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平射図法はなぜ正角図法なのですか?
地理を私大・二次で使う受験生です。地理の参考書には「平射図法は角度が正しく保存される正角図法でもある」と書いてあるのですが、理由がよくわかりません。そもそも地図における「正角」ってなんなんでしょうか。メルカトル図法の場合は、任意の直線を引くと経線と同じ角度で交わるので「正角」なんだろうなと一応納得できるのですが、平射図法ではどこを見れば「正角」とわかるのでしようか?文系なのであまりにも難解な数学の話になるとついていけません。詳しい方、教えて下さい。
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- felicior
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No.1の者です。お返事遅くなりましてすみません。 >計算でわかるということですが、教えて頂くことは可能でしょうか? >またはそれが載っているサイトなどあるのでしょうか? 正確には三角関数の微分(数IIIの範囲)が必要になりますよ。 ネット上には平射図法が正角図法になる説明は全くないですね・・・。 なんとか微分を使わず文系の方にもわかるような説明を考えてみました。 実際の投影はいろんな向きに投影されますが、ここでは 簡単のために北極点に接して置かれたスクリーンに投影する ことを考えます。(極心法という。) 図を添付していますが、文字がつぶれて見えないときは ご自分で図を描きながら読んでください。 地球の中心をO、南極点をS、北極点をN 地球上の点をP、平射投影された地図上の点をQとします。 SPの延長線とスクリーンの交点をQとするのが平射投影の定義です。 弧NPSと赤道との交点をEとします。 [1]緯線方向の拡大率 △SPHと△SQNは∠NSQが共通な直角三角形なので相似です。 よってHP:NQ=SP:SQ [2]経線方向の拡大率 Pのすぐ南の地点をP'として、P'が地図上のQ'に投影されるとすると、 PP'の長さはQQ'の長さに拡大されます。ここで、 HPの延長線とSQ'の交点をAとするとPP'=PAとなることを証明します。 円周角の定理より∠PSN=∠PON÷2=φ/2 △OPSはOP=OS=Aの二等辺三角形なので∠OPS=∠OSP=φ/2 △OHPは直角三角形より、∠HPO=90-φ 対頂角により∠QPA=∠HPS=∠HPO+∠OPS=90-φ/2 一方、∠OPP'=90(※)より、∠SPP'=∠OPP'-∠OPS=90-φ/2 直線SQとSQ'はほとんど平行とみなせる(※)ので、錯角により、 ∠PP'A=∠SPP'=90-φ/2 ∠PAP'=∠QPA=90-φ/2 よって△PP'Aは二等辺三角形となりPP'=PAが示せました。 △SPAと△SQQ'は∠PSAが共通でPAとQQ'が平行なので相似。 よってPA:QQ'=SP:SQ 以上よりPP':QQ'=SP:SQ [3] 地球上のPを通る緯線(図の青い線)は、地図上で図の赤い線に投影され、 円周の長さの比は半径の比なのでHP:NQ よってQ点付近では東西にNQ/HP倍に拡大されている。 一方、南北方向にはQQ'/PP'倍に拡大されている。 ところが[1][2]よりこれらの拡大率は同じだから正角投影となる。(証明終) こんな説明で納得していただけるでしょうかね・・・。 [3]のところはNo.1の回答に書いたようなことです。 ※印のところはPP'が地球の大きさに対してかなり小さいという 「極限」の考え方を使っています。 ここを正確にするには以下のように微分が必要です。 地球の半径をR、余緯度∠EOPをφとします。(角度は弧度法で。) SH=SO+OH=R(1+cosφ)、SN=2R より、 NQ/HP=SN/SH=2/(1+cosφ) NQ=SN・tan∠QSN=2Rtan(φ/2)、ここでNQ=rとおくと、 QQ'/PP'=dr/Rdφ={2tan(φ/2)}'=2/(1+cosφ) >とりあえず、17日のセンター試験を頑張ってきます! お疲れ様です。ちょっと気になったんですが、 質問者様の回答履歴にある方とはもちろん別人なんですよね?
- felicior
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>そもそも地図における「正角」ってなんなんでしょうか。 地球のような球体を地図のような平面にするには、みかんの皮を無理やり平べったくするようなもので、 どこかが伸びたり、縮んだり、破れたりと、何かを犠牲にしないとできないのはわかりますよね。 「正角」とは簡単にいえば島などの形がなるべく変わらないように配慮した図法に冠される呼び名です。 http://atlas.cdx.jp/projection/distortion.htm#SEIKAKU-ZUHO 何を犠牲にして何を保つかという目的がはっきりしたものに「正角」「正積」「正距」がありますが、 このうち正角と正積は次のように全く正反対の対処法を施しているのがポイントです。 ・横が2倍になってしまったら形が変わってしまうので縦も2倍にしようという発想が「正角」図法 ・横が2倍になってしまったら面積が変わってしまうので縦は半分にしようという発想が「正積」図法 たとえば一辺が1kmの正方形の形をした島があるとします。 1:100000の地図ならば、地図の中央付近のゆがみが少ない所ではどんな図法も一辺1cmの正方形になりますが、 地図の周辺部のゆがみが大きいところでは、正角図法の地図では一辺が2cmの正方形になる(ことがある)のに対し 正積図法では横2cm縦0.5cmの平べったい長方形になる(ことがある)、という違いがでます。 面積は、正積図法では理想的な1平方cmになっているのに対し、正角図法では4平方cmと4倍になってしまっています。 逆に角度に関しては、正角図法ではどこでも正方形のままなので対角線どうしが直交しますが、 正積図法では長方形なので直交しなくなっています。形が変わらないことはすなわち どの部分の角度も変わらないということでもあるので「正角」と呼ばれているのです。 ただし大陸くらいの大きさになると、同じ大陸の中でもゆがみ(倍率)が少ない地方と大きい地方が出てきますので、 全体としてはとても同じ形とは見えないと場合もありますが、部分部分を見つめる限りではうなづけると思います。 >平射図法ではどこを見れば「正角」とわかるのでしようか? 正角性や正積性は「どこを見ればわかる」というたぐいのものではなくて、 そうなるように図法を考案しているのです。 同じ経度差でも、赤道では長く高緯度では短くなりますよね。緯度60度ではちょうど半分になります。 メルカトル図法は、まず強制的に経線を平行線にしているので、たとえば緯度60度では横(東西)が 2倍に引き伸ばされてしまっています。よって正角性を実現するためこの付近では南北も2倍になるよう 緯線間隔をわざと広げているのです。(正方形は正方形なので方角は保たれるのがわかりますか?) 同様に緯度80度では5.8倍、89度では57倍というように、どんどん緯線間隔が広がっていき、 ついに北極点や南極点は無限の彼方に追いやられてしまいます・・・。 平射図法は投射図法の分類の中のひとつで、どこから眺めて投影するかによって、 地球の中心から眺める心射図法、地球の表面から眺める平射図法、宇宙から眺める正射図法などがあります。 http://atlas.cdx.jp/projection/light.htm#TOUSYA-ZUHO ご質問の平射図法は正しくは、平射タイプの方位図法である「平射方位図法」というやや機械的な分類名です。 一方、方位図法の中にはうまく「正角」「正積」「正距」になるように考案された、それぞれ「ステレオ図法」 「ランベルト正積方位図法」「正距方位図法」といわれる図法がありますが、 なんと平射方位図法は偶然このステレオ図法と同じものになるのです! このことは計算で示すことができるのですが、文系の方にもわかるように説明するのは難しいですので、 単純に暗記されるのが受験には得策だと思います。他にも「モルワイデは正積」などですね。
お礼
ご丁寧な回答をありがとうございました。うーむ…。なんとなくはわかりますが、詰めの部分ではまだあやふやな感じが残ります。おっしゃるとおり、受験では暗記さえすればいいのでしょうが(高校の先生に聞いても同じ事を言われました)、実は僕は将来は地理の教師になりたいと思っています。わからない自分が悔しいので、なんとかして納得したいのです。計算でわかるということですが、教えて頂くことは可能でしょうか?またはそれが載っているサイトなどあるのでしょうか?見ても理解不能かもしれませんが…。とりあえず、17日のセンター試験を頑張ってきます!
お礼
ご丁寧な回答ありがとうございました。 難しいですがなんとか考えてみます。 >お疲れ様です。ちょっと気になったんですが、 質問者様の回答履歴にある方とはもちろん別人なんですよね? もちろん別人です(笑)。叔父さんと同居している高校生です。叔父さんのパソコンを使わせてもらっています。好き勝手には使えない約束なので、叔父さんの名前を借りて質問しています。ありがとうございました。センターはばっちりでした。