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εーδ論法の表記方法と意味についての質問
- εーδ論法は数学の表記方法であり、特定の条件を満たす実数についての議論を行うために用いられます。
- εーδ論法の表記は「∀ε>0, ∃δ>0 s.t. ∀x∈R, 0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<ε」となります。
- この表記は、「任意の正の数 ε に対し、ある適当な正の数 δ が存在して、 0 < |x - a| < δ を満たす全ての実数 xに対し、 |f(x) - b| < ε が成り立つ」という意味を持ちます。
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★★★★★★ 印 より下は、むずかしい記述であると思われます。興味があれば、お読みください。 ● ANo. 5 の訂正です。まことに申しわけありません。 [ 1 つ目 の訂正 ] 1) ∀ε ∈ R^+, ∃δ ∈ R^+, ∀x ∈ R, 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε 上記の 1) を「 命題 」と、私はこれまで呼んできました。しかし、1) は「 命題 」ではなく、「 条件 」もしくは「 命題関数 」と呼ばれるものです。 [ 2 つ目 の訂正 ] 最後の ● 項目において、f(x) を「 実数値関数 」と私は呼びました。しかし、これでは説明不足です。f(x) は「 実変数 x の実数値関数 」であるとすべきでした。 [ 3 つ目 の訂正 ] 最後の ● 項目において、集合 B は R の部分集合であると、私は記述しました。しかし、B をあえて限局する必要はなさそうです。B = R でよいと思われます。 以下は、ANo. 5 の補足です。 ● 補足 1 1) ∀ε ∈ R^+, ∃δ ∈ R^+, ∀x ∈ R, 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε 前述のとおり、ご質問の中核となる 1) は、「 条件 」もしくは「 命題関数 」と呼ばれるものです。すなわち、1) という条件は、a, b, f が何であるかが決まれば、真であるか偽であるかが決まる命題となります。 a, b, f が何であるかが決まらなければ、条件 1) の真偽は決まりません。また、a, b, f が仮に決まったとしても、a, b, f の決めかたによっては、1) が真になる場合もあれば偽になる場合もあります。 kazucb400 さん は、ご質問の文章の中で、1) という条件を日本語で次のとおりに表現なさいました。 1) 任意の 正の数 ε に対し、ある適当な 正の数 δ が存在して、0 < |x - a| < δ を満たす全ての 実数 x に対し、|f(x) - b| < ε が成り立つ。 この表現は、数学書などでよく見受けられるものであり、もちろん問題はないと、私は考えます。ですが、これによって示される 条件 1) が真であるか偽であるかは、前述のとおり a, b, f が何であるかによって決まります。すなわち、任意の 正の数 ε に対し、… ( 同上 ) … |f(x) - b| < ε が成り立つかどうかは、a, b, f が何であるかによって左右されます。 ですから、kazucb400 さん がご質問の文章の中で「 (3)『 ∀ε < 0, ∃δ < 0 』を『 ∃ε < 0, ∀δ < 0 』と書くと間違いになるのですか 」「 (4)『 ∃ε < 0, ∃δ < 0 』と書くと間違いになるのですか 」と問われましても、残念ですが、回答のしようがありません。 あえて回答しようとするならば、次のとおりになります。 一般に (= 特殊な場合を除いて )、次の 4 つ の 条件 ( もしくは命題 ) は、「 … 」の部分が 4 つ とも同一であるとしても、異なるものです。 ∀p ∈ P, ∃q ∈ Q, … ∃p ∈ P, ∀q ∈ Q, … ∀p ∈ P, ∀q ∈ Q, … ∃p ∈ P, ∃q ∈ Q, … そして、繰り返しになりますが、 1) という条件は、「 実変数 x の実数値関数 f(x) の極限値 」を定義する際に用いるものです。すなわち、次の 8) という命題が真であると定義するわけです。なお、lim の真下には、x → a が置かれます。 8) ∀a ∈ A, (∀b ∈ R, ((∀ε ∈ R^+, (∃δ ∈ R^+, (∀x ∈ R, 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε))) ⇔ lim f(x) = b)) ● 補足 2 ∀ には、「 任意 」「 どの 」「 どんな 」「 各 」「 すべて 」「 全 」などの日本語がよくあてられます。∃ には、「 適当 」「 ある (= 或る ) 」「 存在 」「 少なくとも 1つ 」などの日本語がよくあてられます。 逆に言えば、日本語の数学書で「 任意 」「 どの 」「 どんな 」「 各 」「 すべて 」「 全 」などの言葉を目にした場合、必ずそこには ∀ の影がひそみます。「 適当 」「 ある (= 或る ) 」「 存在 」「 少なくとも 1つ 」などの言葉を目にした場合、必ずそこには ∃ の影がひそみます。 ★★★★★★ ● 補足 3 上記の 1) という命題における |f(x) - b| < ε は、次の 9) のとおりに書き換えられます。 9) f(x) ∈ ]b - ε, b + ε[ ]b - ε, b + ε[ は R の部分集合を表わします。b - ε より大きく、b + ε より小さい実数の集合です。 そして、上記の 1) という命題における 0 < |x - a| < δ は、次の 10) のとおりに書き換えられます。 10) x ∈ ]a - δ, a + δ[ - {a} ]a - δ, a + δ[ - {a} は R の部分集合を表わします。a - δ より大きく、a + δ より小さい実数の集合から、a という要素を取り除いた集合です。 これらの書き換えにともない、1) という命題は、次のとおりに書き換えることができます。x ∈ R と ⇒ が消えていることに注意してください。(※) 1) ∀ε ∈ R^+, ∃δ ∈ R^+, ∀x ∈ ]a - δ, a + δ[ - {a}, f(x) ∈ ]b - ε, b + ε[ この書き換えにともない、ANo. 5 における 8) という命題は、次のとおりに書き換えることができます。 8) ∀a ∈ A, (∀b ∈ R, ((∀ε ∈ R^+, (∃δ ∈ R^+, (∀x ∈ ]a - δ, a + δ[ - {a}, f(x) ∈ ]b - ε, b + ε[))) ⇔ lim f(x) = b)) (※) x ∈ R と ⇒ を消すことができる理由は、次のとおりです。 P, Q が集合を表わす記号であるとするとき、次の 11) という 条件 ( もしくは命題 ) と 12) という 条件 ( もしくは命題 ) は同値になります。ただし、「 … 」の部分は、2 つ とも同一であるとします。∩ は「 交わり (= 共通部分 ) 」を意味する記号です。 11) ∀p ∈ P, p ∈ Q ⇒ (…) 12) ∀p ∈ P ∩ Q, … ところで、Q が P の部分集合であるとき、P ∩ Q = Q となります。 ● 補足 4 ANo. 5 では、A を単に R の部分集合と記述しただけで、かたづけてしまいました。岩波数学辞典 第 3 版 ( 1985 年 12 月 10 日 ) 437 ページ 166. 収束 F. 関数値の極限 という項目の冒頭部分において、次の記述が見られます。 「 実変数 x の実数値関数 f が a の近傍で、点 a を除いて定義されているとする。… 」 この記述をもとに、A の具体像を私は推測してみました。 集合 X が f の定義域であるとします。もちろん、X は R の部分集合になります。 A = {a| (a ∈ R) ∧ (∀ε' ∈ R^+, ∃x' ∈ X, x' ∈ ]a - ε', a + ε'[)}
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- Caper
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さらに訂正です。まことに申しわけありません。 http://okwave.jp/qa/q7797123.html ANo. 6 を投稿後に、気がつきました。 ● [ 6 つ目 の訂正 ] ANo. 7 補足 1 において。「 が成り立つ 」が余計でした。 [ 誤 ] 1) 任意の 正の数 ε に対し、ある適当な 正の数 δ が存在して、0 < |x - a| < δ を満たす全ての 実数 x に対し、|f(x) - b| < ε が成り立つ。 [ 正 ] 1) 任意の 正の数 ε に対し、ある適当な 正の数 δ が存在して、0 < |x - a| < δ を満たす全ての 実数 x に対し、|f(x) - b| < ε
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- Caper
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たよりなくて、ごめんなさい。さらに、訂正です。 ● [ 4 つ目 の訂正 ] ANo. 5 と ANo. 7 における 8) において。 f(x) を「 実変数 x の実数値関数 」として私は取り扱いました。ですから、f(x) の定義域は R です。それにともない、a の変域 A を R の部分集合としてわざわざ取り扱う必要はなく、A = R とすべきでした。よって、8) を下記のとおりに訂正します。 8) ∀a ∈ R, (∀b ∈ R, ((∀ε ∈ R^+, (∃δ ∈ R^+, (∀x ∈ R, 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε))) ⇔ lim f(x) = b)) もしくは、 8) ∀a ∈ R, (∀b ∈ R, ((∀ε ∈ R^+, (∃δ ∈ R^+, (∀x ∈ ]a - δ, a + δ[ - {a}, f(x) ∈ ]b - ε, b + ε[))) ⇔ lim f(x) = b)) ● [ 5 つ目 の訂正 ] 上記の [ 4 つ目 の訂正 ] にともない、すなわち、A = R と訂正したことにともない、ANo. 7 の最後の ● 項目 である「 補足 4 」をすべて取り消します。 蛇足ではありますが、実数値関数 f(x) の定義域 X が 、例えば、R の "この場合に有効な" 真部分集合であったとしても、ANo. 7「 補足 4 」における A の説明はまちがっています。最後尾付近において、- {a} が抜けていました。正しくは、次のとおりであると思われます。 A = {a| (a ∈ R) ∧ (∀ε' ∈ R^+, ∃x' ∈ X, x' ∈ ]a - ε', a + ε'[ - {a})}
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- kbjsh17
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問題の論理式はただ単に極限(収束)を表現しているものだったのですね。。。連続の定義が書きたいのだとはやとちりしました。。。 >∀x∃yの間に「、」コンマを入れた場合(∀x、∃y)と入れない場合は同じ意味になるのですか、別の意味になるのでしょうか。 s.t.はsuch thatのことですが、同じ意味で他の表記方法もあるのでしょうか。 #4さんもおっしゃってますが、コンマもs.t.も日本語や英語で主張を書いたときの名残なので、あってもなくても意味は変わりません。そういうのがあるのは、論理式を読みやすくするためです。ほかにも括弧をつけるとか、いろいろな工夫ができます。例えば次の4つは全部同じ意味です。 ∃x x<0 ∃x, x<0 ∃x s.t. x<0 ∃x (x<0) >∀xは、任意のxということですが、全てのxと解釈するのは間違いですか。任意とは、あるものを選択するという理解であっていますでしょうか。 「任意のxについて○○が成立する」と「全てのxについて○○が成立する」は数学的には同じ意味です。だからどっちと読むかに違いはありません。 しかし#4さんも言っておられますが、「任意のx」という言葉には何かひとつxを選択して、それについて議論しよう、というニュアンスがあるとみなされ、数学の証明では便利な言葉としてよく使われます。 Aさん:僕は次の命題が正しいと主張するよ。「全ての自然数xに対してある自然数yが存在して、xよりyのほうが大きい」 (∀x∈N, ∃y∈N s.t. x<y) Bさん:一見正しそうだが、それは本当に証明できるのかい。 Aさん:よし、じゃあ何でもいいから好きな自然数を思い浮かべてほしい。 Bさん:思い浮かべたよ。 Aさん:それをxと呼ぶことにする。さて、xは自然数だからx+1も自然数になるよね。 Bさん:まあね Aさん:じゃあx+1をyとおいてみよう。x<yが成り立つね Bさん:そうだね Aさん:だからBさんが最初に選んだxに対してはそれより大きいyが見つけられたね。 Bさん:だけど示さなきゃいけないのは全てのxについてだよね。 Aさん:そのとおり。だけど、この議論は最初にxとして何を選ぶかに依存しない議論だから、すべてのxに対しても同様の議論ができる。よって「全てのxについて」も同時に証明されているわけだ。 以上を簡潔に書くと、 任意にxをとる。yをx+1とする。x<yが成り立つ。(xのとり方は任意だったので、)以上で∀x∈N. ∃y∈N s.t. x<y が証明された。 となります。 まとめ: 「任意にxをとる。そのとき○○が成り立つ。」という議論ができれば「全てのxについて○○が成り立つ」ということが証明できたことになります。 逆に「全てのxについて○○が成り立つ」ということが正しければ「任意にxをとる。そのとき○○が成り立つ。」という主張はもちろん正しくなるので、結局どっちの意味で考えても最終的な違いは出てきません。 >左から順に読んで、xに対してyが存在する、ということなので、xとyが関連付けられていますが、関連付けなく並列的に、xが存在する、またyが存在する、という表記はどのようになるのでしょうか。 関連付けなく並列的、のニュアンスがいろいろありえますが、、、 これについてはきちんと説明するには数学的同値の概念を説明する必要があって長くなるので、(必要に応じて?)後日また書いてみたいと思います。 ざっくり言うと、∃x∃y ~ を前から順に対応を意識しながら解釈しても、一気に「あるxとyが存在して次の性質を満たす。~」と解釈しても実は同じ結果しか導かれない(どちらの解釈での主張も数学的に同値になる)のです。(上で述べた任意と全てが同じものだ、という議論に似ています。)だから∃x∃yは、はじめから並列的な存在を意味していると考えたほうが簡単かもしれません(もちろんxとyの順番も関係なくなります)。∀x∀yも同じような性質を持ちます。しかし、∃と∀が交互に現れるときは前から順に読む原則を無視すると全然異なるものになってしまうので、複雑な論理式を読むときは注意が必要です。 また何か質問があればどうぞ。。。
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理解できました。 有難う御座いました。 お礼が遅くなり申し訳御座いません。
- Caper
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● 以下における私の記述がまちがっていました場合は、ひらにごめんなさい。 ● こちらの Web ページ をごらんになったのでしょうか。 ウィキペディア フリー百科事典 イプシロン-デルタ論法 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%83%B3-%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%BF%E8%AB%96%E6%B3%95 関数値の収束 関数 f(x) に対して、極限の式 lim f(x) = b ( lim の真下には、x → a が置かれます ) を ε - δ 論法で書くと、 ∀ε > 0, ∃δ > 0 s.t. ∀x ∈ R, 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε となる。… ● まず、ご質問の中核となる命題を、次の 1) のとおりに書き換えることにします。s.t. をコンマに置き換えただけです。 1) ∀ε > 0, ∃δ > 0, ∀x ∈ R, 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε この書き換えを行なっても支障はありません。コンマも s.t. も「 について 」と和訳することができると、私は考えます。( ただし、∀ε > 0 s.t. ∃δ > 0 s.t. ∀x ∈ R s.t. 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε と書き換えてはいけません ) さらに、上記の 1) という命題を書き換えます。ε > 0 と δ > 0 は、ご推測のとおり、略記です。ですから、それを次のとおりに改めます。正の実数全体の集合を R^+ と表わすことにします。 1) ∀ε ∈ R^+, ∃δ ∈ R^+, ∀x ∈ R, 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε ● 上記の 1) という命題についての考察を進める前に、より簡単な命題について考察することにします。 集合 P を、次のとおりに定めます。 P = {- 2, - 1, 0, 1, 2} そこで、次の 2) という命題について考察します。 2) ∀p ∈ P, p の 2 乗 は 1 以上である 上記の 2) を日本語で表現すると、次のとおりになります。 2) P の 各要素 p について、p の 2 乗 は 1 以上である。 上記の 2) という命題は、次のとおりに書き換えられます。∧ は「 かつ 」を意味する記号です。 2) (- 2 の 2 乗 は 1 以上である) ∧ (- 1 の 2 乗 は 1 以上である) ∧ (0 の 2 乗 は 1 以上である) ∧ (1 の 2 乗 は 1 以上である) ∧ (2 の 2 乗 は 1 以上である) つまり、「 p の 2 乗 は 1 以上である 」という命題の中に登場する p に 集合 P の各要素を代入してできる各命題を、∧ でつなげたものに書き換えることができるわけです。 上記の 2) という命題は偽です。 今度は、次の 3) という命題について考察します。 3) ∃p ∈ P, p の 2 乗 は 1 以上である 上記の 3) を日本語で表現すると、次のとおりになります。 3) P の少なくとも 1 つ の要素 p について、p の 2 乗 は 1 以上である。 上記の 3) という命題は、次のとおりに書き換えられます。∨ は「 または 」を意味する記号です。 3) (- 2 の 2 乗 は 1 以上である) ∨ (- 1 の 2 乗 は 1 以上である) ∨ (0 の 2 乗 は 1 以上である) ∨ (1 の 2 乗 は 1 以上である) ∨ (2 の 2 乗 は 1 以上である) つまり、「 p の 2 乗 は 1 以上である 」という命題の中に登場する p に 集合 P の各要素を代入してできる各命題を、∨ でつなげたものに書き換えることができるわけです。 上記の 3) という命題は真です。 ● より簡単な命題についての考察を、さらに続けます。 集合 Q を次のとおりに定めます。 Q = {0, 1} そこで、次の 4) 5) という命題について考察します。 4) ∀q ∈ Q, ∃r ∈ Q, q + r = 0 5) ∃q ∈ Q, ∀r ∈ Q, q + r = 0 上記の 4) 5) という命題の構造がもっとわかりやすく映るように、( ) を補います。 4) ∀q ∈ Q, (∃r ∈ Q, q + r = 0) 5) ∃q ∈ Q, (∀r ∈ Q, q + r = 0) 上記の 4) 5) を日本語で表現すると、次のとおりになります。 4) Q の 各要素 q について、「 Q の少なくとも 1 つ の要素 r について、q + r = 0 」 5) Q の少なくとも 1 つ の要素 q について、「 Q の 各要素 r について、q + r = 0 」 上記の 4) 5) という命題は、次のとおりに書き換えられます。≡ は「 同値 ( 同じ命題 ) 」を意味する記号です。 4) ∀q ∈ Q, (∃r ∈ Q, q + r = 0) ≡ (∃r ∈ Q, 0 + r = 0) ∧ (∃r ∈ Q, 1 + r = 0) ≡ ((0 + 0 = 0) ∨ (0 + 1 = 0)) ∧ ((1 + 0 = 0) ∨ (1 + 1 = 0)) 5) ∃q ∈ Q, (∀r ∈ Q, q + r = 0) ≡ (∀r ∈ Q, 0 + r = 0) ∨ (∀r ∈ Q, 1 + r = 0) ≡ ((0 + 0 = 0) ∧ (0 + 1 = 0)) ∨ ((1 + 0 = 0) ∧ (1 + 1 = 0)) 上記の 4) は 偽です。5) は 偽です。 今度は、次の 6) 7) という命題について考察します。 6) ∀q ∈ Q, ∃r ∈ Q, q + r = 1 7) ∃q ∈ Q, ∀r ∈ Q, q + r = 1 上記の 6) 7) という命題の構造がもっとわかりやすく映るように、( ) を補います。 6) ∀q ∈ Q, (∃r ∈ Q, q + r = 1) 7) ∃q ∈ Q, (∀r ∈ Q, q + r = 1) 上記の 6) 7) を日本語で表現すると、次のとおりになります。 6) Q の 各要素 q について、「 Q の少なくとも 1 つ の要素 r について、q + r = 1 」 7) Q の少なくとも 1 つ の要素 q について、「 Q の 各要素 r について、q + r = 1 」 上記の 6) 7) という命題は、次のとおりに書き換えられます。 6) ∀q ∈ Q, (∃r ∈ Q, q + r = 1) ≡ (∃r ∈ Q, 0 + r = 1) ∧ (∃r ∈ Q, 1 + r = 1) ≡ ((0 + 0 = 1) ∨ (0 + 1 = 1)) ∧ ((1 + 0 = 1) ∨ (1 + 1 = 1)) 7) ∃q ∈ Q, (∀r ∈ Q, q + r = 1) ≡ (∀r ∈ Q, 0 + r = 1) ∨ (∀r ∈ Q, 1 + r = 1) ≡ ((0 + 0 = 1) ∧ (0 + 1 = 1)) ∨ ((1 + 0 = 1) ∧ (1 + 1 = 1)) 上記の 6) は 真です。7) は 偽です。 ● 前置きがたいへん長くなりました。ごめんなさい。 ご質問の中核となる 1) を日本語で表現すると、次のとおりになります。 1) R^+ の 各要素 ε について、「 R^+ の少なくとも 1 つ の要素 δ について、『 R の 各要素 x について、 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε 』」 上記の 1) という命題は、「 実数値関数 f(x) の極限値 」を定義する際に用いるものです。すなわち、次の 8) という命題が真であると定義するわけです。( ) のくくりかたに十分注意を払って、ごらんください。なお、lim の真下には、x → a が置かれます。 8) ∀a ∈ A, (∀b ∈ B, ((∀ε ∈ R^+, (∃δ ∈ R^+, (∀x ∈ R, 0 < |x - a| < δ ⇒ |f(x) - b| < ε))) ⇔ lim f(x) = b)) A, B はいずれも R の部分集合です。特に、A については、くわしい説明が必要とされるはずです。ですが、その説明をきちんと行なう自信が、私にはありません。
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理解できました。 有難う御座いました。 お礼が遅くなり申し訳御座いません。
他の回答への補足を拝見しました。 >∀x∃yの間に「、」コンマを入れた場合(∀x、∃y)と入れない >場合は同じ意味になるのですか、別の意味になるのでしょうか。 どちらでも同じです。 前者は論理式でゴリゴリ書きたいときに、後者はいくらか人間味 を入れてみようかくらいだと思います。 >左から順に読んで、xに対してyが存在する、ということなので、 >xとyが関連付けられていますが、関連付けなく並列的に、xが >存在する、またyが存在する、という表記はどのようになるので >しょうか。 ∀x,∃y ・・・この場合はyはxに依存することになります。 ∃y,∀x ・・・この場合はyはxに依存しないことになります。 ですので、関連付けなく並列的になっているのであれば ∃y,∀xと書きます。 >∀xは、任意のxということですが、全てのxと解釈するのは間 >違いですか。任意とは、あるものを選択するという理解であっ >ていますでしょうか。 ∀x∈X の場合はXから任意に一つ選んで固定するというニュアンスで すね。一般に、 ∀¬=¬∃ ∃¬=¬∀ という関係があります。 ¬は否定を表す記号です。 ∀=¬∃¬ と見ることができるので、 (∀x)P(x) というのは 「P(x)でないxは存在しない」 と同じことになります。 つまり、「∀」は存在と否定の概念によって支えられる概念です。 ∀x … と一度書いてしまったらそれを色々動かしたりしません。 そもそもいろいろ動かすとわけがわかなくなるのでそれをうまく 考える道具としてεδ論法が発明されたわけなので。 >s.t.はsuch thatのことですが、同じ意味で他の表記方法もあ >るのでしょうか。 英語の文章ではよく For any real number x, there exists a real number y such that… のように書かれます。 論理式はそれを省略したものと考えれば多分すっきりする のではないかと。日本語よりも英語のほうが親和性があるよう に思います。 s.t.のかわりに「:」もよく使われますが、これは論理式でゴリゴリ やりたい場合とか文字数に制限があるときのようです。
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理解できました。 有難う御座いました。 お礼が遅くなり申し訳御座いません。
- kbjsh17
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いきなり複雑な論理式を理解しようとしてあちこちに混乱が見られるようです。 (1) これはある意味質問者さんのおっしゃるとおりで、単に適度な省略がなされています。本当はすべて実数である(∈R)と断るべきです。しかし慣習によって推測可能なものは省略されているのです。気持ちとしては、存在や任意がついている変数はそれが実数なのか自然数なのか等を明記したくなります。しかし>0などと書けば実数であると了解するのが普通なのでεδについては省略されています。abについてはここでは任意も存在もついていません。こういう変数については、論理式を述べる前に、abが何であるかを明記(もしくは明らかな場合は省略)するのが慣例だと思います。 (2)~ わかりやすくまずは人間で説明します。論理式は前から順番に読んでいくのが基本です。 ∀x∃y xはyの友人である 意味:任意にxをピックアップしてください。選びましたか?このときあなたはyを見つけることができます。どんなyですかって?それはxとyが友人であるような人ですよ まとめ:どんな人xに対してもそれに対応したyが存在して、xはyの友人である。つまり全ての人は少なくとも一人友人がいる。友人yははそれぞれの人xによって変化するかもしれない。) ∃x∀y xはyの友人である 意味:あなたはあるxを見つけることができます。xはどんな人ですか?任意にyをピックアップしてみましょう。選びましたか?実はxとyは友人です。 まとめ:xという特別な人がいて、xはすべての人と友人である。) ∃x∃y xはyの友人である。 意味:あなたはxを見つけることができます。どんなひと?あなたはyを見つけることができます。どんなひと?xとyは友人です。 まとめ:ある人xとある人yが存在して、xとyは友人である。この場合ほかには友人のペアは存在しないかもしれない) ∀x∀y xはyの友人である。 意味:任意の人xを選んでください。さらに任意にyを選んでください。実はxとyは友達です。 まとめ:全ての人は互いに友人である。 番外 ∀x∈女性∃y∈男性 xはyの友人である 任意に女性xを選んでください。するとあなたは男性yを見つけることができます。どんな人かって?xとyは友人です。 まとめ:どんな女もある男友達がいる。ただし全ての男に女友達がいるとは限らない ∀x>20歳 ∃y>40歳 xはyの友人である 任意に20歳より年上の人を選んでください。すると40歳より年上の人が見つかります。彼らは友達です。ただし40歳より年上の人が必ず20歳より年上の人の友達がいるとは限りません。 論理式の意味はわかるようになりましたか? 重要なのは、論理式の主張が正しいかどうかは考えている世界によって変わるということです。 全ての人が友人同士の世界なら上の全ての論理式の主張は正しくなりますが、全ての人が敵同士なら全て間違いになります。(厳密には20歳以上の人と女性が少なくとも一人ずつ必要ですが、今はあまり気にしなくていいでしょう。) ちなみに質問者さんの例の論理式は関数の連続性を表そうとしているはずです。このときbはf(a)でないとまずいのですが、間違いありませんか?(もっともbがなんであろうと論理式自体はある主張をします。ただし、ナンセンスな主張になるのです。) つぎに f(x)=x f(x)=1 f(x)=-1 (xが正のとき) 1(xが0以下のとき) (段差のあるグラフになります) などについて、どのパターンの論理式の主張が正しくてどの論理式の主張が間違いになるか検証してください。そうすればなぜ連続性の定義が教科書に書いてある論理式なのか理解できるはずです。 わからなければまたどうぞ
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よく理解できました。 大変有難う御座いました。 お礼が遅くなり申し訳御座いません。
補足
丁寧に教えていただき有難う御座います。 いくつか確認させてください。 ∀x∃yの間に「、」コンマを入れた場合(∀x、∃y)と入れない場合は同じ意味になるのですか、別の意味になるのでしょうか。 左から順に読んで、xに対してyが存在する、ということなので、xとyが関連付けられていますが、関連付けなく並列的に、xが存在する、またyが存在する、という表記はどのようになるのでしょうか。 ∀xは、任意のxということですが、全てのxと解釈するのは間違いですか。任意とは、あるものを選択するという理解であっていますでしょうか。 s.t.はsuch thatのことですが、同じ意味で他の表記方法もあるのでしょうか。 以上、宜しくお願い致します。
>(1) 変数についての定義は、xは実数(∀x∈R)と >だけあるのですが、他の変数のε,a,bに対する定 >義はありません。 いいえ、違います。 「∀ε>0, ∃δ>0 s.t. ∀x∈R, 0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<ε」 には変数f,a,bが含まれていますが、ε,δ,xは含まれ ていません。 f,a,bは上の命題が書かれる前にどこかで定義されて いるはずです。 >なぜ、xのみを実数であると定義するのですか。 例えばxが整数だけだったりすると、どんなfでも連続 になってしまいます。 例えば、fが複素関数でa=b=0、f(z)=0(zが実数)、 f(z)=1(zが実数でない複素数)だと、xが実数ならばその 命題を満たしますがxが実数と限らなければその命題を 満たしません。 つまり、命題の意味が違ってしまうからです。 >その中の「に対し」が表記のどこの部分から読み取る >ことができるのですか。 別に読み取ったりなんかしてません。 >単に、”全てのεが0より大きい”ことと、”0より大き >いδが存在する”こと、の並列的な記述としてなら理 >解できます。 その理解は間違っています。なぜならば、 「∀ε>0, ∃δ>0 ,∀x∈R, 0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<ε」 と 「∃δ>0, ∀ε>0, ∀x∈R, 0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<ε」 とは意味の異なる命題だからです。 「∀ε>0, ∃δ>0 」の順番をひっくり返してはいけません。 例えば、fとして一様連続でない関数を考えれば理由がわ かります。 「∃δ>0, ∀ε>0, ∀x∈R, 0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<ε」 というのはδがεに依存せずに決められるということを 内包しています。一方で、 「∀ε>0, ∃δ>0 ,∀x∈R, 0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<ε」 の場合は、δはもしかしたらεに依存するかもしれない。 >(3)「∀ε>0, ∃δ>0」を「∃ε>0, ∀δ>0」と書くと間違 >いになるのですか。 間違いです。 「∃ε>0, ∀δ>0,∀x∈R, 0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<ε」 これだとfが有界ならば連続でなくても成り立ちます。 「⇒」の左側がなんであっても|f(x)-b|<εが言えてしまい ますからね。 日常的に考えても自然とは思えませんね。 >(4)「∃ε>0, ∃δ>0」と書くと間違いになるのでしょうか。 間違いです。 「∃ε>0, ∃δ>0, ∀x∈R, 0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<ε」 これがダメな理由は(3)のときと同じ。 文化の違いとかはありません。 違和感を感じるのはわかってないからというだけです。 ちなみに、ε-δ論法を初めて学ぶときに躓くのは仕方 のないことです。こんな質問サイトで一度質問したくらいで わかるなんてことは絶対にありません。自分の場合は 微積分の講義で初めて見ました。なかなか理解できずに 慣れるまで相当時間を費やした記憶があります。 おすすめは『イプシロン・デルタ (数学ワンポイント双書 20)』 田島一郎,共立出版,1978,ISBN 978-4-320-01240-0 です。この本をぜひ読んでみてください。
お礼
丁寧に教えていただき有難うございます。 おっしゃるとおり、理解しているとは思えませんので、じっくり身に付けたいと思います。
- kabaokaba
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(1) べつにxが実数っていう条件がなくてもかまわないけど 今は「実数が変数」と考えているということを明示してるだけ よくみると,f(x)とかaとかbが実数だなんて何も書いてないでしょう? ということは,これ 実数変数で「複素数値」の関数の話かもしれないし, 実は「絶対値が定義されるような」「もの」を値にとる関数の話かもしれない もし,xが実数とは限らないのあれば じつは複素数変数の複素数値関数の話かもしれない で,こんなことを考え始めるときりがないし 初歩的な教科書なんかだったら,分かりにくくて仕方がない. ということで「議論の前提」というのがあります. 今回の場合はふつうに「実数変数」「実数値」関数を相手にしてるとみなすべきでしょう. わざわざxが実数といってるのは 強調,もしくは「見た目のバランス」でしょう. (2) 「カンマ」に対する理解の不足かな・・・あとは解釈の不足かな 「カンマ」というのは 前から順番に話が進んでいくための「区切り」のような意味があります. 例えば,日常語でお風呂を沸かすようなとき 浴槽のふたを開けて, 浴槽の栓を確認して, 蛇口をひねって水をいれて, 水ががたまったならば, 浴槽のふたを閉めて, 湯沸しボタンをおす というような流れですが, これは A,B,C,D => E,F のような構造です. まあ,どのように括弧をつけるのかというのは 日常語だと曖昧なので割愛しますが, ここで「カンマ」は前の条件をうけて,つぎがあるという流れです #順番を変えることができるのか?というのはまた別個の問題 ∀ε>0, ∃δ>0 s.t. ∀x∈R, 0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<ε の場合 任意の正の数があって, 正の数デルタがある このデルタは以下のような「意味」がある この「意味」というのはεをパラメータとしてもつ という形です. つまり,δを特徴つけるためにεが使われます. ということで,「εに対してδがある」という意味に翻訳されます. ただこの形はとても頻繁にある・・というか 先にεをもってきておいて,あとで一切使わないって無意味だから ほぼ機械的に「に対して」といって構わないでしょう. ===引用開始 (3) 「∀ε>0, ∃δ>0」を「∃ε>0, ∀δ>0」と書くと間違いになるのですか。日常的な感覚からいうと、0<|x-a|<δ において、あるδを与えると、|f(x)-b|<ε を満たすεがかならず存在する、と考えるのが自然な感じがします。なので、「∃ε>0, ∀δ>0」の方が自然に理解できそうなのですが、間違いでしょうか。このような理解の方法はよくないのでしょうか。 ===引用開始 まったくの間違いです.日常的な感覚であっても間違いです, δを与えるのではないのです. そもそも >0<|x-a|<δ において、あるδを与えると、|f(x)-b|<ε を満たすεがかならず存在する、 これはf(x)がbと等しくならない限りほとんど成立します. もとの式はあくまでも先に任意のεを与えるのです. それに対してδが定まるという意味 「∃ε>0, ∀δ>0」は あるεを定めると,このεさえ保てば どんなδに対してもという意味です. 何が先なのか,何に任意性があるのか,これは日常でも重要ですよね. 順番を勝手に変えたら間違いです. (4) これもまったくの間違い >「 |f(x) - b| < ε 」はあるεでは成り立つが、成り立たないεも存在します。 違います.成り立たないものはないというのが,もともとの 「任意の正の数 ε に対し、ある適当な正の数 δ が存在して、 0 < |x - a| < δ を満たす全ての実数 xに対し、 |f(x) - b| < ε が成り立つ。」 の主張です.この主張は「成り立たないεがある」なんてことについては何も主張しません. もし成り立たないεがあるのであれば,それはこの主張そのものへの反例であって このもともとの主張のいっている内容の理解とは別のものです. 文化の違いではなく,書いてあるものを そのまま理解することができてないように思います. 社会学とかと違って, 数学では書いてないことを勝手に「想像」してはいけません. 論理に従って導出することだけが許されるのです.
お礼
解釈の上で多くの誤解をしていることがよく分かりました。 「数学では書いてないことを勝手に「想像」してはいけません. 論理に従って導出することだけが許されるのです.」 は大変重要に感じました。 有難う御座いました。
お礼
理解できました。 有難う御座いました。 お礼が遅くなり申し訳御座いません。