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PLL回路について
現在CQ出版社の『PLL回路の設計と応用』という本を読んでおります。 2点質問致します。 1)本の内容で、位相比較器とVCOと分周器の合成利得の直線の傾きが -20dB/decになっていますが、何故このようになるのでしょうか? 2)利得0になる時の周波数(伝達特性)fvpnはどのように導かれたのでしょうか? 大した質問でなく申し訳ございませんが、 ご回答頂きたくお願い致します。
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1)本の内容で、位相比較器とVCOと分周器の合成利得の直線の傾きが -20dB/decになっていますが、何故このようになるのでしょうか? 回答>> 添付したPLLループのブロック線図で基準位相信号θiから帰還位相信号θ0までの伝達関数(開ループ伝達関数)は位相比較器のゲインをKd、ループフィルタの伝達関数をF(s)、VCOの伝達関数をKv/s、分周器のゲインを1/Nとすると開ループ伝達関数Go(s)は Go(s) = Kd*F(s)*Kv/(s*N) (1) で与えられます。ここで s≡jω とおいて式(1)を書き直して Go(jω) = Kd*F(jω)*Kv/(jω*N) (2) と周波数軸での表現に書き直しました。ここで式(2)でフィルターが無い状態、すなわち F(jω)=1 として式(2)を書き直しますと Go(jω) = Kd*Kv/(jω*N) (3) を得ます。この開ループ伝達関数Go(jω)のゲインの絶対値|Go(jω)|を求めると式(3)より |Go(jω)| = Kd*Kv/(ω*N) (4) と求まります。式(4)で周波数ωが10倍になると|Go(jω)|は1/10すなわち-20dBになります。ということで -20dB/octの傾きが導き出されます。 2)利得0になる時の周波数(伝達特性)fvpnはどのように導かれたのでしょうか? 上記で求めた|Go(jω)|が0dB、すなわち 1 になるときの周波数ωをωvpnとすれば、式(4)より |Go(jω)| = Kd*Kv/(ωvpn*N) = 1 (5) と書き換えられます。 式(5)から、 ωvpn = Kd*Kv/N と求まりますので、 周波数 fvpn は fvpn = ωvpn/(2π) = Kd*Kv/(N*2π) と求まります。
お礼
合成伝達関数が各利得(伝達関数)の積であることが理解できていなかったのと、 『周波数ωが10倍になると|Go(jω)|は1/10すなわち-20dB』すらわかっていませんでした。 基礎力不足でした。 大変助かりました。ご回答大変ありがとうございました。