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Z変換について教えてください。
SとZの関係がわかりません。 SをZで表すにはどうしたら良いのでしょうか? 定理名とかあったら、それも教えてください。 宜しくお願いします。
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と言うことはご質問の趣旨は「Laplace変換のある伝達関数X(s)が与えられたとき、それをz変換の伝達関数X(z)に置き換えたい」ということでしょうか。 単に「SをZで表すにはどうしたら良いのでしょうか」と質問すれば、nubouさんや私のような回答が返ってくるのは無理からぬことです。 X(s)からX(z)に変換するにはいくつかの手法があります。 1. 標準z変換 2. 双1次z変換 3. 整合z変換 まず1.から。この手法は「X(z)のインパルス応答がX(s)のインパルス応答と等しくなるように、X(z)の各項の係数を決める」という設計思想に基づきます。ただしすべての時間tにおいて等しくなるわけでなく、サンプル時点での出力(x(kτ)、k=0, 1, 2, 3....)だけは少なくとも同じになるように決めます。この方法にはさらにやり方が 1-a z=exp(sτ)を代入する 1-b 部分分数に分ける の二つあります。 1-aでz=exp(sτ)をそのまま代入すると実用的でないので、通常はさらに z=exp(sτ)≒1+sτ (4) の近似を行います。これは直ちに s=(z-1)/τ (5) と書き改められますから、これをX(s)に代入すればよいことになります。(delta-sさんのおっしゃる(1-z^(-1))と本質的に同じですが、サンプリング時間τが入ってくることをお忘れなく) この近似は「サンプリング時間τが系の時定数に比べ十分に小さい」場合にのみ成り立ちますが、通常の信号処理回路ではそのように設計されているはずです(連続時間近似)。 もう一つ、1-bのX(s)を部分分数展開する方法では、X(s)が ∞ Σ R[k]/(s+α[k]) (6) k=0 と部分分数に分解できたとして、それぞれの項で 1/(s+α[k])→1/(1-exp(-α[k]τ)(z^(-1)) (7) と置き換えます。ここにR[k]はk番目の項の係数、α[k]はk番目の極です。 2.の双1次z変換では z=exp(sτ)≒(1+sτ/2)/(1-sτ/2) (8) と近似します。sについて書き下せば s=(2/τ)(z-1)/(z+1) (9) となります。これを代入します。 双1次z変換ではインパルス応答はX(s)と異なってきます。一方、折返し誤差は生じません(*1) 3.はすみません、私は名前しか知りません。 Laplace変換での微分要素sですが、離散時間の信号に微分という演算が存在しないのはご承知の通りです。ただしLaplace変換の伝達関数X(s)のsに相当する要素を考えることはできます。それが(5)や(9)です。 私の最初の回答の(1)→(2)の変形で、x(t)をx(kτ)で置き換えていますが、これはで標本化操作(離散化)に他ならないことにご注意ください。連続関数を直接z変換することはできないので、いったんx(kτ)に標本化し、それをz変換していることになります。 とりあえずキーワードと手がかりは上記に示しましたので、恐縮ですがあとはご自身で参考文献を探して下さいますよう。(当初の質問範囲を越える追加質問については、補足欄への記入でなく新しい質問を立ててください) -------- *1 離散時間での信号処理では、高い周波数の成分が低い周波数に化けて出てくることがあります(エイリアス効果)。例えば、本来除去したい高い周波数の信号が低い周波数の信号に化けるとそれは除去できません。これを「折り返し誤差」などと呼びます。詳しくは自分で調べてみて下さい。 *2 z変換でkについての和を-∞から∞まで取るか(両側z変換)、0から∞まで取るか(片側z変換)の議論はありますが、信号処理では因果律(入力がある以前に出力があってはおかしい)を考慮して主に片側z変換が用いられるようです。
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- nubou
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「連続時間での微分は、S、離散時間での微分は、(1-z^(-1))と表せますが」: 1-z^(-1)は {c(n/fs)}⇒{c(n/fs)-c((n-1)/fs)} の操作であり「微分」と言うよりは「差分」なのです 「連続時間から離散時間に変換する時にSは、(1-z^(-1))としても良いのですか?」: z=exp(s/fs)ですからs=(1-exp(-s/fs))と見なせる条件下ではいいですがそうでないときは駄目です 周波数帯域とfsの大きさから判断すべきです s=j・2・π・fですからj・2・π・f=(1-exp(-j・2・π・f/fs)) と見なせる「fの範囲」においてはokでしょう
お礼
ご回答ありがとうございます。 なんとなく、わかってきました。 本とか読んで調べてみます。
- nubou
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連続時間信号は実数全体を定義域とする実数値関数cで表現することができます 以下tを実数変数としnを整数変数とし ある実数t0が存在してt<t0とのきc(t)=0とする 連続時間信号を表現する実数値関数c(t)をt=0を含む標本化周波数fsの標本化をしてできた離散時間信号は整数全体を定義域とする実数値関数dで表現することができます ただしd(n)≡c(n/fs)です dはcと同じように扱うことができないので離散時間信号を表現するためdの代わりに以下のように定義される実数全体を定義域とする離散時間関数pを使います p(t)≡Σ(-∞<n<∞)・c(n/fs)・δ(t-n/fs) c(t)の両側ラプラス変換をCs(s)とすると Cs(s)≡∫(-∞<t<∞)dt・exp(-s・t)・c(t) p(t)の両側ラプラス変換をPs(s)とすると Ps(s)≡∫(-∞<t<∞)dt・exp(-s・t)・p(t) =Σ(-∞<n<∞)・c(n/fs)・exp(-s・n/fs) p(t)の両側z変換をPz(z)とすると Pz(z)≡Σ(-∞<n<∞)・c(n/fs)/z^n exp(-s・n/fs)=1/(exp(s/fs))^nであるから Ps(s)=Pz(exp(s/fs))です すなわち離散時間信号を表現する関数において次のことが言える 両側z変換においてz=exp(s/fs)とすれば両側ラプラス変換が得られる 連続時間信号を表現する関数にはz変換は定義されていませんのでこのような関係は存在しません
- Umada
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離散時間系の信号処理のお話か、あるいは制御工学のお話ですね。 sはLaplace変換のsのことですよね。zとsの変換は特に定理というほど大袈裟なものはありません。結論から申し上げますと通常は、サンプリングの周期をτとしてz=exp(sτ)とおきます。 以下はj簡単な背景の説明です。 ある信号x(t)があったとき、そのLaplace変換を X(s)=∫exp(-st) x(t) dt (0→∞) (1) とします。ごくごく一般的なLaplace変換です。 さて、周期τでサンプリングする離散時間系で考えるなら積分は数列の和に置き換えることができ、上記のX(s)に相当する概念として ∞ Σexp(-skτ) x(kτ) (2) k=0 なる式を導入することができます。 このとき、簡単のためz=exp(sτ)とおけば(2)は ∞ Σ(z^(-k)) x(kτ) (3) k=0 と書き直すことができます。これを数列x(kτ)のz変換と名付けたわけです。 X(z)などと表示されるのはご存じの通りです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 信号処理の話に関してです。 連続時間での微分は、S、離散時間での微分は、(1-z^(-1))と表せますが 連続時間から離散時間に変換する時に Sは、(1-z^(-1))としても良いのですか? アナログのスイッチドキャパシタLPFの伝達関数をZを使って表す方法が 分からないので、ここで質問してみました。
お礼
すごく丁寧でわかりやすいご回答、ありがとうございます。 Umadaさんの回答で、理解することが出来ました。 度々、丁寧なご回答、ありがとうございました。