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「ちゃんと」 は方言?
よく、「ちゃんと」という言葉を使用しますが、友達にこれって方言なんだよねといわれました。 (例えば ちゃんとしなよ とか ちゃんと来てね) 本当に方言なのか、方言であればどこの言葉なのか捜してはみましたが見つからず・・・気になっております。 どなたかご存知でしたらよろしくお願いいたします。
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古くからある語だと思いますが、俗な話し言葉であり文章語には用いられないので、方言の印象があるのでしょうか。 ちなみに、『江戸語大辞典』『京ことば辞典』『大名古屋語辞典』には、「ちゃんと」が(方言として)載っています。『大阪ことば辞典』にはありませんが、同源と思われる「チャッチャト」「チャット」は載っています。意味は大同小異。 ■『江戸語大辞典』 (前田勇編、講談社) ちゃんと 《副》 (1) 早く。すばやく。さっさと。天明二年・御存商売物「ちやんとだまんな」<以下略> (2) たしかに。きっちりと。きちんと。整然と。正しく。文化六年・浮世風呂前上「私が傍にちやんと落ちてあったのさ」<以下略> ■『京ことば辞典』 (井之口有一・堀井令以知編、東京堂出版) チャント 《副》 (1) きっちりと。「チャント仕事はでけたカ」。 (2) まちがいなしに。「納期には、チャント納めます」。 ■『大阪ことば事典』 (牧村史陽編、講談社学術文庫) チャント <採録なし> チャッチャト《副》さっさと。ちゃんちゃんと。急いで。 チャット《副》さっさと。すばやく。[例] チャットしなはれ、また遅れまっせ。 ■『笑説 大名古屋語辞典(でぇあ なごやご じてん)』 (清水義範編著、学研) 【ちゃんと】 「きちんと」の意味。名古屋では父ちゃん母ちゃんと一緒の時はきちんとしなければならないところから転じた言葉らしい。要するに、ちゃんとちゃんとの味の素なのである。 (例)「ちゃんこちゃんと食わなかん」(ちゃんこ鍋は、きちんと食べなければいけない) -------------- 名古屋語の解説は、あくまで「笑説」です。 「ちゃんとちゃんとの味の素」のCMは、総会屋への利益供与事件が発覚したときに中止された経緯があります。この「ちゃんと」は、「すばやく」ではなく「きちんと」の意味です。「ちゃんとしていなかった」ということでしょう。 ちなみに、1603年にポルトガル人宣教師が著した『日葡辞書』には、大阪言葉事典と同様に「チャント」がなく、「チャット」は載っています。「ちゃんと」は17世紀以降の言葉なのかもしれません。 ■『邦訳 日葡辞書』 (土井忠生・森田武・長南実編訳、岩波書店) chatto チャット 《副》 急速に。 -------------- 本邦最大の『日本国語辞典』には、ひと通りの意味が「ちゃんと」載っています。方言形については全てを網羅していないと思われますが、かなり異なった意味・用法があるのが興味深いところです。 ■『日本国語大辞典』(小学館) ちゃんと 《副》 (「ちょうど(丁度)」と同語源か) (1) 動作の迅速なさまを表わす語。ちゃっと。 (2) 具合、折合のよいさまを表す語。まさしく。うまいぐあいに。 (3) 乱れないできちんとしているさま。また、規則通りであるさまを表わす語。 (4) 確かであるさま、また、不足なく充分であるさま。 [方言] (1) 迅速なさまを表す語。すばやく。さっさと。秋田県鹿角郡 新潟県佐渡 石川県金沢市 京都府 ◇ちゃんちゃと 秋田県鹿角郡 ◇ちゃんちゃんと 岩手県気仙郡 秋田県鹿角郡 (2) 既に。もはや。滋賀県彦根 京都府氏郡 大阪市 兵庫県城崎郡 (3) 全く。さっぱり。徳島県 香川県三豊郡 高知県幡多郡 (4) つい。覚えず。うっかり。新潟県佐渡 福岡県 福島県 長崎県対馬 (5) すっかり。福岡市 佐賀県 [語源説] チャウド(丁度・調度)の転〔松屋筆記・大言海〕 ちゃん‐ちゃん 《副》 (「と」を伴って用いることもある) (1) 金属や木材などを打ち合わせるさまを表わす語。 (2) 日本の刃物の刃と刃がぶつかりあって立てる音やさま。特に、刀と刀で斬り合う音やさまを表わす語。ちょうちょう。 (3) 物事が滞らないさまを表わす語。きちんきちん。 --------------
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- booter
- ベストアンサー率34% (269/769)
類語辞書で調べてみました(便利です)。 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%A8&enc=UTF-8&stype=0&dtype=5 辞書にも「ちゃんと」載ってましたね。 ただ、どちらかと言えばフォーマルな日本語ではなく、砕けた日本語・俗語・幼稚語(?)に含まれるかもしれません。
お礼
回答ありがとうございます。 便利な辞書ですね。
- Parismadam
- ベストアンサー率65% (2756/4211)
はじめまして。 既に回答は出ていますが、少し補足します。 1.まず、「ちゃんと」は標準語です。 2.「ちゃんと」は古語の「丁と」が語源と言われています。 「丁と(ちゃうと)」→「丁ど(ちゃうど)」→「ちゃんと」 3.この「丁」は元々「釘」の形を象形文字化したものです。 4.そこから、「ぶちあてる」「とめる」「さだめる」という意味に転じたものです。ですから、これらの意味を漢字で表すと 打つ「ぶちあげる」 停める「とめる」 訂める「さだめる」 と、丁の字が使われています。 5.もともと「堅い物と物がぶつかり合う音」に使われる擬態語のような働きをしていました。現代語だと「がちんと」「はたと」「はっしと」「ぱたんと」にあたるような言葉です。 6.ですから、現代語でも「ちゃんと」と同じような意味で「ぴしっと」「ぱしっと」といった、物を合わせるような擬態語的な副詞が使われることがあるのは、その名残と言えます。 例: 「ちゃんとしなさい」 「ぴしっとしなさい」 「ぱしっとしなさい」 7.それが、「物の打ち合うような緊張感」をさす場面でも使われるようになり、それが「きちんと」「きりっと」という、緊張感・整然さを表す副詞として使われるようになったようです。 例: 「入道相国を丁と(きりっと)にらまへてまだたきもせず」(平家物語) この意味で使われている「丁」は、「丁寧」といった言葉に見られます。 8.現在では「ちゃんと」は「きちんと」「整って」「ぬかりなく」「まさしく」という意味で、一般の標準語として使われています。 以上ご参考までに。
お礼
回答ありがとうございます。 なかなか難しいですね。
- jo-zen
- ベストアンサー率42% (848/1995)
「ちゃんと」は、「よく整っている、正確・確実な、または十分な結果である」ことを意味する副詞ですが、古語的には「すばやく動作するさま、さっと」という用法があり、方言の中にもそれが残っている可能性があります。「ちゃんとしなさい」が「早くしなさい」の意味を持つ場合です。どことは、私にはわかりませんが。 なお、「さっと、早く」の用法は、今でも親が子どもに対して「ちゃんとしなさい!」などという場合ニュアンス的には混ざっている気はします。
お礼
回答ありがとうございます。 方言が残っている可能性もあるのですね。
- kantansi
- ベストアンサー率26% (658/2438)
他の方の回答通り、「ちゃんと」はちゃんとした標準語です。 『日本国語大辞典』(小学館)によると、「ちゃんと」の語源は「丁度」と同じものであると考えられ、またその原型は「丁と」に関係があったようです。つまり、 ちゃんと ・ ちょうど ← ちょうと となります。 「丁と」には、「物が激しくぶつかり合う音を表す語」「激しくにらみつけるさま」「力強くかみ合ったり、しまったりするさま」「整然としているさま」という語義があるようで、つまり「ガチャン!と音を立ててぶつかり合う」「がっちりとかみ合っている」というイメージが、「ぴったり合わさっている」「きっちりとしている」へと発展したものと思われます。
お礼
回答ありがとうございます。 丁度が語源とは知りませんでした。 勉強になります
- roku43
- ベストアンサー率28% (13/45)
全国共通の立派な標準語です。『広辞苑』にも「副詞」として「きちんと」「決まりよく」「整然と」という解釈が載っています。
お礼
広辞苑まで調べませんでした。 検索していたら『大名古屋語辞典』という本に名古屋弁で「ちゃんと」というものがあるそうです。 この本をみたわけではないので、なんともいえませんが。 もしかすると意味合いが違うのかもしれませんね
- kiyoshi43
- ベストアンサー率29% (16/55)
私、北海道ですが、ANo.1の方と同じ意味合いとして普通に使ってますよ。
お礼
回答ありがとうございます。 やはり普通に使ってますよね^^
- keirimas
- ベストアンサー率28% (1119/3993)
「きちんと」「完全に」の意味のくだけた言い方ではありますが、方言とは思いません。
お礼
回答ありがとうございます。 私もそのように使ってたんですけど。
お礼
回答ありがとございます。 細かく教えていただいて、大変よく分かりました。 言葉って難しいですね。