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時制に詳しい書籍をご紹介願います
- 基本的な時制をマスターするための書籍を探しています。
- 特に、過去形の代用としての現在時制の使い方について詳細に解説されている本を求めています。
- 既存の参考書では十分な情報が得られないため、時制に特化した1冊の書籍を知りたいです。
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質問者が選んだベストアンサー
英文に接していると、確かに高校レベルの文法書が説明する現在時制では説明しきれないものが意外と多く出てきます。その点でzatousanさんのお気持ちはよくわかります。 確かに、細江逸記 (著)『動詞時制の研究』 (新訂版の初版は1948年) は手にとっと読む価値があるものと思います。ただ、今の私たちには言葉遣いがややなじみのないものとなっている部分がないわけではないので、より現代的記述で読みやすくコンパクトにまとまったものとしては安藤貞雄『現代英文法講義』(開拓社、2005年)の第5章が現在時制を扱っておりお勧めです。「時制についてだけ…語った書籍」ではありませんが、現代の英語研究成果の上に立って平易に、しかも総合的に解説して見せてくれます。記述は明らかに細江氏を意識していますが、さらに考察が深まっており、その分実例も多く、日ごろの疑問を一つ一つ解いてくれる良書です。 細江逸記 (著)『動詞時制の研究』について一言。 現在時制を日本語で説明したものとして確かに歴史的名著だと思います。第2章で現在時制を(a)~(f)の6つに分類して見せます。私は、そのうちの(a)”True Present”が真骨頂の解説だと大昔に痛く感動したのを覚えています。「話者が発言の際、その瞬間真の事柄」を表す用法と彼が説明するものです。また、第2章の最後第8節「”Present Tense”総覧、その真職能」で、図解をして見せて、”True Present”の語形を「断定的に」と断りながらも「『直感直叙』の語形と名づけ、次のように説明します。 「われわれが『こうだ』とか『こうでない』とか感ずる事柄を、その感ずるがままに言い表す用をなすもので、それは思想のいわゆる『直接表象』の道具である。ゆえんにその描出表現する事柄が時間のどのような区分内にあるものであろうとも、それは問題とならない。」 この本は昭和6年(1931年)の氏の講演を基にまとめたものと言うことです。我々日本人の大先輩の研究者がこんな時代にこのように考察していたことに感動すら覚えます。氏の生の言葉が真に迫ってくる気がする名著です。ちょっとした図書館ならあるのではないでしょうか?先ほど検索してみましたらamazonでも古本なら手に入るようです。安藤氏の本などを通していろいろ考察された後に読んでみるといいかもしれません。
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- makochia
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Willの語義のところで回答させていただいたものですが、そちらの板は締め切られましたので、こちらで少しだけ続きを述べさせてください。 再度、周囲にいるnativeたちと話してみましたが(みな一応名の通った大学・大学院で英語学を学んだ者達です)、willの中心語義が「未来」であるというのはちょっと納得しがたいというのがfirst reactionでした。やはり中心は「意志」だと。別の方の回答でも「意志」を強調されている部分がありましたよね?。そのように解説している書物も多い。ただ、「意志」を中心として考えると、そこから「習慣」が派生してくる過程が理解しがたい。その辺一般的な文法書では「意志から派生して」としか書いていないところでもあります。 ということで、色々話しこんだ後、至った結論は「未来」を含むwillの中心となるのは「今目の前に起こっていないもの・ことを思い描く、想起する」という心の働きだ、ということです。「未来」が現前していないものについて語っているのは明らかですが、 「性質」を表すAccidents will happen.にしても挙げられたような「習慣」を表す例文にしても、目の前で見えている「性質」「習慣」については決してwillを使うことはできず、「Accidentというものは~」「彼と言えば~」と「想起」する心的な働きがあるという訳です。もともと、「意志」という語義そのものに今起こっていないことを起こそうという想起の契機があるので、そういうは性の仕方になったのだろうという意見です。 目の前で起こっていないことを「未来に係る」と言って言えなくもないかも知れませんが、今ここにはいない人・モノが今どういう習慣があるか、どういう性質であるかを想起することまで「未来」というのは大いに混乱を招くと思います。 また、辞書のみに頼れないのは全く同感ですが、同時に一冊の文法書に頼るのも危険であって、辞書・文法書・論文に、nativeとの議論・会話を加えて初めておぼろげにイメージが掴めてくるのではないかと思います。特に古い文法書では既に乗り越えられた説が書かれてあることも多く(勿論、その時代にこれだけ良く考えたなという感動はありますが)、結論を鵜呑みにするのは危険だと思います。例えば補語(complements)についての考え方は、小生が学生だった、つい30数年前からでも大きく変わってしまいました。
お礼
先日は、自分でも恥ずかしい乱文を書いてしまったにも関わらずご丁寧な補足ご回答ありがとうございます。(赤面)(目から火花) >もともと、「意志」という語義そのものに今起こっていないことを起こそうという想起の契機があるので、 >そういうは性の仕方になったのだろうという意見です。 >目の前で起こっていないことを「未来に係る」と言って言えなくもないかも知れませんが、 >今ここにはいない人・モノが今どういう習慣があるか、どういう性質であるかを想起することまで >「未来」というのは大いに混乱を招くと思います。 先日の乱文お礼でも書きましたが(本当にすいませんでした)、willを使った習慣のニュアンス理解は付け焼刃的な理解しか僕はできていません。 これから起こることだけど「未来」とは言いがたいという事なのですね! (日本語で、ご解説を受けても難しい概念です。) 分かったようなわからないような。 意外に時制というものに難しさを感じています。 >また、辞書のみに頼れないのは全く同感ですが、同時に一冊の文法書に頼るのも危険であって、 >辞書・文法書・論文に、nativeとの議論・会話を加えて このようにおっしゃりたい気持ちよく分かります。 一般的な文法書で間違いと言われている事で実際は正しいと言うことが沢山ありますからね。 (There be構文で、There is the ○○, on ~.というのは、間違っていると言われているが文脈によっては正しい英文となる。 等) >初めておぼろげにイメージが掴めてくるのではないかと思います。 『おぼろげ』ですか、、、。 本当にその通りですよね。 言語ってのは本当にややっこしくて、、、。 繰り返しますが、先日の僕の無礼な乱文にも関わらず(本当にすいません)、ご丁寧なご回答ありがとうございます。
補足
数日間待ってみましたが、No1のご回答に対する補足質問には答えていただけないようです。 著者も分からないので、僕が見つけた同名の本と同じ本を回答者様がご回答で紹介してくれたのかも分かりません。(出版社は同じでしたが。) もしかしたら、違うのかも知れません。 本当に僕の乱文お礼にもかかわらずご丁寧なご回答をしていただきましたし、かなりの英語力をお持ちの方だと思うので、ご回答を参考にしたいのですが、No1のご回答はやっぱり、本を特定できず、、、どれほど貴重なご回答だったのかも分からず、、、よって、No2様にBAを進呈します。
- makochia
- ベストアンサー率50% (19/38)
邦文の書籍で適当なものはないようです。 日本の英語研究は微に入った文法定義等詳細にこだわり過ぎていて、英米の語学研究者にも分からないような議論が行われていると、nativeに聞いたことがあります。その意味では全部英文で読破はしんどいですが、reference的に使うなら下記の書籍がいいのではないでしょうか。 Tense (Cambridge Textbooks in Linguistics)
お礼
ご回答ありがとうございます。 先日は、急いで書いた乱文お礼、、大変失礼しました。 >Tense (Cambridge Textbooks in Linguistics) 著者が分からないのですが、この本ですか? http://www.amazon.com/Cambridge-Textbooks-Linguistics-Bernard-Comrie/dp/0521281385 近くの大学図書館にあったので、立ち読みしました。 僕が質問文で書いたような、直接的過去の現在知覚、つまり過去の事を現在時制で言うというような事等の例外的な時制の解説は何ページに書かれていますか? ぱっと見た感じでは、36ページから41ページの現在時制は、習慣の用法と本当に現在に行っていることしか解説されていませんでしたが??? キチンと読めばちゃんと載っているのでしょうか? できればページ数を教えていただけますか? よろしくお願い致します。
補足
すいません、予想外に忙しくなり、月曜日までお礼が書けそうもありません。 ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 常日頃から、多数の辞書や書籍にお詳しい回答者さまのご回答、ご質問(難しすぎて僕には回答不可能)を拝見しています。 その、回答者様でも、やっぱり時制だけの本というのはご存知ありませんか。 ちょっと驚きでした。 本屋には英語学習本は山ほどありますが、意外と基礎的なものばかりですよね。 >より現代的記述で読みやすくコンパクトにまとまったものとしては安藤貞雄『現代英文法講義』(開拓社、2005年)の第5章が現在時制を扱っておりお勧めです。 「安藤貞雄」というと高校生用の参考書で昔になんどか見かけた著者名です。 基礎的な参考書以外でも、詳しい文法書の著作をしていたのですね!? ちょっと意外でした。 ネットで、書評などを検索後、購入を検討してみます。 貴重な情報をありがとうございました。 >細江逸記 (著)『動詞時制の研究』について一言。 >現在時制を日本語で説明したものとして確かに歴史的名著だと思います。 ここも、やはり、やたらと書籍にお詳しい回答者様をもってして『歴史的名著』と言わしめるだけの名著なのですね! >先ほど検索してみましたらamazonでも古本なら手に入るようです。 え? 僕が検索した時は、、、あ、 なるほど! 「時制の研究」じゃなくて、『動詞時制の研究』が書名だったのですね! 確かに正しい書名にして検索しなおしたらありました! これは大発見!!! ありがとうございます! おそらく、同年代くらいの「英文法シリーズ」もけっこう古臭い言い回しで読みにくいのですが、全3千数百ページだけあって相当くわしいので重宝しています。 それでも、総合的文法書なので、時制に費やすページは限られており、『動詞時制の研究』の研究の方が絶対に詳しい筈ですから、是非読みたいです。 本当に、貴重な情報をありがとうございます。