ちて群青世界とどろけり : 1の接続の規則を知っていれば、「とどろ」は連用形ではないので末尾が「けり」でないこともわかると思います。 同じ完了の助動詞ですが、こちらの場合は「り」です。これも、また切れ字のひとつみたいですね。下記サイトの記述がご参考になるかもしれません。 以下、(蝉鳴けリ今年は何を成したかと)という句についての抜粋です。 【 解釈にはあまり関係ありませんが、文法的にはここでの切れ字は「けり」で はなくて「り」です。「鳴く」に「けり」を接続する場合は「鳴きけり」になる ので、ここでは「鳴く」の已然形+「り」で「鳴けり」です。切れ字は「や・か な・けり」が一般的ですが、十三個あるとか十八個あるとか四十八音全て切れ字 だとかいう説があります。どちらにしても曖昧なので考える必要は無いかもしれ ないけど、「や・かな・けり」以外の切れ字の作句例としてもこの句は記憶に残 るなあ、と思いました。】 http://moumai575.soregashi.com/guruguru/2_1.html
お礼
これは文法の分かる人に通じる説明だと思いました。 しかし、「蝉鳴けリ今年は何を成したかと」は、類似の良い例ですね。 ありがとうございました。
- kine-ore
- ベストアンサー率54% (808/1481)
>だって、「落ちにけり」で「けり」だけをマスにすれば、「落ちにマス」となって付けることができないと中学3年生なら考えてしまうからです。こういう説明は、一種の誤魔化しのように子どもには感じられることでしょう。 : 中学国文法を知らない人ならそう思うのかもしれません。 ただ現役の中3生なら、それで意味が分かるはずです。 それは、「文語」の知識がなくても、動詞の活用語尾のことでは、習った「口語」と基本は実は変わらないことに気付かせればよいということです。キーワードは「活用語尾」です。 つまり、「「連用形」とは「用言に連なるという意味」であること、動詞の場合は「たい・たがる・そうだ(様態)・ます・た」などの助動詞、「て・たり・ながら」などの助詞が続く。」と既に教わっているのです。 ですから、まずは動詞「落ちる」を活用させればその連用形は<語幹「落」+活用語尾「ち」>という活用形として、「落ち(マス)」や「落ち(テ)」であることは当然わかるはずであり、ですから「に」は決して<活用語尾>に含まれはせず、それとは別の、活用語尾が続くべき助詞であることに自然と気付くはずです。
お礼
「たまたまカ行の五段活用だった」ということがミソでしょうね。その連用形は「け」それに+「り」で、「けり」に見えるんだよ、と言えば分る子は分かるでしょうね。 ありがとうございました。
- kine-ore
- ベストアンサー率54% (808/1481)
1.まず、こういう場合のけりは切れ字ではないのかどうか。 : 用言の連用形に付く「けり」の内、伝聞回想のそれではなく「気づきの「けり」」が後の切れ字(「…だなあ」「…ことよ」)に通じます。 「(2)今まで気付かずにいた事実に、初めて気付いて驚き詠嘆する意を表す。…だった。…だったのだなあ。…(4)(連歌・俳諧などで。切れ字として用いて)単なる詠嘆の意を表す。…だなあ。…ことよ。」(「古語例解辞典」小学館) 今まさに感じ入っている終止形の「とどろけり」であって、それをあえて一般的な切字にして「とどろきけり」「とどろきにけり」としたら、オイオイいまさら気づくとは何ということかとチャチャが入るでしょう。終止形として、切字なしでも「過去からの存続」における「詠嘆」の終止形ならではの「座五の切れ」の味わいが程よい限りでしょう。 2.次に、見分け方として、 : 中学3年生なので古語文法はまだ無理でしょうから、その用言に「…マス」を付けられたら連用形として判別しましょう。 落ちにけり…〇落ちマス とどろけり…×とどろマス 3.さらに、「に+けり」の場合のみが切れ字であるのか、 : 用言の連用形に付くのであり、そこでの完了の助動詞「ぬ」の連用形「に」の有無は特に関係ありません。 そして「けり」を付けることによって、その詠み手が「…だなあ」「…ことよ」といった詠嘆や余韻を求めているのかどうかがポイントになるでしょう。 4.鑑賞 2 滝落ちて群青世界とどろけり : ここでの群青世界とは1)滝壺の碧(あお)い色、2)滝水の飛沫空間が成す碧い色、3)滝の轟音が覆っている空間の碧色染め、4)目の当たりにしている詠み手自身の心の中にまで染み入った碧い色─その碧さを総合的に醸し出しているこの群青世界たる「轟きのシンフォニー」。
お礼
ご回答をありがとうございます。 その用言に「…マス」を付けられたら連用形として判別しましょう。 落ちにけり…〇落ちマス とどろけり…×とどろマス これでも分からないと思います。 だって、「落ちにけり」で「けり」だけをマスにすれば、「落ちにマス」となって付けることができないと中学3年生なら考えてしまうからです。こういう説明は、一種の誤魔化しのように子どもには感じられることでしょう。
- Him-hymn
- ベストアンサー率66% (3489/5257)
俳句の場合、狭い意味で切れ字と言えば、「や」「かな」「けり」です。その他の「切れ字」も定義がいろいろありますが、問題は、切れ字を2つ入れないーーということだろうと思います。その意味では、この3つが大事であり、 茱萸食むや傀儡もさらに老い行けり 佃悦夫 寒むや妻首吊る夢を見て泣けり 猿山木魂 初糶(はつせり)や手締に湧けり魚市場 宇都宮美智子 のような「けり」はこの俳句の「けり」という「切れ字」ではないので、「や」と一緒に使えるのです。 唯一の例外は、 降る雪や明示は遠くなりにけり 中村草田男 で、この「切れ字」が2つあっても、抱字(かかえじ)を間にはさんでいるので、間違いではないのです。 以上、補足でした。
お礼
俳句は例外だらけで何がルールなのか分かりにくいですね。 有季定型といいながら自由律や無季まであり、草田男のような切れ字二つも抱え字でOKとしたり、訳が分かりません。 腕が良ければ車で右側を走っても良い、みたいな破調。 だんだん、俳句が嫌いになってきました。
- OKAT
- ベストアンサー率38% (247/639)
>【切れ字十八字】 には、なぜ「り」がないのでしょうか?不思議です。 「や・かな・けり」を切れ字の代表のようんい言うのと同様に、「十八字」も代表に過ぎません。「十八字」の中には、次のようなものも含んでいます。 かな・もがな・し・じ・や・らん・か・けり・よ・ぞ・つ・せ・ず・れ・ぬ・へ・け・に。 このうち、「せ」「れ」「へ」「け」は動詞の命令形語尾、「し」は形容詞語尾で、「に」は副詞「いかに」のこと。他は助動詞と終助詞。 詳しくは具体例を見るよりしかたありません。 むざんやな/甲の下のきりぎりす(芭蕉)→「な」感動の終助詞 石山の石より白し/秋の風 (芭蕉)→形容詞「白し」の語尾「し」 大試験山の如くに控へたり/(虚子)→ 完了の助動詞「たり」(この句は「大試験」で切るともいえる) よし野にて桜見せふぞ/檜の木笠(芭蕉)→強意の助詞「ぞ」 夏河を越すうれしさよ/手に草履(蕪村)→感動の間投助詞「よ」 外にも出よ/触るるばかりに春の月(中村汀女)「出る」の命令形「出よ」 やせ蛙まけるな/一茶これにあり(一茶)禁止の助詞「な」 このように見ていくと、芭蕉お言った「四八文字」もあながちオーバーとは言えません。 分かりにくいのがあれば質問してください。
お礼
なるほど。こうやってみると、句を読んでみて軽く切りたくなるところは全部切れ字だと思った方がいいですね。芭蕉翁の言う通り。
- OKAT
- ベストアンサー率38% (247/639)
切れ字といえば「や・かな・けり」と言われることがあります。そのことから、「けり」は切れ字と考えたのでしょう。 「落ちにけり」の「けり」はその「けり」です。普通にいって切れ字と言えましょう。 「とどろけり」の場合は「とどろく」という動詞の「已然形」に「り」という完了の助動詞がついたもので、文法上は別のものですが、「り」も切れ字と言っていいと思います。 切れ字はこの言葉が「切れ字」として使われると決まっているわけではありません。「や・かな・けり」が代表として知られているだけです。また、「詠嘆」「感動」などに限定されるわけでもありません。 ただ、重要なのは俳句には「切れ」(和歌における区切れ)が必要とされ、その「切れ」の位置を表すのが「切れ字」だと言って良いということです。 参考1. 大辞林 第三版 きれじ【切れ字】 連歌・俳諧の発句や近代俳句で,句の表現が完結し独立するために,句中または句末で特別に切れるはたらきをする字(語)のこと。「や」「かな」などの終助詞や活用語の終止形・命令形などの類。きりじ。 参考2. goo辞書 【切れ字十八字】 連歌・俳諧で秘伝とされた18の切れ字。かな・もがな・し・じ・や・らん・か・けり・よ・ぞ・つ・せ・ず・れ・ぬ・へ・け・に。このうち、「せ」「れ」「へ」「け」は動詞の命令形語尾、「し」は形容詞語尾で、「に」は副詞「いかに」のこと。他は助動詞と終助詞。 上の具体的使用例をあげたもの http://akinokusa.jugem.jp/?cid=12 参考3. 芭蕉の語 「切れ字に用ふるときは、(いろは)四十八字皆切れ字なり」 この話を続けると内容が拡散していくばかりなので、これ以上は言いません。
お礼
俳聖芭蕉の説は、ひとまず横に置きましょう。あまりに身もふたもない本質論で、神のみ言える議論。 > 「り」も切れ字と言っていいと思います。 そうだったんですか! 別の理由で、やはり切れ字であるというのですね。 では、参考2. goo辞書 【切れ字十八字】 には、なぜ「り」がないのでしょうか?不思議です。
- Him-hymn
- ベストアンサー率66% (3489/5257)
2 滝落ちて群青世界とどろけり まず、こういう場合のけりは切れ字ではないのかどうか。 →ちがいます。「けり」は詠嘆ですが、2の場合、詠嘆の意味がありません。 次に、見分け方として、直前に動詞がある<動詞+り>だと思われるものは気を付けたらよいと心得ればいいのかどうか。 →詠嘆の意味の「けり」の直前は、連用形でなければなりません。ですから、そこが見分ける最大のポイントです。また、「けり」には、「過去」と「詠嘆」の両方の意味があります。ただし、この「過去」といっても、「伝聞過去」であり、他人に聞いた過去の事実を「けり」で言い表しますので、俳句のように、基本的に一人称で詠まれる文学ですので、伝聞過去にはめったになりません。 したがって、とどろくーーを感嘆の意味をこめて「けり」を接続する場合は、 とどろきけりーーとなります。これなら、連用形ということになります。 とどろーーでは連用形ではありません。 また、とどろけりーーは、とどろけるーーとか、変化させることができますね。 しかし、落ちにけるーーではダメです。 これも見分け方になりますね。 以上、ご参考になればと思います。
お礼
分かりやすい説明をありがとうございました。 切れ字のけりは、詠嘆なのですね。 直前が動詞でも、とどろきけりならば、切れ字ですね。連用形かどうかが決め手。すると中学生に教えるときには困ります。文語文法は基本的に教えないもので・・・。
お礼
わかりました。どうもありがとうございました。