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語用論的意味が意味論的意味を含むとする文献は?

S. を文として、S. は全て、 I tell you (that) S. 乃至 I say to you, "S." を意味する、と書いてある言語学ないし英語学の文献は何でしょうか。

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回答No.2

> 語用論的意味が意味論的意味を含む > 「語用論⊇意味論」とは言えますでしょうか。 おっしゃる意味がよく分かりません。 まず、語用論と意味論の違いについては、論者の立場によって異なります。 1.語用論と意味論の区別なし。 生成意味論や一部の認知意味論では、語用論と意味論を区別することはできないとしている。 まず意味があり、それに合わせて形式が生まれるとする考え方。 つまり言いたいことがあって、それで言い方が決まるとする立場。 たとえば、(2) は (1) から作られることになる。 (1) I SAY TO YOU [I WILL CAUSE JOHN TO BE DEAD] (2) I will kill John. 2.語用論と意味論にははっきりした棲み分けがある。 この立場は古くからある。 語用論は言葉と現実世界を結ぶもの、意味論は言葉の世界の中で完結するものという考え方。 典型的には、Gazder が Pragmatics = Meaning -Truth conditions としている。 この場合見ようによっては、 「広義の意味論⊇語用論」となる。 ほかに、語用論は含意を扱い、意味論は含意の基となる意味を扱うという理論もある。 この場合、重なりはない。 たとえば、(3) から (4)/(5) などの含意が生じるが、どのような含意が生まれるかは語用論で決まる。 (3) 太郎と花子は深く愛し合っている。 (4) だから、君は花子のことは諦めなさい。 (5) 二人はいずれ結婚するだろう。 3.語用論と意味論には区別があるが、境界ははっきりしない。 すべての語用論の領域は、必ず一部は意味論と重なるという、考え方。 たとえば敬語の意味と使い方は意味論と語用論の両方にまたがり、二つを厳密に区別しても、あまり得るところはないとする立場。

kimko379
質問者

お礼

またも長文の御丁寧な御回答を誠に有難う御座いました。良く分かりました。

その他の回答 (1)

回答No.1

すべてのSが、ということであれば、そのような文献は存在しない。 一部の陳述文について、そう分析できるという文献なら山ほどある。 このような分析を、発話行為理論 Speech Act Theory にもとづく遂行分析 Performative analysis という。 まず、発話行為理論の創始者である Austin は、The box is white. はI assert [the box is white] と同じ意味を持つと主張した。 これを受けて、今はすっかり滅んでしまった生成意味論者が遂行分析を始めた。 代表的なのは、Ross 1970 と Sadock 1974 である。 そこでは、たとえば The prices slumped. は I SAY TO YOU [the prices slumped] と分析される。 繰り返しになるが、すべてのSが I SAY TO YOU の補文になるというわけではない。 SAY や TELL 以外に様々な遂行動詞(oder, promise, ask など)が現れうる。 Ross, John R. (1970). On declarative sentences. In R. A. Jacobs & P. S. Rosenbaum (Eds.), Readings in English transformational grammar (pp. 222–272). Washington: Georgetown University Press. Sadock, Jerrold M. 1974. Toward a linguistic theory of speech acts. New York: Academic Press.

kimko379
質問者

お礼

御丁寧な御回答を誠に有難う御座いました。

kimko379
質問者

補足

お説は御もっともと致しまして、それでも、「語用論⊇意味論」とは言えますでしょうか。

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