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「順序を繰りあがろう」は自然な日本語でしょうか
日本語を勉強中の中国人です。下記の文章にある「順序を繰りあがろう」は自然な日本語でしょうか。「順序が繰りあがろう」の誤植でしょうか。「繰りあがる」は自動詞のような気がします。 「毎学期のはじめ、体操の先生が全級を整列させて、帽子を取らせ、背の高さを見て整列の順を変えるとき、コペル君はそっと砂利の上に靴のかかとを乗せたり、出来るだけ首をのばしたりして、なんとか順序を繰りあがろうと苦心するのですが、成功したためしがありません。」 また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
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私にはごく自然な文章に思えます。 >「順番」は場所ではありませんので。言葉は時々論理的に理解しないほうがよいかもしれませんね。 ここで質問者様の誤解があるように思えます。 こぺる君は、順序の中位に居て、もっと上位に移動したいと思っているのです。つまり「順序」とはこの場合「ある特定の場所」なのです。その場所から(ちょっとズルいことをしてでも)更に上位へ(自力で)移動したいという願望を持って苦心している、という状況の描写でしょうね。
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- hakobulu
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おっしゃるように、自動詞で意志を持たない動詞なので、「繰りあがろうと苦心する」という表現はできません。 また、「繰り上がる」のは「順序」ではなく「順番」です。 「なんとか順番が繰りあがるようにと苦心するのですが、成功したためしがありません」 のようにすると正しい日本語になります(と思います)。 #2さんがご指摘になっているように、「なんとか順番を繰りあげようと苦心する」でも良いでしょう。 ただ、この場合、砂利の上に靴のかかとを乗せたりする行為によって、直接的に順番を繰り上げようと画策しているようなニュアンスになります。 しかし、実際には、先生が背の高さから判断して順番を決めるわけです。 つまり、順番を繰り上げる行為者は、あくまで先生です。 砂利の上に靴のかかとを乗せたりする行為によって即座に順番が繰り上がるわけではありません。 作者は、間接的に、あるいは結果として順番が繰り上がる、というニュアンスを出したかったのだと思われるので、添削に際しては、あくまで自動詞としての形は残すほうが好ましいと考えます。 自動詞にすることで、コペル君の小心な性格も表現しているのだと思います。
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ご親切に教えていただきありがとうございます。深いですね。とても参考になりました。
- do-deshow
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1.コペル君は順序を繰りあがろうとし苦心します。>「あがる」自動詞です 位置等が高いところへ移る 2.コペル君は順序を繰りあげようと苦心します。>「あげる」他動詞です 何かの作用を加えて位置などを高くする 3.コペル君は順序が繰りあがろうと苦心します。>これはちょっと使いませんが意味は充分伝わります。 現代文では、助詞「を」は他動詞(あげる)と呼応して目的格(順序)をわからせる役割ですが 例文はやや古い文なので、その時代には自動詞(あがる)+ 「を」もよく使っていました。 ですので、ここにトピ主様がひっかかりを感じたのは素晴らしい感覚をもっていらっしゃると思います。 この作家を現代日本語の教材にするのはいかがなものか? と思いますが、話としては夢があるので楽しんでくださいね。 1.は現代日本語ではやや古風な趣ですが自然な日本語です。 2.が一般的な文です 質問文全体は素晴らしいです。
お礼
ご親切に教えていただきありがとうございます。ご意見は大変参考になりました。がんばります。
- bari_saku
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順序を繰りあげよう(順序を繰り上げよう) だと、自然になると思います。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。そうですよね。参考になりました。
- guess_manager
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質問文は完璧な日本語です。句点、句読点の位置を含め、一箇所も不自然なところはありません。 コペル君の例文は吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」ですね。古い作品ですが、名作と言われています。これは、日本人から見たら完璧に自然な日本語です。誤植ではないと思います。 さて、「繰り上がる」は「繰る」+「上がる」の2つの動詞を組み合わせた、複合動詞と言います。おっしゃるとおり、「繰り上がる」は自動詞です。(他動詞は「繰り上げる」となります) 自動詞は目的語を取らないので、「順番を繰り上がろうと」は間違いなのかというと、そうではありません。 繰り上がろうとしたのは誰でしょうか?コペルくんです。 文章を単純化すると、 「コペル君は繰り上がろうと苦心する」 となり、「順番を」は目的語ではなく修飾部となります。 ですから、「繰り上がる」は自動詞ですが、この文では目的語を取っていませんので、「順番を」がくっついていたとしても、正しい表現である、といえるのです。 助詞の「を」がついていたからといって、目的語ではないということに注意してください。 似た例文としては、 「私は階段を上がる」 これは、「階段」を上の方向に移動させようとしているのではなく、私が上に移動しているのですよね。ですから、この場合の「階段を」は目的語ではなく、そして「上がる」は、他動詞ではなく自動詞、となります。 もし、階段を上の方向に移動させるのであれば、 「私は階段を上げる」という表現になります。 コペル君の例文を、他動詞「繰り上げる」を使って言い換えると、 「なんとか順序を繰りあげようと苦心するのですが」 となります。 ここからは余談になります。 複合動詞は、舞い上がる、立ち上がる、踏み倒す、食べつくす、掘り進む・・・などたくさんあります。 単純な意味の「上がる」とか「進む」の意味が膨らんで豊かに情景を描写することができるので、文学的表現では好まれます。 海援隊(武田鉄矢)の「贈る言葉」の有名な歌い出し、「暮れなずむ」なんてのもありましたね。日が暮れた、という表現と、泥む(なずむ)、つまりなじんでゆく(融合していく)という意味がが複合し、途端に風景が現れる秀逸な表現でした。 http://www.youtube.com/watch?v=iFD1b03wvOE 複合動詞の学術研究論文があります。難しいですが、読んでみるのも良いかと思います。 http://www.jpf.go.jp/j/japanese/survey/globe/19/06.pdf ちなみに、この説明を書くのにかなり苦心しました。 言われてみれば確かに変だなと思うのですが、日本語ネイティブとしては全く自然な文章だからです。そのくらいややこしいところですので、疑問に思うのも無理は無いなと思いました。 がんばってくださいね。
お礼
ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。おっしゃるとおり、吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」を読んでおります。「階段を上がる」なら理解できます。「場所+を+移動動詞」をその場所の範囲内で移動するというようにとらえております。「鳥は空を飛ぶ」もこのように説明できます。でも、ここの「順番を繰り上がる」はなかなか難しいですね。「順番」は場所ではありませんので。言葉は時々論理的に理解しないほうがよいかもしれませんね。いろいろとても参考になりました。がんばります。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。なるほど。とても納得できました。