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周波数特性について
あるセンサからのアナログ信号処理用にBPFを考えているんですが,フィルタのゲイン特性を変えずに位相特性だけ変えるということはできるんでしょうか?? 20log|G(jw)|,∠G(jw)なので位相特性を変えるとそれに応じてゲイン特性も変わってしまうと思うのですが,大学の先生にできるみたいなことを言われたので悩んでます. 分かる方がいたらよろしくお願いします.
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- inara1
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ANo.4の最後の回路の出力波形を回路シミュレータで見てみたのですが、出力振幅が電源電圧まで振り切れてしまいました。位相特性は所望のものになりましたが。何か間違っているような気もします・・
- inara1
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もう間違いはないと思っていましたが、目的とする位相特性の図が違っていました。以下に訂正します。 【利得が1で位相特性が以下のような回路を実現する方法】 (誤) ↑ 位| ̄ ̄ ̄\180度 相| \ | \___ 0度 └──────────→ 周波数 (正) ↑ 位| / ̄ ̄ ̄ 0度 相| / |___/ -180度 └──────────→ 周波数
- inara1
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重ね重ね申し訳ありません。ANo.3 も間違っていました。 Z4 を負の容量にするのでなく、負のインダクタンスにするのが正解です。その方法の1つは kihachiro さんが発見した「RとCを入れ替える」方法です。その他にもいくつか方法があるので以下に紹介します(今回はちゃんと考えましたのでたぶん間違いはないはず)。 【利得が1で位相特性が以下のような回路を実現する方法】 ↑ 位| ̄ ̄ ̄\180度 相| \ | \___ 0度 └──────────→ 周波数 このような位相特性の回路の複素利得 G は G = - ( 1 + j*ω*Z )/ ( 1 - j*ω*Z ) --- (1) で表わされます。j は虚数、ω = 2*π*f 、Z は正の実数です。f = 0 のとき G = -1 なので位相は -180度(あるいは 180度)、f = 1/( 2*π*Z ) のとき、G = ( -1 - j )/( 1 + j ) なので位相は -90度、f → ∞ のとき G → 1 なので位相は 0 となります。 下図のような回路での複素利得 Vout/Vin は Vin ─┬─ Z1 ─┬─ Z2 ─┐ │ │┏━━┓│ │ └┨- ┠┴─ Vout └─ Z3 ─┬┨+ ┃ Z4 ┗━━┛ ─────┴────── 【 図1 】 Vout/Vin = -( Z1/Z2 )*{ Z3 - ( Z2/Z1 )*Z4 }/( Z3 + Z4 ) となりますから、Z1 = Z2 = R1 とすれば Vout/Vin = - ( Z3 - Z4 )/( Z3 + Z4 ) なので、これが式(1)と同じになるには Z4 = -j*ω*Z*Z3 となるように、Z3 と Z4 を選べばいいわけです。Z3 を抵抗 R (実数)とすれば Z4 = -j*ω*Z*R となります。これはインダクタンスが -Z*R という「負のインダクタ」になります。 負の抵抗や容量、インダクタンスを実現する方法として、以下のような負性インピーダンス回路(Negative Impedance Circuit)があります。 Z → ─────┬─ Y1 ─┐ │┏━━┓│ └┨- ┠┤ ┌┨+ ┃│ │┗━━┛│ ├─ Y2 ─┘ Y3 GND ─────┘ 【 図2 】 この回路の入力から内部を見たインピーダンス Y は次式で表わされます( 図1で Z を使っているので、それと区別するために、図2では素子のインピーダンスを Y で表わします)。 Z = -Y1*Y3/Y2 もし。Y1~Y3 が抵抗なら、この回路は負の抵抗となります。Z を負のインダクタンスとするには以下のような方法があります。 (1) Y1 = j*ω*L [ インダクタ ] で Y2 = Y3 [ 抵抗・コンデンサ・インダクタ ] (2) Y2 = 1/( j*ω*C ) [ コンデンサ ] で Y1*Y3 = 実数 (Y1 と Y3 が抵抗、Y1 がインダクタで Y3 がコンデンサ、Y1 がコンデンサで Y3 がインダクタ) (3) Y3 = j*ω*L [ インダクタ ] で Y1 = Y2 [ 抵抗・コンデンサ・インダクタ ] kihachiro さんが発見した「RとCを入れ替える」方法とは、(2) で Y2 をコンデンサ、Y1 と Y2 を抵抗とする方法だと思います。(1)と(3)の方法でも実現できますが、位相が90度変わる周波数が低周波の場合、インダクタンスの大きなものが必要なので、コンデンサを使う(2)の方法が良いと思います。 図1の Z4 の部分を、図2の負性インピーダンス回路で置き換えたとき、Z4 が負のインダクタとなる方法のうち、(2)の方式を使うとすれば Vin ─┬─ R1 ─┬─ R1 ─┐ │ │┏━━┓│ │ └┨- ┠┴─ Vout └─ R -─┬┨+ ┃ │┗━━┛ ├─ R2 ─┐ │┏━━┓│ └┨- ┠┤ ┌┨+ ┃│ │┗━━┛│ ├─ C ─-┘ R3 ─────┴────── という回路になります。この回路の負性インピーダンス回路部分のインピーダンス Z は Z = -j*ω*C*R2*R3 なので、回路全体の複素利得 G は Vout/Vin = - ( R - Z )/( R + Z ) = - ( R + j*ω*C*R2*R3 )/( R - j*ω*C*R2*R3 ) = - ( 1 + j*ω*C*R2*R3/R )/( 1 - j*ω*C*R2*R3/R ) となって所望の特性になります。位相が -90度となる周波数 f0 は ω*C*R2*R3/R = 1 となる周波数なので f0 = R/( 2*π*C*R2*R3 ) となります( C の単位は F、R の単位はΩ のとき f0 は Hz単位となります )。R または R2、R3 を変えれば fo を変えることができます。
- inara1
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最初の回路の位相特性は(http://www.linear-tech.co.jp/company/news/timelynews/TN007.pdf)の1ページに出ているのと同じです。 >回路は間違ってないとは思うんですが,下のような特性になってしまいます その通りです。2番目の回路の位相特性は間違っていました。下が正解です。こちらでも回路シミュレータで確認しました。 Vin ─┬─ R1 ─┬─ R1 ─┐ │ │┏━━┓│ │ └┨- ┠┴─ Vout └─ C ─┬-┨+ ┃ R ┗━━┛ ─────┴────── ↑ 位| ̄ ̄ ̄\180度 相| \ | \___ 0度 └──────────→ 周波数 >教えていただいた下の図のような特性がほしいんですがAPFでそのような特性は得られるんでしょうか そのような位相特性を実現するには、複素利得 G が G = - ( 1 + j*ω*C*R )/ ( 1 - j*ω*C*R ) --- (1) となるような回路です。ω = 0 のとき、G = -1 なので位相は-180度、ω → ∞ のとき、G = 1 なので位相は 0 です。これから、元の回路を逆算するのは難しいので、以下のように、素子が抵抗やコンデンサでなく、一般的なインピーダンス Z (複素数) を持った回路を考えます。 Vin ─┬─ Z1 ─┬─ Z2 ─┐ │ │┏━━┓│ │ └┨- ┠┴─ Vout └─ Z3 ─┬┨+ ┃ Z4 ┗━━┛ ─────┴────── この回路の利得は G = -( Z1/Z2 )*{ Z3 - ( Z2/Z1 )*Z4 }/( Z3 + Z4 ) となりますから、Z1 = Z2 = Z とすれば G = - ( Z3 - Z4 )/( Z3 + Z4 ) なので、これが式(1)と同じになるには Z4 = -j*ω*C*R*Z3 となるように、Z3 と Z4 を選べばいいわけです。Z3 を抵抗 r (実数)とすれば Z4 = -j*ω*C*R*r となります。これは静電容量が -C*R*r という「負の容量」になります。 負の抵抗や容量を実現するには、「NIC回路」というのがあります[1]。これはOPアンプを1個使った回路で、片側がGNDになっている場合でしか使えませんが、Z4 は片側がGNDになっているのでNIC回路が使えます。NIC回路のインピーダンスは Z = -Z1/Z2*Z3 なので(このZ1~Z3 は [1] の回路での値です) 、これが -j*ω*C*R*r に等しくなるようにするには、Z1と Z2 を抵抗、Z3 をコンデンサとすればいいことになります。したがって、以下のような回路にすればいいのではないでしょうか。 Vin ─┬─ R1 ─┬─ R1 ─┐ │ │┏━━┓│ │ └┨- ┠┴─ Vout └─ R -─┬┨+ ┃ │┗━━┛ ├─ R2 ─┐ │┏━━┓│ └┨- ┠┤ ┌┨+ ┃│ │┗━━┛│ ├─ R2 ─┘ C ─────┴────── [1] ページ真ん中あたりの【NIC回路】のところ http://homepage2.nifty.com/y-daisan/html/B61222.html
お礼
すみません,できました. RとCを入れ替えるだけでしたね・・・笑” ちゃんとほしい特性を得ることができました. ありがとうございました.
補足
ご回答ありがとうございます. NIC回路の存在は全然知らなかったので勉強になりました. で,教えていただいた回路でシミュレーションしてみたんですが, 微妙に違う応答が出てしまいました. ↑ 位| / ̄ ̄ ̄180度 相| / |___/ 0度 └──────────→ 周波数 このような応答です. とりあえずR,R1,R2,Cの値は適当にしているんですが, -180度から立ち上がるようにするには抵抗値やコンデンサ容量のチューニングが必要ということなんでしょうか??
- inara1
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"オールパスフィルタ"で検索してもいっぱい出てきます。こういう回路です。利得は1です。 Vin ─┬─ R1 ─┬─ R1 ─┐ ↑ │ │┏━━┓│ 位│ ̄ ̄ ̄\0度 │ └┨- ┠┴─ Vout 相│ \ └─ R ─┬-┨+ ┃ │ \___ -180度 C ┗━━┛ └──────────→ ─────┴────── 周波数 Vin ─┬─ R1 ─┬─ R1 ─┐ ↑ │ │┏━━┓│ 位│ / ̄ ̄ ̄ 0度 │ └┨- ┠┴─ Vout 相│ / └─ C ─┬-┨+ ┃ │___/ -180度 R ┗━━┛ └──────────→ ─────┴────── 周波数
お礼
図まで描いていただいてありがとうございます。 いろいろ調べて勉強してみたいと思います。
補足
教えていただいた下の回路をSPICEという回路シミュレータで組んで位相特性を見てみたんですが,図にあるような特性になりませんでした. 回路は間違ってないとは思うんですが,下のような特性になってしまいます. ↑ 位| ̄ ̄ ̄\180度 相| \ | \___ 0度 └──────────→ 周波数 教えていただいた下の図のような特性がほしいんですがAPFでそのような特性は得られるんでしょうか??
- foobar
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|G(jw)|=1で位相だけ変化するようなフィルタ(フルパスフィルタとか全域通過フィルタとか呼ばれます)があります。 これと組み合わせることで、位相特性だけ変化させる、ということも可能かと思います。 (「最小位相(遅れ)」あたりをキーワードにして検索すると、関連資料が見つかるかと思います。)
お礼
さっそくのご回答ありがとうございます。 「最小位相(遅れ)」調べてみます。
お礼
いえいえ,まずなにを調べて勉強すればいいのかさえ分からなかったのでとても助かりました. 詳しい説明をしていただいたおかげで,オールパスフィルタとNIC回路についてよく理解することができました. 今回新たにご紹介いただいた方法もよく勉強して今後に活かしたいと思っています. またなにかあったらよろしくお願いします笑” 本当にありがとうございました.