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レヴィ・ストロースの構造主義について
- 「レヴィ・ストロースの構造主義」について学びたい大学生がいます。
- 就職活動中の彼が、企業のエントリーシートで構造主義を用いて業界を考察する課題に取り組むことになりました。
- 彼は概要だけでも理解するためのおすすめの本やサイトについての情報を求めています。
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質問者が選んだベストアンサー
アニメ業界かな? 課題の意図は、まず考察の構成から、応募者がレヴィ・ストロースの構造主義について限られた時間内に調べて、どの程度まで理解できるかを見る。次に考察の内容から、応募者が当該業界はどんなものと捉えているか、認識を見る。これだけで 8 割くらいの足切りができそうな、良い課題だと思います。 ポイントは (1) 考察の対象が○○ではなく○○業界である、(2) 「レヴィ・ストロースの構造主義」であって、構造主義一般ではない、の 2 点でしょう。ここをまちがえて、問題すら読めないのね、さようなら、な人が多そう。 「構造主義」で検索すればサイトや本はたくさん出て来ます。3 時間くらいでわかった気になれるのは、小野功生「構造主義」と橋詰大三郎「はじめての構造主義」だと思います。前者は横書き図解で読みやすく、内容的には後者の方が具体的で応用しやすい、という感想です。あなたが数学音痴でないなら、後者を薦めます。内田樹「寝ながら学べる構造主義」は、両者よりもちょっと手ごわいかな。 要は当該業界に固有、つまり他の業界と差別する特徴的な、時間的に不変な構造を抽出して簡潔に記述し、「だからどうなんだ」まで言えること。そうすれば、エントリーシートで門前払いにはならずにすむでしょう。
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- beingpeace
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現代思想のパフォーマンス 商品の説明 出版社 / 著者からの内容紹介 「部品の勉強はいいから、まず運転してごらん」 ――現代思想最良のガイドマップ 本書は、これまでにない種類の本である。その目的は、現代思想の概説ではなく、現代思想をツールとして使いこなす技法を実演(パフォーマンス)することである。この一冊には、現代思想に貢献した六人の思想家について、案内編と解説編と実践編が含まれている。 彼らの思想の方法が、どのようにツールとして取り出され、利用されているのかを読み取りながら、この本を楽しんでいただきたい。(「まえがき」より) 〈本書で取り上げた思想家〉 I フェルディナン・ド・ソシュール 「現実」の意味を変えた言語学者/新しい言語観 【実践編】『不思議の国のアリス』を読む II ロラン・バルト コトバの主人はだれか/バルトの思想攻撃 【実践編】『エイリアン』を読む III ミッシェル・フーコー 「現実」をつくる過去/「現実」への疑いのまなざし/系譜学という方法 【実践編】『カッコーの巣の上で』を読む IV クロード・レヴィ=ストロース 二〇世紀の大論争 【実践編】『お早よう』のコミュニケーション V ジャック・ラカン 難解だからこそラカンである 【実践編】『異邦人』 VI エドワード・サイード サイードの問題提起 【実践編】『エム・バタフライ』を読む ◎「ツールとしての現代思想」の使い道 「部品の勉強はいいから、まず運転してごらん」と私は学生たちによく言う。 現に私は内燃機関がなぜ車を走らせるのかも、コンピュータがなぜ動くのかも知らない。 知らないけれども、(使っているうちに)それが「何をする」ための道具なのか、それがどのような「夢」に育まれた道具なのか、おのずから分かってくる。 それと同じことが学術についてもできるはずだ、というのが私たちの基本的な考え方である。すぐれた学術的方法はかならずそれが創始者の「夢」の刻印をとどめている。 だから、私たちは素直にこう問えばいいのである。 「ねえ、これ何する道具なの?」 (「あとがき」より) 内容(「BOOK」データベースより) 本書の目的は、現代思想の概説ではなく、現代思想をツールとして使いこなす技法を実演(パフォーマンス)することである。この一冊には、現代思想に貢献した六人の思想家について、案内編と解説編と実践編が含まれている。
お礼
回答ありがとうございます。 新書だと読みやすいかもしれませんね。早速明日探してみようと思います。
- ghostbuster
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「構造主義的分析」といっても、そんなにびびるようなものではありません。わたしたちがふだん行っている分析を、多少精密にしたもの、と考えていけばよいでしょう。 あらっぽくまとめてしまうと、レヴィ=ストロースが構造主義という手法を使ってやろうとしたことは、分析の対象となる直接観察されるものの中に、ふつうは気づかない「対立関係」を想定し、それを機軸とした「関係の束(そく)」を構築して、その束の中から無意識の構造を取り出そうとした、ということです。 もう少し簡単に説明します。 わたしたちは社会や文化を考えるとき、どうしても「人間」を中心に見てしまいます。ある出来事が起こる。そのとき、何でこのようなことになったのだろう、と時系列をさかのぼり、それを引き起こした「人」を特定し、その人の思想と行動に原因を探ろうとします。 「あの人はあんな人だから、こんなことになった。」 ただ、こうした生の現象というのは、一回性のものですから、そんな分析をどれだけ積み重ねたとしても、何かを予測したり制御したりするための根拠とはなり得ません。もう少し科学的な方法が必要です。 たとえば、 ・Aという行為がPという結果を引き起こした。 ・Bという行為がQという結果を引き起こした。 ・Cという行為がRという結果を引き起こした。 この三つの事柄に共通して存在する要素はないか。 ひとつのやりかたとして、A/B/CまたはP/Q/Rに共通する属性はないか、考察する方法があります。これは「相同性の抽出」と呼ばれます。 たとえばさまざまな分野のヒット商品を集めて、それぞれの共通する属性を抽出し、「ヒットする構造」を見つけようとするやり方です。 ただし、この構造の抽出には、多数の事例を必要とします。同時に、事例をとりこぼすことによって、重要な属性を捕らえ損ねている可能性は、つねに起こってきます。 そこで、「相同性」の一種類だけでなく、もっとちがう関係を見出したら、さらに確かな構造が見えてくるのではないか。ここでレヴィ=ストロースの登場です。 レヴィ=ストロースは、言語論の方法、とりわけ「対立関係」を取り入れることによって、その構造主義的分析を画期的なものとしていきました。 どこまで書くか、悩ましいところなんですが、おそらくあまり詳しいことは興味がおありではないでしょうから、ここではごくごくかいつまんで要点だけを書いておきます。 「対立関係」を取り入れる、というのは、たとえば「売れた」に対して「売れなかった」という対立関係を分析に持ち込む、ということです。「売れた」事例を多数観察することに加えて「売れなかった」事例を多数観察することによって、「売れる―売れない」の関係を明らかにすることができます。 問題は、表面に現れた何が売れて、何が売れなかったか、ということではありません。その「売れる―売れない」という対立関係の背後には、どのような構造が存在するのか、その見えない構造を抽出し、考察しようとするのです。 何か、自分で書いていて、これでわかってもらえるか不安になってきたので、具体的な方法について、大変わかりやすく述べられている本を一冊あげておきます。たぶん、質問者さんの助けになるはずです。 高田明典『知った気でいるあなたのための構造主義方法論入門』(夏目書房) 以上、参考まで。
お礼
詳しいご説明ありがとうございます。 なんとなく概要は掴めたかな?という気がします。 ご紹介いただいた本、読んでみますね。
お礼
そうです!アニメ業界なんです! なんとなく伏せ字にしたんですが、よくお分かりになりましたね? たしかに「レヴィストロース?ナニソレイミワカンネ」とか言って投げ出す人も多そうですから それだけでだいぶ足切りできてしまうのかもしれませんね。 ご紹介いただいた本、図書館で探してみようと思います。 注意すべきポイントや具体的なアドバイスまでいただき感謝感謝です。