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ある場所難問をふっかけられました、困ってます。
とある掲示板で難問をふっかけられ困ってます、解けなくてくやしいので教えてもいいという 方がいらっしゃったら教えていただきたい。 この鐘をば、つく人もなくて、一二時に鳴らさむとするなり。それをかく鋳てのち、土に掘り埋みて三年あらしむべきなり。 けふよりはじめて三年に満てらむ日掘り出すべきなり。 問1.「鋳」の動詞の活用の種類を示せ。 問2.「埋み」の動詞の活用の種類と意味を示せ。 問3.「満てらむ」を文法的に説明せよ。 時間に余裕がある方がいらっしゃいましたら 答えを教えていただきたいのです。 よろしくお願いします。
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質問の問1~3は次のようになると思います。 問1、「鋳」は、「い」と読み、終止形は「鋳る」で、ヤ行上一段活用です。上一段活用は語幹と語尾の区別がないのが特色で、未然形から「い・い・いる・いる・いれ・いよ」と活用します。ちなみにこの「鋳て」の部分は、上一段活用の動詞「鋳る」の連用形+接続助詞の「て」です(「て」の接続は連用形)。なお、「鋳(い)」がヤ行なのは、「い」がア行ではなく、今はないヤ行(ヤ・イ・ユ・エ・ヨ)の「い」だからです。これが、「居」や「率」(両方とも「ゐ」とよみます)の場合には、ワ行(ワ・ヰ(ゐ)・ウ・ヱ(ゑ)・ヲ)になります。これは上に書きましたように語幹と語尾の区別がないためです。 *「鋳」の動詞の活用の種類を示せ=(ヤ行)上一段活用 問2、「埋み」は、「うづみ」と読み、終止形は「埋む(うづむ)」で、マ行四段活用です。活用は未然形から「うづ‐ま・うづ‐み・うづ‐む・うづ‐む・うづ‐め・うづ‐め」です。ですから「埋み」はマ行四段活用の連用形となります。意味は、(1)土の中などに入れて上をおおう。うずめる。(2)気分をめいらせる。ここでは(1)の意味になります。 ちなみに、「埋む」は室町時代以降、下二段活用の用例が出てきますが、この場合活用は「うづ‐め・うづ‐め・うづ‐む・うづ‐むる・うづ‐むれ・うづ‐めよ」ですので、この場合には当てはまりません。 *「埋み」の動詞の活用の種類と意味を示せ= 活用の種類=(マ行)四段活用 意味 =土の中などに入れて上をおおう。うずめる。 問3、「満てらむ」は、「みてらむ」と読みます。「らむ」の識別が面倒ですが、識別のカギは「満て」にあります。この活用形がなんであるかが重要です。ではその「満て」ですが、終止形が同じ「満‐つ(み‐つ)」の自動詞タ行四段活用と、他動詞タ行下二段活用の二種類があります。 自動詞四段活用は「み-た・み-ち・み-つ・み-つ・み-て・み-て」と活用します。 他動詞下二段では「み-て・み-て・み-つ・み-つる・み-つれ・み-てよ」と活用します。 「満て」は自動詞にも他動詞にもあります。自動詞か他動詞かの判断は意味で考えてもよいのですが、意味で考えると何となく訳せる場合が有ります。しかし、文法的に反論されるとアウトなので、文法的に考えた方が間違いがありません(「らむ」についても同じです)。老婆心ですが。 さて、「らむ」と関連付けながら文法的に考えてみると次のようになります。 まず「らむ(「らん」と表記されることもある)」の識別の候補について挙げると以下のようになります。 (1)動詞の未然形の語尾+推量の助動詞「む」の終止形・連体形 (2)形容詞の未然形の語尾の一部(「けら」の「ら」)+推量の助動詞「む」の終止形・連体形 (3)完了の助動詞「たり」の未然形の語尾(「たら」の「ら」)+推量の助動詞「む」の終止形・連体形 (4)打消の助動詞「ず」の未然形の一部(「ざら」の「ら」)+推量の助動詞「む」の終止形・連体形 (5)完了の助動詞「り」の未然形+推量の助動詞「む」の終止形・連体形 (6)現在推量の助動詞「らむ」の終止形・連体形 この内、(1)~(4)は該当の部分が「(満)てら」ですので、合致しません。残る(5)と(6)が候補になります。この内、(5)の完了の助動詞「り」の接続は四段動詞の已然形(命令形とも)とサ変動詞の未然形です。これに対して(6)の現在推量の助動詞「らむ」の接続は活用語の終止形ですが、ラ変型活用には連体形に接続します。 (5)に対しては四段の「満て」は已然形・命令形ですので接続はOKです。これに対して下二段の「満て」は未然形・連用形ですが、そもそも四段型・サ変型とは違うので、接続は最初から合致しないことになります。 (6)は接続が終止形なので、四段の場合は「満つ」、下二段の場合も「満つ」になるはずですので、ここでは「満て」ですので、四段も・下二段も接続が合わないことになります。つまり、「らむ」の候補から(6)の現在推量の助動詞は除かれることになります。最終的には問題の「らむ」は、(5)の完了の助動詞「り」の未然形+推量の助動詞「む」連体形(下に「日」という名詞=体言があるので終止形ではなく連体形になります)となり、「満て」は自動詞の四段活用の已然形(命令形)と確定することになります。 *「満てらむ」を文法的に説明せよ= 「満て」(自動詞タ行四段活用の已然形)+「ら」(完了の助動詞「り」の未然形)+「む」(推量の助動詞「む」連体形) 以上、まわりくどく、長い説明になってしまいましたが、参考まで。
お礼
fumkumさん、解答ありがとうございました。 おかげで助かりました。 これで次に同じことを聞かれても対応できます。