ANo.2 にかいた解法は, あくまで,
∫[0 → ∞] e^(-u^2) du = (√π)/2
であることを知っている場合のみ, 許される方法です.
これを既知と認めず, 値を求めるというなら, かき方を変える必要があります. まず,
I = ∫[0 → ∞] e^(-u^2) du
と置くのは, かく分量を減らすメリットがあるので, 減点対象にはならないでしょうが, この広義積分が収束するかどうか不明な時点で,
I^2 = ~
とかいて時点で, 数学科であれば, 教員は続きを読んでくれない可能性すらあります.
有限確定値をもつ保証がないのに, それを2乗することは, 意味をもたないからです.
I > 0 とかくだけでも, かなり危険です.
I = ∫[0 → ∞] e^(-u^2) du を, 二重積分を用いてきちんと求めようとするなら, まず,
(∫[0 → a] e^(-u^2) du)^2 (a > 0) を考えることから, 始める必要があります. つまり,
f(x, y) = e^(-(x^2 + y^2)),
K_a = { (x, y) | 0 ≦ x ≦ a, 0 ≦ y ≦ a },
と置き, 二重積分
I(a) = ∫∫_K_a f(x, y) dxdy = (∫[0 → a] e^(-u^2) du)^2
を考えます.
もちろん, ∫[0 → a] e^(-u^2) du > 0 が成り立ちます.
積分範囲として, さらに,
S_a = { (x, y) | x^2 + y^2 ≦ a^2, x ≧ 0, y ≧ 0 },
S_(√2)a = { (x, y) | x^2 + y^2 ≦ 2a^2, x ≧ 0, y ≧ 0 },
と置き, 極座標変換して,
J(a) = ∫∫_S_a f(x, y) dxdy
= ∫[0 → π/2](∫[0 → a] re^(-r^2) dr) dθ
= π(1 - e^(-a^2))/4
が得られます.
また, f(x, y) > 0 で, S_a ⊂ K_a ⊂ S_(√2)a なので(strict inclusion),
J(a) < I(a) < J((√2)a) が成り立ちます.
ここで, a → ∞ とすると,
J(a) → π/4, J((√2)a) → π/4 となりますから,
lim [a → ∞] I(a) = π/4 が得られます.
以上のことより,
∫[0 → ∞] e^(-u^2) du = √(π/4) = (√π)/2
であることが, 示されました.