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狂言の口語訳
こちらの狂言台本の口語訳と読み方をひらがなで教えてください。 余り鬼がけはしう逐掛まするに依て、ふり返つて鬼のつらと存る所へほうど打付て、跡をも見ずして逃て参りましたが、跡でばりゝと致いて御座る程に、定めてをけは噛砕た物で御座らう。 爰なやつはむさしとした。あれは某が秘蔵の桶で、汝一人や二人にかへらるゝ桶ではないゝやい。 夫は御情ない事を仰らるゝ。あの桶は求させられたらば御座らうが、此太郎くはじやは、又と二人は御座るまい。 よろしくお願い致します。
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私は読んだことがありませんが、有名な狂言のようですので、題名で検索したら出てきそうに思うのですが。 <読み> あまりおにがけわしゅうおいかけまするによりて、ふりかえっておにのつらとぞんずるところへほうとうちつけて、あとをもみずしてにげてまいりましたが、あとでばりばりといたいてござるほどに、さだめておけはかみくだけたものでござろう。 ここなやつはむさしとした。 あれはやつがれがひぞうのおけで、なんじひとりやふたりにかえられるおけではないいやい。 それはおなさけないことをおおせらるる。あのおけはもとめさせられたらばござろうが、このたろうかじゃは、またとふたりはござるまい。 ※ 『爰なやつはむさしとした。』は、「やるまいぞ、やるまいぞ」的な狂言の言い回しかと思います。 <訳> あまりに鬼が激しく追いかけてきましたので、振り返って、鬼の顔があると思われる所へぽんとぶつけて、あとも見ずに逃げて参りましたが、後で、バリバリと音が致しましたので、たぶん桶はかみ砕かれたものでございましょう。 このやつは、ひどいことをした(←自信なし)。あれ(桶)は私が秘蔵していた(大事な)桶で、おまえ一人や二人とは引き替えにできるような桶ではないのだぞ。 それは(あまりに)お情けないことをおっしゃる。あの桶は、入手しようとすれば(同じ桶が)あるでしょうが、この太郎冠者は、もう二人とおりませんよ。 ※ 『爰なやつはむさしとした。』は、文脈上、「この男はなんとバカなことをしたもんだ」的な嘆き、罵倒の言葉がくるはずですが、「むさし」は「汚い、不潔である、いやしい」などの意味しかありません。 まあ、太郎冠者が主人秘蔵の桶を壊してしまい、その言い訳に鬼がなんとかと作り話を言ったものと思います。それに対して、シテの長者様か誰かが翻弄されるという話でしょう。
お礼
ありがとうございます。 とても助かりましたm(_ _)m