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内積の入れ方の自由度

Q1. 線形空間Vが与えられていてそこに二種類の内積<,>および[,]が入っている場合、以下は正しいですか? ”ある可逆な変換Sが存在して<,>の内積の意味で自己共役、かつ任意のx,y∈Vに対して[x,y]=<Sx,y>” Q2. このことを利用して、内積は<,>の一つだけとして[,]は単なるエルミート形式とみて正規変換のスペクトル分解定理を拡張することが可能と考えていいでしょうか? Q3. 線形代数の本でQ1の意味での内積の入れ方についての説明がされているものはありますか?書名を教えてください。もしないならばその理由は何ですか?

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回答No.4

可分の例は実は説明不足でしたので更に補足させてください。 まず可分と言ってる以上何等かのノルムに関して可分であるということで、無意識のうちに両方の内積に関して同時に可分である空間を考えていまいた。これではshauder次元が同じなのでヒルベルト空間としては直ちに同型になってしまいますね。そこで問題の本質は次にあると言えるでしょう: 線形空間が二つの内積に関してそれぞれヒルベルト空間であるとする。このとき、それらは常に同値か? 答えは「NO」です。同値でない内積を構成出来ます。ここではそれを簡単に示しますが用いるのは次の事実です: Hamel次元は等しいがShauder次元が異なるHilbert空間が存在する。 1970年代に上記を満たすBanach空間の存在が示されていましたが証明を見るとその構成はL^pなので特にp=2とすれば求めるHilbert空間が得られます。 さて、後は私の最初の回答で与えましたがHamel基底間の「全単射」を利用する構成に従えばよいです。具体的には、上を満たすHilbert空間H,Mを二つ用意する。Hamel次元が等しいので基底間の全単射によって線形同型な対応が得られます。そこでHの元の対にMから定まる内積を定めることが出来ます。 このようにHには二つの内積が入ってる状態に出来てそれぞれに関してHはHilbert空間になってるわけです。そしてこれらはShauder次元が異なってるためそれぞれ異なる濃度に対する数列空間と同値ですが、二つの数列空間l^2(A)とl^2(B)が同値である必要十分条件はAとBの濃度が同じであることなので結局Hに入ってる二つの内積は同値ではないことが従います。

noname#152881
質問者

お礼

お答えありがとうございました。

noname#152881
質問者

補足

その論文についての情報をいただけますか? そんな基本的なことが1970以降と比較的最近なことが意外です。 とにかくそれに従って否定的に解決されるとして、質問文に書かなかった続きがあります。そのような異なる構造がどのくらい豊富に存在するのかという問いです。とっくに解決済みかと思っていたのですがそうでもないんですかね?

その他の回答 (6)

回答No.7

う~ん、どうもHilbert空間にあまり慣れておられないか、私の回答が分かってもらえてないように思えるのですが・・・しかしながら私の説明が下手なような気もしてきました。 最初の回答に可分の場合で答えましたがSchauder基底の濃度がどのようなものであるにせよそれが同じHilbert空間同士は同値であり、そのようなSが存在することはRieszの表現定理から分かります。二つの内積が互いに同値、従って一方の内積を(元xを固定したときにyに関する)有界線形汎関数とみなすことができるからです。可分かどうかは本質的問題ではありません。 最初の補足に述べておられた >>バナッハ空間にヒルベルト空間の異なる構造を入れられるかどうかが発想の出発点になっています。 が質問の意図するところと思ってましたけど。

noname#152881
質問者

お礼

お答えありがとうございました。

noname#152881
質問者

補足

> が質問の意図するところと思ってましたけど。 はい、出発点なのですけれど、あくまでそれは出発点です。同型のヒルベルト空間を同じとみたいわけじゃないです。 可分かどうかとかリースの表現定理のところで誤解があるとは思っていません。 二つ目の内積が与えられたら必ずSが確定するのかというのが質問の本体です。 なんといいますか説明しづらいんですが、ヒルベルト空間として同型かどうかはどうでもいいです。たぶんその認識が回答者さんとずれてしまっているような気がします。多分私の書き方が問題なんでしょうけど同型分類をしたいわけじゃないんです。正規変換のところが伝わらないのはその辺の行き違いのせいでしょうか。 元のバナッハ空間(完備性はどうでもいいんですが)に内積を入れるときに何通りの異なる入れ方があるかに興味があるんです。 たとえば実2次元でz=(x,y)とw=(u,v)の内積として <z,w>=xu+yv [z,w]=xu+2yv を違うものとみたいのです。で、こういう違いのバリエーションがどのくらいあるか(Sで表現しきれるか)に興味があるんです。

回答No.6

>>濃度の違い以外には反例はないということでしょうか? つまり、濃度が同じなら必ず同型になるのでしょうか? 私が言ってる濃度とは正規直交基底(Schauder基底)の濃度のことです。Hilbert空間の濃度ではありません。これについてはよろしいでしょうか? さて、質問の件ですがそのSchauder基底の濃度が等しければ当然Hilbert空間として同型になります。 任意のHilbert空間はある集合Aによって数列空間l^2(A)で表される(正確にはl^2(A)に等距離同型)からです。

noname#152881
質問者

補足

> Shauder基底 はい、その濃度ということでOKです。 ちなみに、質問の趣旨としては同型による類別ではないです。質問文でいう<,>と[,]による2つの空間を同型だから同一視するということではなくて、区別してそのバリエーションがどのくらいの広がりを持つか探りたいというものです。separableでないがShauder基底の濃度が等しいヒルベルト空間HとKについて質問文のようなSが存在するでしょうか? たとえば、適当な部分空間で割るとseparableになるようなものをみつけて・・・というような証明方法(超限帰納法?)になるのでしょうか?

回答No.5

私が参照した論文は「その構造については」記述しておりません。そこにある結果をもとに私が細工をしてQ1に対する反例となり得るHilbert空間を作ったことを断っておきます(著者の誤解を招かないようにしておきます)。その上で一応論文情報を書いておきます: "Hamel Versus Schauder Dimension", Ameri Math Month, Vol77 (4), pp385-388. math sci netで検索すればすぐ出てくると思います。 その異なる構造がどのくらい豊富にあるかですが、いくらでも違う濃度の集合が存在するのでそれだけ違う構造が入るわけです。局所凸空間の理論がほぼ完成したのもそんなに昔ではないので不思議ではないです。というのも関数解析の問題は一見簡単でも深く進めばかなり抽象的で簡単には解決出来ないものがたくさんありますから。今現在でもいくつか未解決問題が残っていたはずです。

noname#152881
質問者

補足

濃度の違い以外には反例はないということでしょうか? つまり、濃度が同じなら必ず同型になるのでしょうか? 「少しは自分で考えろ」といわれそうですが、よろしくご教示ください。

  • ramayana
  • ベストアンサー率75% (215/285)
回答No.3

質問者さんの問題意識に合致するかどうか分かりませんが、non-degenerate(非退化)とnon-singular(非特異)の関係かも知れません。有限次元ベクトル空間では、この2つは同値です。しかし、無限次元ベクトル空間では、違います。 (non-singular) Kを実数体又は複素数体として、VをK上のベクトル空間とします。Vにおける対称型式(orエルミート形式)fがnon-singularであるとは、Vとその双対空間(VからKへの線形写像全体)V*の自然な対応が同型であることです。自然な対応とは、Vの元xに対して、次のようなV*の元φを対応させることです。  φ(y)=f(x,y) (Sの存在) gを別の対称型式(orエルミート型式)とします。もし、fがnon-singularなら、VからVへの線形写像Sが存在して、  g(x,y) = f(S(x),y) とすることができます。一応、これがQ1への回答みたいなものになるかと思います。 (non-degenerateであってnon-singularでない例) 閉区間[-1, 1]で定義された有界連続関数全体をVとします。Vの元α、βに対して、  f(α、β)=∫[-1 to 1]α(t)β(t)dt としてfを定義します。fは、非退化正定値対称型式ですが、non-singularでありません。 次に、  g(α、β)=α(0)β(0) としてgを定義します。 このようなgに対しては、g(x,y) = f(S(x),y)となるSは存在しません。ただ、これがQ1への反例になっているかというと、残念ながら違います。gは非退化対称形式ですが、正定値でないからです。 以上、結論に至らなくて申し訳ありません。 参考文献 http://www.amazon.co.jp/Algebra-Graduate-Texts-Mathematics-Serge/dp/038795385X

noname#152881
質問者

お礼

> non-singular なるほど、つまり本質問でヒルベルト空間を想定することは十分一般的なわけですね。 ありがとうございました。

回答No.2

No1さんに対する補足拝見しました。なるほど、その疑問は自然で私自身過去に似たことを考えたことがあります。私が疑問に持ったのは「線形空間が異なるノルムに関して同時に完備であることが出来るか?」というものでした。ちなみに申し訳ないのですがQ2に関しては文脈から意図が推察出来ず、またQ3に関しては私も知らないのでここではQ1について、更にその回答1に対する補足への補足を述べてみます。 例えば任意の可分Hilbert空間は数列空間l^2(N)に等距離同型なので(l^2を通すことにより)一方の内積は他方の内積に関して連続であることが分かります。そうすると、表現定理(Riesz)から求める有界線形作用素(変換)Sが得られます。更に逆方向を考えることによりSは可逆であることも従いますね。 一方、単にノルムを考える場合は以下のように簡単に異なる構造を入れることが出来ます。 Banach空間l^2(N)を用意します。そのHamel基底(Shauder基底ではないことに注意)F_2をとります。別にBanach空間l^1(N)を考えます。そのHamel基底F_1をとります。F_2とF_1の濃度は連続体濃度(実数体)で等しいことが分かっているのでそれらの間に全単射が存在します。この全単射によってl^2の元にl^1のノルムを対応させることが出来ます。こうしてl^2は同時にl^1ノルムで完備であるようにも「調整」できるのです。しかしながら当然その埋め込みは連続ではありません。具体的にも与えられません。 まあ、結局のところ全単射に頼っているだけで本質はl^2とl^1を別に見ているに過ぎないのですが。それでも個人的にはl^2の各元が持つl^1ノルムの値には興味があります。 以上参考までに。

noname#152881
質問者

お礼

可分の場合、言われてみれば確かにそうですね。 自分のアホさ加減に呆れました。 ありがとうございました。

noname#152881
質問者

補足

A1について、可分でない場合は別の手段を考えないといけなさそうですね。 Q2は、元の内積をそのまま保持しつつ、Sに依存した「歪んだ」内積を使って導入されるadjoint operatorもどきやnormal operatorもどき、射影もどきが得られて「もどき」の分だけ拡張されそうではないかというものです。有限次元で計算してみるとそれっぽいものが出てきたので一般化できそうではないかと。

  • ramayana
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回答No.1

回答というより、問題が手に負えるかみるために、いくつか確認させてください。 1 Vの係数体は複素数体ですか、それとも、もっと一般の体を想定しているのですか? 2 Vの次元は有限ですか、それとも、無限次元も想定するのですか? 3 ここでいう「内積」とは、「正定値エルミート形式」と同じ概念と考えていいですか?

noname#152881
質問者

補足

1 とりあえず複素数体または実数体を考えています。p進体とかは今のところ考えていません。 2 次元については制限を考えていません。無限次元を想定していますが、簡単なケースとして有限次元で計算してみようと思ったものの自分の力では簡単ではなかったので相談してみようと思いました。有限次元だけの場合だけでもご教示いただけると嬉しいです。 3 非退化性も必要です。バナッハ空間にヒルベルト空間の異なる構造を入れられるかどうかが発想の出発点になっています。発想自体は自然だと思うので過去必ず誰かが考えて結論が出ているはずだと思っています。

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