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オマハビーチの艦砲射撃
- D-DAYオマハビーチの攻防について、ディスカバリーチャンネルの2時間スペシャルを観ました。
- 上陸前に艦砲射撃しなかった理由は、海側ではなく内陸側にズレるよう投下したため、敵陣に打撃を与えられなかったためです。
- 上陸後にも艦砲射撃が行われましたが、誤爆のリスクがあるため注意が必要でした。
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>なぜ上陸前に艦砲射撃しなかったのですか? 上陸前に艦砲射撃は行われています。 オマハ海岸ではアメリカの戦艦アーカンソー、フランスの巡洋艦モンカルムとジョルジュレイグ、イギリスの巡洋艦グラスゴーの他、駆逐艦8隻が上陸前に艦砲射撃を行いました。 ちなみに同じアメリカ軍が上陸したユタ海岸ではイギリス巡洋艦エンタープライズとホーキンス、オランダ軽巡洋艦スエムバ、の他、駆逐艦8隻が艦砲射撃を行っています。 >オマハビーチなるものが消滅するほどの艦砲射撃をすることは可能だった筈。 海軍では当初、海岸の防備を叩くために上陸開始前に2時間の艦砲射撃をする予定でした。しかし、陸軍側から、そのような長時間の砲撃をしていると敵増援部隊が到着する時間を与えるとして、40分の砲撃にしてくれとの要請があり、海軍側が折れて40分の砲撃になりました。 完全に孤立し援軍の望みのない硫黄島の日本軍の戦いと、後方からの増援が望めるドイツ軍、そして海岸に橋頭堡を築く前にドイツ軍増援部隊に到着してほしくない連合軍のノルマンディー上陸作戦では状況が違います。 なお、当時、連合軍はオマハ海岸のあるオルヌ川~ヴィール川の間には、ドイツ軍は第716歩兵師団の1個師団しかいないと判断していました。 しかも、この師団は2個連隊編成で偵察大隊も欠いている2線級の部隊でした。 その部隊が守備するオルヌ川~ヴィール川の間は60キロの距離があり、とても1個師団では完全に防備できる距離ではありませんでした。 ここにドイツ軍は第352歩兵師団を5月になって配備しましたが、この情報を連合軍司令部は掴み損ねたのです。フランスで活動していた情報部員がこの第352歩兵師団の情報をイギリスに伝えようとしますが、それが失敗しており、連合軍司令部は1個師団しかいないものと思い込み上陸作戦を行っています。 そのドイツ軍1個師団が守ると判断していた海岸線に連合軍は4個師団以上の兵力を上陸させる計画でした。(オマハ海岸にアメリカ第1歩兵師団、ゴールド海岸にイギリス第50歩兵師団と第8装甲旅団、ジュノー海岸にカナダ第3歩兵師団と第2装甲旅団、スゥオード海岸にイギリス第3歩兵師団と第27装甲旅団) ちなみに硫黄島は約21平方キロメートルであり、日本軍は約2万人2千人の兵力を配備していました。 つまりドイツ軍の守るノルマンディー海岸は手薄だと判断されており、極端に長時間の艦砲射撃をしなくても敵防備を破壊できるとも判断されていました。 >上陸後に援護として艦砲射撃したと それだけ戦況が悪く、状況を打破するために行われました。 「突撃部隊は消滅しつつあり。被害甚大。敵砲火のため浜を越えられず。上陸部隊は狭小地区に集結したまま。工兵の地雷撤去、水中障害物爆破不可能。戦車を含む車両は狭い浜に釘付け。敵第716歩兵師団のほか第352歩兵師団をも確認せり」 という悲観的な報告が、アメリカ第1軍司令官オーマン・ブラッドリー中将に伝えられるほどです。 駆逐艦部隊は座礁の危険を冒して海岸に接近し敵拠点に砲撃を行い、上陸部隊の援護を行いました。 ノルマンディー上陸作戦の1カ月後、オマハ海岸を担当したアメリカ第1歩兵師団の参謀長から海軍に感謝が伝えられています。 「あの砲撃がなかったら、我々には絶対に海浜を突破する事はできなかった」と。 つまり、海軍の艦砲射撃は実施されていましたが、敵増援部隊が来る前に海岸線に橋頭堡を築きたい陸軍側の要請で、艦砲射撃は短時間になりました。ただし、当時、オマハ海岸に配備されていたドイツ軍は弱小部隊と判断されており、空爆と短時間の艦砲射撃でも充分、効果あるものと思われていました。しかし、予想外にドイツ軍の防備は固く、兵力も多かったという事です。 簡単に言えば見込みが外れたという事です。 そして見込みが外れたのはオマハ海岸だけであり、ユタ、ジュノー、ゴールド、ソゥオードの4海岸は見込み通り上陸作戦はうまく進展しています。 上陸後の援護射撃も本来なら内陸部にしか行いませんが、あまりにオマハ海岸の戦況が悪いため、味方への誤射と駆逐艦の座礁の危険を冒して、敢えて行われました。
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- eroero1919
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艦砲射撃はちゃんとしましたよ。ただ、思ったほど効果はなかったのです。 第二次大戦における戦艦の艦砲射撃の効果については、あのガダルカナルの戦いでの日本海軍によるヘンダーソン基地への艦砲射撃が大きな影響を与えました。戦艦一隻の艦砲射撃の力は、一個師団の砲兵部隊に匹敵するといわれたのです。ゆえに、以後の上陸作戦においては、ノルマンディーはもちろん、タラワ、ペリリュー、硫黄島、沖縄とどの戦いでも戦艦による大規模な艦砲射撃が行われました。戦艦や重巡洋艦などの大型艦による艦砲射撃のみならず、ロケット砲艦などの上陸支援の艦砲射撃専門の小艦艇も作られました。 で、他の方も書いているのですが、タラワ、ペリリュー、オマハ、硫黄島と、圧倒的な火力で地形が変わるほどの大砲撃を加えたにも関わらず米軍はどの戦いでも甚大な損害を出しています。入念に準備された陣地やトーチカに対しては事前の砲爆撃ってあんまり効果がないんです。入念に作られたコンクリートのトーチカなら、戦艦の主砲弾が直撃しても破壊されないのです(というか、直撃されても破壊されないように作ってある)。そういう硬い目標を破壊できるのは徹甲弾ですが、しかし徹甲弾は直撃しなければ逆に相手に損害を与えることはまったく不可能です。だから上陸作戦の艦砲射撃では徹甲弾は使わない(使えない)のです。 また守備側も陣地が外から分からないように隠したり、ニセ陣地を作ったりします。米軍の海兵隊員の手記には、日本軍の対戦車砲陣地は「いつも戦車が撃たれてやられてから初めて陣地があることに気づいた」そうですよ。 上陸後の米軍の支援砲撃ですが、第二次大戦の米軍は大戦参加国中もっとも優れた支援砲撃システムを持っていました。よく戦争映画やドラマで米兵が無線機で「敵の攻撃を受けている!砲撃支援を求む!」なんてやっていますが、あれができたのは実は米軍だけでした。優れた無線機を持っていたのは米軍だけだったんでね。ドイツ軍も優れた無線機は持っていたのですが、あのトランシーバー型の無線機を作れたのはアメリカだけだったんです。
- e_16
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上陸前に艦砲射撃をしたら上陸する事がバレちゃうから(^_^; 船に積める砲弾の数には限りがありますし、射程距離もありますから幾らでも撃てるわけではありません、ドイツ側は陸地ですから幾らでも砲弾を追加できますからねぇ ふつーは、沿岸に兵や防御施設を固めますから、その後ろ、陸側を艦砲射撃をしても意味がありません、誰も居ないところを攻撃しても意味なし^^ 上陸後は、ドイツ側の援軍に対しての艦砲射撃です、沿岸部の敵に対しての攻撃ではありません、そんなのしたら上陸部隊に当たっちゃう^^ >ノルマンディではそれ以上の戦力が結集しているのだから、それこそ地図上から オマハビーチなるものが消滅するほどの艦砲射撃をすることは可能だった筈。 基本的な事ですが、艦砲よりも陸上砲のほうが射程距離が長いんです、連合軍が攻撃できる距離よりも遠くから攻撃ができます、大挙してやってきても、ドイツ側は撃ち放題で連合国側は逃げるしかありません だから上陸作戦は秘密作戦でしたし、陽動する艦隊が別にあって兵力を分散する必要がありました。 硫黄島は、日本からの補給の関係がありましたので反撃する砲も弾薬もありませんでした。
- PENPENMAKKY
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> 硫黄島上陸の際は、それこそ地形が変わるほど艦砲射撃の浴びせてからの上陸 でも日本軍は全滅どころかほとんど無傷でしたよ 海岸防御陣地は15インチ砲で撃たれる事を想定して作ってあります。砲台は破壊できるかもしれませんが、内部に隠れた兵隊を吹き飛ばすのは不可能なんです。 無論、上陸前に艦砲射撃を行っています。ですが、戦艦の砲弾ってそんなに数がある訳じゃありません。10回も撃てませんよ。それに116連隊が上陸を開始したら砲撃は不可能ですし、海岸を確保するために上陸するのに海岸を使い物にならなくしたら元もこうもありません。 上陸作戦は干潮時に実施されたため、米軍は長い海岸を進まねばなりませんでした。ドイツ軍はそこを狙って反撃したのです。 ドイツ軍の防衛戦術は水際防御で、日本軍は島内引き込み戦術でした。米軍はどっちも甚大な被害を蒙りましたが、対日戦の方が地獄だったようです。