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区体論
http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/math/welc.htm 区体論は集合論の代替になるものと期待していますが、 実は、集合論から区体論を構成できると思いました。 (公理9は開区間(a,b)の集合全体を考えれば、いいと思います。) それでも、区体論の価値はあると思います。 それはまさしく、余計なことをできなくすることです。 余計なことの一例は、べき集合をどんどん構成していき、どこまでも高い濃度の集合を作ることなどです。 そうすることで、扱う対象を明確にできると考えます。 ところで現実問題として、連続濃度以上が必要になる具体的な問題があるのでしょうか?
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通りすがりの者です。PRFRDさんの >これは実際に構成してみないと認識しづらいところだと思うので, >是非集合論上にモデルを構成してみてください.要するに >(a) 和,積,補集合で閉じている >(b) 空でない任意の元が(非自明に)2つの元に分割できる >という条件を満たす集合族を構成してやればOKです. この部分、半開区間[a,b)を使って作る普通の集合体で OKじゃないですか?1次元ルベーグ測度を構成するときに 使う、あの集合体です。
何回もすみません。 (★)は成り立ちますね。ただ、一階述語論理と同等かは怪しかったです。(ちょっと、パラドックス的なことがいろいろできそうです。) 議論(独り相撲ですが)、および「回答になっていない」投稿が続いたため、規約違反になるかもしれません。どうしても議論したいときは、区体論の提唱者に直接メールすることにして、これ以上の回答はやめます。申し訳ございませんでした。 >余計なことをできなくすることです。 これは、区体論を使わなくとも、一階述語論理で大体できます。
考えながら回答している上に、自分の回答も自由に削除できないシステムのため、たびたびの回答になってしまいます。すみません。 私は区体論に否定的なので今まで否定的な回答になりましたが、No4.さんのおっしゃることももっともなので、肯定的に考えてみました。 公理1~8+公理10を考えると、公理10で述語論理(厳密には一階述語論理。2階以上では区体論のポリシーに反する)の性質を使うことができるため、おそらく「公理10の一階述語論理を導入すれば、一階述語論理と同程度のものができるだろう」と思われます。No.1さんも、区体論が束の一種だということも、つまらない束があるからといって、束の理論が役に立たないとはいえない、ということは同意されると思います。また、何の公理も付加しない述語論理では相異なる元の存在は証明できないことも。ただし、区体における外延性 (★)区体A,Bに対して、(任意のアトムxに対してx@A⇔y@B)ならば、A=B、 が成り立てば、の話ですが(私にはまだ証明も反証もできてません)。 (★)が成り立てば、たぶん区体論+公理10は一階述語論理と同程度の内容を持っていると思われます。だから、まったく駄目とまでは言えないかも。区体論の目的に沿うものとして一階述語論理がすでにある、ということを除けば。 ただし、ペアノの公理だけでは、集合論の無限集合の公理よりは弱いです。ωをアトムとして扱えるところまでいって、はじめて無限集合の公理と比較できます。 では、公理10を除いた区体論はまったくの無内容か、というと、モデルとして例えばR^nの部分線形空間全体からなる束(補集合のかわりに直交補空間を考える)を考えることができます。アトムは1次元部分空間です。R^nのかわりに複素ヒルベルト空間を考えると、このような種類の束は量子論理のモデルとしてさかんに研究されているはずです。 ただし、何しろandとorに関する分配律さえ満たされないので、公理10は成り立たず、ブール代数より弱いために研究は困難らしいです。まあ、公理10の「(一階)述語論理」のかわりに「一階述語量子論理」(ただし私のような素人では手も足も出ない非常に難解なしろもの)をもってくれば、あるいは・・・という感じでしょうか。 ということで、まあ、数学者の間ではとっくの昔に散々研究されているものではあるが、とにかくよく研究されている束も含んでいる、という意味で、このような話の中ではよくできているもの、ではないかと思います。
たびたびすみません。 まだ、きちんと証明していませんが、 (1) 区体論(公理8を採用している)だけでは、a@A、b@Bのとき、順序対(a,b)に相当するアトムがあるとはいえない、 (2) 公理を追加して、自然数論を扱える区体論ならば(番号付けにより)順序対に相当するものを構成可能である、 と思われます。 ZF公理系から無限集合の公理を取り除いた公理系では、有限集合しか扱えないつまらない集合論になりますが、それでも順序対は作れます。ということで、やはり区体論は弱すぎるかと思います。 なお、突っ込まれると困るので。(1)では、ひとつのΩに関して言えない、という意味であって、区体論Ω、Ω'があったとき、Ω×Ω'という区体論の存在まで否定しているわけではありません。ただし、複数の区体論を扱う場合、それらの間の関係を述べようとすると「準同型写像」のような集合論的概念が入ってきます。
失礼。 >整数を扱うときは整数の公理、有理数を扱うときは有理数の公理、などなど別々に用意しなければいけなくなります。 というのは、公理を別々に用意することについては特に問題はないのですが、集合論ならば、自然数全体の集合が存在する、という前提から整数全体や有理数全体の集合が存在する、という結論が自動的に示せます。しかし、区体論ではその保障が示されていない、という意味です。
おっと、もっと基本的な問題がありました。 仮に、区体論で自然数が扱えたとします(私には、本当にできるかどうかわかりませんが、できたと仮定します)。しかし、集合論では自然数から有理数を構成することができますが、そのとき「順序対」という概念を必要とします。 集合論では普通、 (a,b)≡ {{a}, {a,b}} と定義しますが、何しろこの定義では中括弧を2重に使っていますから、当然、区体論でいうアトムとは見なせません。 従って、区体論で何らかの方法で順序対が作れるという保障がないと、たとえ自然数が扱えたとしても、それだけでは有理数も扱うことができる、という保障が無くなります。 つまり、区体論で有理数が扱える、ということはまだ示されていないわけです。(私は、できない、とは言ってません。ただ、区体論で順序対に相当する概念をどう扱うか、が書かれていないので、私には区体論で順序対が作れるか、それとも作れないかが、わからないわけです。) また、仮に区体論で実数体Rを作ることができたとしても、R^2が作れる保障もなくなってしまいます。 順序対を自由に作れる保障がなければ、整数を扱うときは整数の公理、有理数を扱うときは有理数の公理、などなど別々に用意しなければいけなくなります。 まあ、集合論的に有理数を構成するときも同値関係&商集合の概念を普通は使いますが(2/1=4/2 などの議論をするため)、これは代表元を具体的に作れるので、商集合を使わずとも何とかなると思いますので、問わないことにして。
もしかしたら、区体論を提出している南堂氏は、集合論上での実数体の構成について勘違いをしているかもしれません。(あくまで可能性です。というのは、「確実に勘違いしている」とはウェブページを見ただけでは分からないからです。もしかしたら勘違いしていないかもしれません)。 「発展編」の「集合論の難点2」 http://www004.upp.so-net.ne.jp/nando/math2/partfar.htm#60 で、 >「集合論による数学では、実数を決定することができない」 と述べてますが(この「決定」という言葉をどういう意味で使ってるかが分からないのですが)、 >「実数全体の存在を示せないから、(公理的に)解析学を構築できない」 は事実と違うので、おそらく勘違いしているものと思われます。 まず、テクニカルなケアレスミスとして、有理数のコーシー列から実数を構成する方法は確かにありますが、南堂氏はうっかり、有理数の数列全体は可算だと思い込んでしまっているように思います(だから、非可算な実数を決定するのに不足している、といいたいように見えます)。しかし、実際は非可算でP(N)の濃度を持っています。有理数コーシー列全体の濃度は、自明でないので証明が必要ですが、P(N)の濃度のはずです。(従って、濃度(個数)が必ずしも不足しているとは言えません。) ただ、テクニカルな問題よりも、 >集合論の方法では、実数を「有理数による数列の極限値」という形で決定する。 というわけではありません。有理数のコーシー列をなぜ考えるかというと、実数を構成するためであって、この時点では「まだ、実数は構成できていません」。従って、実数を値とする極限値に対する考察はまだ不可能なのです。 実際、実数を構成するためには、有理数のコーシー列を作るだけでは駄目で、有理数コーシー列どうしの間に同値関係を定義して、その商空間を作る必要があります。ただし、商空間を作ったとき標準射影は全射なので、有理数のコーシー列によって必ず実数はもれなくあらわせることが保障されます。ちなみに、★この、商空間を作るという操作の中にP(P(X))の濃度(つまり、実数の濃度より真に大きな濃度)の集合を作れるという集合論の性質が普通は使われます。 ここらへんを見ると、同値関係、同値類、商集合、などの概念をきちんと理解しているかどうかが疑問になります(べき集合を自由に作れない構造を考えている限り、この疑問は残ります。ただし、理解していない、という証拠もありません。理解しているかもしれません。)もし、万が一、これをきちんと理解していなかった場合は、これは集合のごく初歩の性質なので、残念ながら素朴集合論さえ理解しているとはいえなくなります。 ちなみに、有理数のコーシー列による実数の構成は、実数の公理を満たす体系を構成するための、あるひとつの方法にすぎないので、これだけが実数の定義ではありません。 ということで、「もしかしたら、南堂氏は、集合論上での実数体を理解していないかもしれない」という疑問が残ります。(これは、Dedekindの切断の話も理解しているかどうかという疑問も含まれます)。 この疑問が解決されない限り、区体論で実数を作れるかどうかの議論は無意味になってしまいます。集合論上での実数体と比較できないからです。
突っ込みどころ満載の感じがしますけれど、私の実力ではとても完全に論評できないです。とはいえ、考えているうちに締め切られてしまうでしょうから、言ってみます。 >連続濃度以上が必要になる具体的な問題があるのでしょうか? R^n内の一点aを決めたとき、aの近傍全体の集合、の濃度は連続濃度より上です。 その他、べき集合が自由に作れないと、ある集合に同値関係を定義して商集合を作る、という、数学でよくある操作が自由にできなくなるので不便です。 まあ、私も数学の専門家ではないので高度な数学は知りませんが、全部の数学を扱うとまではいかなくとも、位相空間論ぐらいは基礎の基礎ですから、区体論でやって見せて欲しいものです。 取りあえず、区体論のモデルが作れるなら、区体論は間違っているとは言えません。(もっとも公理9は集合論からはみ出した理論を作りたかった様子ですが、No.1様が、病的であったにしろモデルを作ることに成功したとのことですので、残念ながら集合論で扱えてしまったようですね)。問題は有用かどうかですね。 (ちょっと公理8について、「集合論で言う{φ}はどうなるんだ?φでないものは必ずアトムを含むはずだが?」と心配しましたが、これ自身がアトムである、ということで何とかなりそうです。アトムは他の何かに還元できない、という思想とはぶつかるかもしれませんが)。 区体論は、その場で必要なものだけ用意する、というような発想のようですから、それのひとつだけでは集合論全体と同等にならないのは当然です。区体論の中に集合論のモデルを作るのは無理のような気がします。ただ、状況に応じて区体論+αでやれば大丈夫、ということができたとしても(本当?)、αの部分が複雑すぎて美しくなくなってしまう可能性が大きいです。(その意味でNo.1さんの意見は誤読とはいえないような気がします。) ただ、誤解されては困る、と、それ以前にPar1やPart2などを読むように要請されますが、結構突っ込みどころが多いので(集合論や論理を本当に理解しているの?と疑問に思われる文が多い。たとえば、ゲーデルの不完全性定理は区体論の枠外、などと書いてありますが、ゲーデルは「完全性定理」というのも証明しており、完全性定理の「完全」と不完全性定理の「完全」は意味が違う、ということをわかっているのか疑問)、そこを読むと逆効果で、先を読む気がしなくなる方も多いと思われます。 特に、実数を作るとき、実数全体を同濃度に2つに分けるという発想は、区間を小さくしていきたいのでしょうが、Rを X=・・・∪[-2,-1)∪[0,1)∪[2,3)∪・・・ とその補集合に分割することもできますが、ぜんぜん範囲は狭まっていません。いや、他にも言いたいことは沢山あるんですが・・・
- arrysthmia
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いや、一番最初のアトムを通常の集合にしておけば! って、それじゃ意味ないですよね。 階層論理のタシくらいには、なりそうな予感がした んですが…
- PRFRD
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No.3 について: 特に公理を追加せずに連鎖させるだけでは やはり普通の集合論よりも遥かに弱いモデルにしかなりません. 一方,適当に公理を追加して連鎖させてやることで ZFやBGと大体同じようなモデルを作ることができます. ただ,そのための手間は1からZFやBGを作るのと大差ありません. きっと「空集合公理だけからなる公理系」が無益だというのは 同意していただけるんじゃないかと思いますが, わたしの実感では,区体論の公理系も,それに近いものがあります. #流石にこれよりはマシですが,相異なる2元の存在が言えない以上, #ほとんど全ての公理系よりも強くはないです.
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