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連続体仮説に懐疑的な理由?
Wikipediaを眺めていましたら、下記の記述に出会いました。 ===引用=== 多くの集合論の専門家は、連続体仮説は偽であると考えているか、または真偽に対して中立的な立場を取っている。 ===引用終わり=== 私は、自然数で1の次が2であって、その中間は無いというのと同じぐらいに、アレフ0のつぎがアレフ1で、その中間は無いという連続体仮説が自然に思えて、なんら違和感を持たないのです。 多くの集合論の専門家が連続体仮説に懐疑的なのは、どのような考えがあってのことでしょうか?
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補足しておきます。 連続体の濃度はアレフωのようななれない濃度以外はとり得ますが、アレフ2現象もあり、他の良い性質と両立させながらアレフ3以上にするにはアレフ2以下に比べて不自然と言いたくなるくらいの努力が必要になります。 また、連続体仮説を前提にすると、そこから導かれる結果の多くが連続体仮説と同値になることが知られていて、数学的に薄っぺらな理論になってしまいます。 そんなわけで、研究対象としてみるならアレフ2にしたいと考える人が多いわけです。 数学は無矛盾ならどんな公理を選んでも構わないというタテマエはありますが、実際には人間が社会生活の中で行う営みの一つですから、研究の方向がある程度見える対象で、なおかつ面白く数学的に豊かなものを選びたいと思うのはある意味当然なのではないかと思います。
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- Tacosan
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aleph0 < aleph1 は aleph系列の定義. aleph0 < aleph は対角線論法. で「aleph が aleph系列のどこにあるのか」という疑問が生じて, 「aleph = aleph1」というのが CH. そして ZFC のもとで CH が決定不能であることは既に書いてある通り. CH を否定した場合再び「aleph が aleph系列のどこにあるのか」という疑問に戻るわけだが, 確か「どこにあると仮定しても無矛盾」だったはず. つまり, aleph系列において aleph は (aleph0 でなければ) どこに設定しても ZFC とは矛盾しなかったような気がする.
お礼
有難うございます。 コンピューターを使えば、「天動説に基づく天体の運動」でさえも無矛盾に説明できることでしょう。でも、自然科学ではそれを求めません。 数学者は「単純な系」よりも「おもしろい系」を好む傾向があるのでしょうか。
- rinkun
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ANo.4です。 > しかし、たとえ連続体仮説を偽としても、 > アレフ0<アレフ≦アレフ1という不等式の成立は理解できません。 そういうことは言っていません。 対角線論法で アレフ0<アレフ が言えて、アレフ1の定義により アレフ1≦アレフ となります。 ここまでは連続体仮説によらず成り立ちます。 逆の不等式 アレフ≦アレフ1 は連続体仮説そのものです。両方向きの不等式が成立するので実際には等式になります。
お礼
補足ありがとうございました。 連続体仮説を真としたときに、アレフ0<アレフ=アレフ1という式が成り立つことは理解しております。
- ta20000005
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ある程度説得力のある仮定をおくと、それらのどの仮定のもとでも実数の濃度がアレフ2以下になるという事実が知られていて、『アレフ2現象』と呼ばれています。この時アレフ1とするよりアレフ2とする方が自然に感じられることが多く、実数の濃度をアレフ2とするのが好ましいと考えている人が多いという事実があります。 ただし、このような現象について語られた学会で実数の濃度の人気投票を行ったところ、アレフ2現象を最初に示した本人は苦笑してアレフ2には手を挙げなかったということからもわかるように、wikiの言い方は適切ではないと思われます。
お礼
アレフ2現象ってのがあったのですね。 Wikiに書き込んだ人は、どのような方(どの程度の専門家)なのかに興味がわきます。
- stomachman
- ベストアンサー率57% (1014/1775)
> 多くの集合論の専門家は、連続体仮説は偽であると考えているか、または真偽に対して中立的な立場を取っている。 こりゃヨタでしょう。ZF公理系からはどうやっても証明できない独立な命題であることが厳密に証明されている、そういう命題の真偽をどうこう言ったり、「中立的な立場」を表明するような錯乱した態度を、「多くの集合論の専門家」が取っているとはとても思えないなあ。 数学は「公理系を何かひとつ決めたとき、何が言えるか(どんな定理が証明できるか)」ということが全て。物理学のような科学とは違って、現実の経験とは無関係です。だから、単に A 連続体仮説を公理として採用した公理系を使って数学を展開するか、 B 連続体仮説の否定を公理として採用した公理系を使って数学を展開するか、 C 連続体仮説の肯定も否定も公理として採用しない公理系を使って数学を展開するか、 によって、それぞれ「互いに異なる数学」が構成されるというだけのことなんです。もちろん、公理系が違えば理論(定理の集まり)は違って来る。(てか、違いがないんじゃ、公理系を変えた意味がありません。)A,B,Cのそれぞれで得られる定理は異なっていて、そして、どの定理も「その公理系に於いて正しい」んです。 つまり、「A,B,Cのうちどの公理系が正しいか」という問いは意味をなしませんし、「中立的な立場」なんて概念も成立つ余地がありません。「どれが一番オモシロイか」と問うことなら出来ます。 というわけで、「BあるいはCのアプローチでゴソゴソやってる人が、Aのアプローチを採る人よりだいぶ多いらしい」というのが、wikiに書かれてあるべきことなんじゃないでしょうかね。で、その理由はおそらく、Bの方がAよりオモシロかったり、あるいは、連続体仮説とは縁のなさそうな研究をやるにはAやBを採用する差し迫った理由が無いから、なのでしょう。
お礼
回答ありがとございます。 その分野の専門家にとって、「連続体仮設を偽」としたほうが「おもしろい」というのが理由なのでしょうかね。 数学は感情を封殺した学門と思いがちですが、数学者といえども選択可能な場合には「面白い方」を選ぶというのであれば、数学者もホモ・ルーデンスであるということですね。
多くの集合論の専門家が連続体仮説に懐疑的、ではないと思います。懐疑的ではなくて、皆さんも仰っているように、少なくとも現行のやり方では、肯定も否定も証明できない事を知っているだと思います。 自分も連続体仮説にはほとんど違和感を持たないのですが、その理由を反省してみると、標準の無限集合論の中で使われる論理にあるとわかります。前もどこかで書きましたが、現行の無限集合論の標準理論では、じつは有限世界の論理学をそのまま使っています。もちろん所々ほころぶので、適切に拡張定義はされていますが(全単射による濃度比較などです)、本質は変わりません。 この素直さのために、連続体仮説にも違和感を持てないのだと思います。でも無限は誰も見た事ありません(もし全部見れたら有限ですから・・・)。誰も見た事ないのに、そんなに無反省に有限世界の論理を、無限世界へ外挿して良いのかね?、という感覚はあっておかしくない気がします。あるとすればその辺りが、連続体仮説を偽と感じる感性ではないでしょうか?。もっとも、そんな事言うなら対案を出してみろ!、と言われれば、途方に暮れるだけですが・・・(^^;)。 自分はプロの数学者ではありませんが、数学研究にだって成功しないというリスクはあるはずです。特に、肯定も否定も証明できないのがわかってしまった後では、とりあえず自分のテリトリーには影響しそうにないので、棚上げできます。例えば、有限集合論の専門家集団は、現実に存在しますし、コンピューターと数値計算分野の確立により、無用の長物なんかではあるはずがありません(^^)。 しかも連続体仮説を肯定的・否定的に「証明する」ためには、ゲーデル・コーエンという天界の星々を、撃墜する必要に迫られます。数学は人間の構築物なので、それは不可能ではないかも知れませんが(書いてて、とっても卑怯な気分になってきましたが)、中立を守るという感覚は普通だと思えます・・・(^^;)。
お礼
回答ありがとうございます。 >無反省に有限世界の論理を、無限世界へ外挿して良いのかね? この世界の専門家がそのような疑問を持つであろう(かもしれない)ということが理解できました。 自分はあまりにも有限世界になじんでいて、無限の世界だけで妥当な思考方法など、手が届かない人間なので、この疑問が生じました。 数学には麻薬みたいなところがありますね。
- rinkun
- ベストアンサー率44% (706/1571)
連続体仮説のZFCからの独立性はすでに証明されているので、基礎論の専門家以外にとっては真偽はどちらでもない、すなわち中立ですね。 専門にやっている人にとっては、連続体仮説を真とすると、アレフ1=アレフで固定ですが、連続体仮説を偽とすれば、アレフ2=アレフ、アレフ3=アレフ、、、などとバラエティがあるので、その方が色々と考えられて面白いという側面はあるかもしれません。 そもそもWikipediaの記載が本当かどうか分かりませんけど。 あと、すでに指摘もありますが、言葉の定義を誤解されていると思うので記載しておきます。 アレフ0:最初の無限基数 アレフ1:アレフ0より真に大きい最初の無限基数 アレフ2:アレフ1より真に大きい最初の無限基数 アレフ:連続体の濃度を示す基数 したがって、定義によりアレフ0とアレフ1の間、アレフ1とアレフ2の間には別の基数はありません。 アレフ0<アレフは対角線論法でいえるので、アレフ1≦アレフも分かっています。 逆の不等号、アレフ1≧アレフもいえるというのが連続体仮説です。
お礼
回答ありがとうございます。 連続体仮説を偽とした場合に、 アレフ0<アレフ1<アレフ2<アレフ などの可能性がでてくるのは理解できます。 しかし、たとえ連続体仮説を偽としても、 アレフ0<アレフ≦アレフ1という不等式の成立は理解できません。 連続体仮説を偽とすると、下記の定義も変わってくるのですか? アレフ1:アレフ0より真に大きい最初の無限基数
- uyama33
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ある直線Lがあり、直線に含まれない点Pがあったとします。 Pを通りLに平行な直線は何本ありますか? 1.1本だけ存在する。 2.たくさんある。 3.存在しない。 この答えによって、別の幾何学になります。 選択公理は、集合論のほかの公理から独立しています。 ということが、 公理的集合論 田中尚夫 培風館 連続体仮説 コーヘン 東京図書 に書いてあります。(絶版かもしれません。)
お礼
推薦図書ありがとうございます。
- Tacosan
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本題ではありませんが, 「アレフ0 の次」は当然アレフ1 であり, その「中間」など存在しません.
お礼
ご指摘ありがとうございます。 そうでしたね。 アレフがアレフ1か否か、が論点でした。
- strain1217
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1963年、ポール・コーエンにより“連続体仮説を証明することは出来ない”ことを発表しているようですが アマチュア向けの本には、新しく定義を加える事によって連続でも、またその否定でも証明する事ができると聞きましたが、私にその証明を説明されても理解できないでしょう 数直線状のある点Aを切断すると、其の点の反対側の点は定義できないと理解しています その証明も、私は説明されても理解できませんが 実感として受け入れることが出来ます 数学に興味があるけれど、ほとんど何も知らない男の意見でした
お礼
回答ありがとうございます。
お礼
再度の回答ありがとうございました。 >数学的に薄っぺらな理論になってしまいます。 「オッカムの剃刀」の例えが自然科学では尊重されますが、数学だけはまた別の価値観があるのでしょうね。