- ベストアンサー
ニュートン法則に対する補正
万有引力ポテンシャル -1/r の補正として -1/r^{2} あるいは -1/r^{3} 項がきたとき、その係数に対して実験からどれくらいの制約があるのでしょうか? 例えば、-1/r^{2}の係数をaとすると、実験から a<1/1000 と制限されているとか...
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
湯川秀樹は力が質量μの粒子によって媒介される時、ポテンシャルは α(1/r)exp(-r/λ) ただしμ = h/2πλc という形になることを示しました。重力ポテンシャルの補正として上の形をとっているのはそのような意味があるのです。1/r^2のポテンシャルを考える理由はいまのところありません。P. Baldi et al. ;Physical Review D64 (2001) 82001 によればαが最小になるのはλ~10mのときα~10^(-3)でNo.1の方が書かれているのと一致しないようですが? tycho.dm.unipi.it/~nobili/murst/newton_law.pdf も見てみて下さい。(このURLに入るとPDFでダウンロードされるので参考URLには書きませんでした)
その他の回答 (2)
>純粋に逆2乗則からのずれを知りたかった 組成非依存性実験の結果(図4.5,81ページ)が逆二乗則からのずれを 測定しているということでいいのではないでしょうか? No.2の方の紹介されていた論文をみましたが(読んではいない)、 確かに「重力とスカラー場」に紹介されていた論文 E.Fischbach and C.Talmadge, Nature, 356 207,(1992) とはずれているようです。 まあ、この10年で万有引力定数の値の誤差は 10倍(だったかな)になりましたし、 この手の実験も結果が覆されているのかもしれません。 ただの推測です。 ちなみに、 >下のibm_111さんの見ている領域は月や人工衛星を用いた天体スケールからの制約です。 組成依存性にせよ、非依存性にせよ、実験室スケールから、天体まで網羅してますね。
>補正として-1/r^{2}あるいは-1/r^{3}項がきたとき 補正はその形でないといけないんでしょうか? そうでなくてもいいのなら、 ポテンシャル=-G0m^2/r×(1+αexp(-r/λ)) の形の場合の数値の制限が 物理のたねあかしシリーズの藤井保憲「重力とスカラー場」 p.79、81にグラフとして出ています。 αの制限はλによるので結論は一口には言えませんが、 1991年頃の段階でλ~10^11(m)付近で α~10^-9が最良のようです。 λがそれより大きくても小さくてもαへの制限は急激に弱くなります。
お礼
早速のご返事、有り難うございました。 「重力とスカラー場」を読みました。Brans-Dikye理論のように、重力的なスカラー場の存在を仮定して、そのスカラー粒子が質量を持つとき、重力子(graviton)とは別に、そのスカラー粒子(dilaton)が媒介する力が湯川型ポテンシャルとして現れる。そしてそのモデルに対する実験的制約がibm_111さんのおっしゃるような範囲になる。そう解釈して良いでしょうか? しかしそんな仮定ではなく、純粋に逆2乗則からのずれを知りたかったのですが...調べてみると、大抵の場合がこの湯川型ポテンシャルで説明されていました。
補足
>1/r^2のポテンシャルを考える理由はいまのところありません。 ご存じかも知れませんが、5年ほど前に「1mm世界に剰余次元がある」という話題がでました。そのとき云われたのは、もし我々の自然が6次元だとしたら、1mm以下の世界ではNewtonポテンシャルが1/r^2のポテンシャルから1/r^4のポテンシャルにずれるだろうということでした。現在でもその証拠は観測されていない(1cm~0,1mmには剰余次元は存在しない)ようですが、それ以外にも、量子効果でNewtonポテンシャルに1/r^2のポテンシャル補正が入るような計算もなされているようです。その場合、実験的から理論のパラメータに制限をかける必要があると思うのですが。 >P. Baldi et al. ;Physical Review D64 (2001) 82001 によればαが最小になるのはλ~10mのときα~10^(-3)でNo.1の方が書かれているのと一致しないようですが? 論文では、地球的な規模での実験からαやλの値を制限しているのですが、下のibm_111さんの見ている領域は月や人工衛星を用いた天体スケールからの制約です。