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理想のボード線図
タイトルの通り、雑音除去フィルタの理想のボード線図は、 ゲイン特性は、遮断周波数より大きい周波数での減衰傾度が、 横軸に対して直角になることが望ましいといいますが(実際にはありえないが)、それはなぜでしょうか。お願いします。 また、位相特性では、遮断周波数での位相遅れが大きいほどいいらしいのですが、それについてもなぜか教えてください。お願いします。
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当然と言えば、当然のことです。 まず、ノイズは普通、高周波で紛れ込みます。 (家庭用電源が50Hz、ないし60Hzなので、これがノイズとして乗ることはよくありますが) なので、高周波でゲインができるだけ小さいほうがいいわけです。 ですが、信号はちゃんと出力してほしいので、ある帯域で原因を確保でき、それ以外は0というのが望ましいのです。 そう考えると、ゲイン特性はステップ状が望ましいということになります。(信号として出るであろう帯域の信号以外はすべてノイズと考える) 位相特性は、ゲイン特性の傾きと関係していることが分かっています。 ゲインの変化(ゲイン特性の傾き)が大きければ大きいほど位相が遅れたり進んだりします。 今回は高周波遮断フィルタ(ローパスフィルタ、LPF)ですから、遮断周波数で、ゲイン特性の傾きが -∞ になっていることが望ましいので、 位相遅れが大きい方がよいということになるんです。 一般に、ゲイン特性の傾きが正のときは位相が進み、傾きが負のときは位相が遅れます。 導出は大変ですが、この結果は覚えておいた方がいいでしょう。
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No.1さんので完璧です。 周波数軸に対して直角になるのがやっぱり望ましいでしょうね。そもそも何故、雑音除去フィルタのゲイン線図が高周波域で低くなっているのか考えてみましょう。ゲインが低いってことは、その周波数をもった成分の振幅が小さくなるわけですよね?ってことは、ゲインが小さい周波数帯の成分の影響は低くなりますよね。だから、ノイズの入る高周波域でゲインを下げます。 じゃぁ、周波数軸に対して直角に下がっていたらだったらどうなるか。 「この周波数帯まで通過(ゲイン0dB)させて、ここから先での周波数は通過させない(直角に思いっきりゲインを下げとく)」ってのが理論上は「完璧」にできると思いませんか?直角じゃなかったら、この「周波数まで通過させる」というのが完璧にはできないでしょう。 次に、位相遅れが大きい方がよい理由です。実は、bodeさんがゲインの傾きと、位相に関係があることを証明しています。位相遅れが大きくなると、ゲインの負の傾きが大きくなるのです。つまり、高周波域で位相を遅らせると、高周波域でゲインがどんどん下がっていき、ロールオフ特性がよくなってノイズの影響を受けにくくなります。 傾きが一定だとすると、-20dB/decで、-90deg。-40dB/decで-180degの遅れが生じます。 ここまではNo.1さんのおっしゃっている通りです。No.1さんの回答があるのに私がわざわざ書いた理由は次にあります。 しかし、"大きいほどいい"といって、調子にのってどんどん位相を遅らせては(ゲインの負の傾きを増やしていく)いけないんです。位相を遅らせすぎると、ゲインクロスオーバー周波数付近にまで位相遅れの影響が及んでしまう可能性があります。すると、位相余裕が確保されなくなり、減衰特性や安定性に影響が及ぶのでほどほどにゲインを傾かせる必要があります。
お礼
詳しい解説ありがとうございます。
お礼
大変参考になりました。 ありがとうございます。