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頻度因子について
化学が全く専門外の者です. アレニウスの式 k = Aexp(-E/RT) のAの意味について質問です. 正反応が非常に遅い発熱反応である X + Y → Z を,温度を固定して平衡状態まで行う場合, 速度定数は一般に次のように書けると思うのですが, 正反応 k1 = Aexp(-Ea/RT) 逆反応 k2 = Bexp(-Eb/RT) 質問(温度を一定に保つ場合について) (1)AとBは同じ値なのでしょうか? AとBの値が違う場合, (2)AとB(物質の衝突頻度)はそれぞれX,Y,Zの何と何の衝突の頻度を意味するのでしょうか? 反応開始時にX,Yだけが存在し,反応が平衡状態に達した時X,Y,Zが共存する場合, 反応の最中にX,Yは減少し続け,Zは増加し続けると思うのですが, (3)AとBそれぞれの値は,反応中にX,Y,Zの存在比が時間とともに変化する事で, A,Bの値も時間とともに変わってくるのでしょうか? もしA,Bの値が時間とともに変化するならA,Bを時間と存在比で表した一般式がほしいのでが... 解答の程,よろしくお願いします.
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#1のお答えにあるように、A、Bは時間や存在比とは全く関係無い因子です。 化学反応から離れて原子核反応の場合には非常によく出てきます。たとえば中性子が原子核と反応する場合「反応断面積」と呼ばれるものがこれに相当します。 #1のお答えにある、不安定中間体を考えることで理解しようとする考え方もあります。 いずれにしても、二つの化学種が出会っても反応する比率は濃度(圧力、モル分率等)とはまるで異なった現象です。
- jamf0421
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(1)一般にAとBが同じということはありません。 そもそももし正反応が[X][Y]に速度が依存する2次反応ならば速度定数は[濃度/時間]の次元、逆反応が[Z]に速度が依存する1次反応なら速度定数は[1/時間]の次元となります。もしそう考えておられるならA、Bの大きさの比較というのも意味がありません。 衝突機構を考えるのですと、逆反応は1次反応にするための衝突機構の理由付けが必要になります。 (2)もし衝突説ならば、正反応のAはXとYの衝突頻度と考えられます。 逆反応を衝突説で考えるなら、たとえばWをXまたはYまたはZとして Z+W→Z*+W(励起過程、速度定数k2) Z*+W→Z+W(失活過程、速度定数k3) Z*→X+Y(生成過程、速度定数k1) と励起分子経由で考えることができます。(本当にこういう機構なのかどうかは一般にはわかりません。) V=k1[Z*]...(1) d[Z*]/dt=k2[Z][W]-k3[Z*][W]-k1[Z*]...(2) (2)において定常状態ではd[Z*]/dt=0であるとして[Z*]を解けば [Z*]=k2[Z][W]/(k1+k3[W])...(3) となります。これを(1)にいれて V=k1k2[Z][W]/(k1+k3[W])...(4) となります。こうなると速度定数のように見えるものがk1k2[W]/(k1+k3[W])という構造を持つものになり活性化エネルギーとか頻度因子とかは測定できたとしても見かけ上のものになります。 ただし、反応を説明するものが衝突説だけと限りません。活性錯体理論というのもあります。V=k[XY‡]と考えるのです。しかし、これは普通原系X,Yと活性錯体の間は前駆平衡 [XY‡]=K‡[X][Y]を考えるので、正反応と逆反応に同時に適用できません。 (3)もともと質問者さんが前提とされていたものが 正反応;V=k1[X][Y](k1=Aexp(-Ea/RT)) 逆反応;V'=k2[Z](k2=Bexp(-Ea/RT) というkineticsならば、k1, k2は成分の濃度とは独立した定数であるはずです。