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「あきれる」、「ものが言えない」
日本語を勉強中の中国人です。( )の中の言葉の意味とだいたい同じものを選べよという練習問題に解答してみたのですが、3点についてよく分からないので、ご意見をお聞かせください。 「彼女の対応ときたら、(あきれて)ものが言えないよ」 (1)ひどすぎて (2)すばらしすぎて (3)速すぎて (4)直接すぎて 模範解答:(1) 1.模範解答の(1)は納得できますが、たぶん「ときたら」という言葉が前に来るので、(1)が選択されたのでしょうか。もし、「ときたら」ではなく、「と言えば」でしたら、(2)でも良いと思われますか。 2.「あきれる」という表現は悪いことに対して使うと思うのですが、良いことに対しても使えるのでしょうか。 3.「ものが言えない」についても似たような疑問を感じております。良いことに対しても悪いことに対しても両方使うのでしょうか。 また、質問文に不自然な表現がありましたら、ご指摘いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
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「あきれる(呆れる)」は、 「あまりに意外で驚く様子」を表わしますが、この場合の【意】は「自分が常識的だと考える判断基準」という意味です。 【常識外れで驚く】ということです。 理屈で言えば「常識を外れた素晴らしいこと」もあって良さそうですが、そういう意味で【常識外れ】という言葉が使われることはまずありません。 それと同様で、基本的には「悪いこと」だけに使われる表現とお考えになって間違いないでしょう。 (「基本的」と言ったのは、どのような表現であれ反語などのように逆の意味で使われる場合はあるからです。) 「彼女の対応ときたら」 「あきれて」 「ものが言えないよ」は、 「彼女の対応が」 「自分の考える常識的対応とは大きく外れたものだったので驚いて」 「ものが言えないほどだ」ということです。 結果として、「彼女の対応は、それほどひどいものだった」という意味になります。 また、「ものが言えない」と言いながら、このように自分の気持ちを言っています。 この場合の【もの】は『(彼女の対応に関する)自分のコメント』という意味に捉えると良いでしょう。 「ものが言えない」ほどひどすぎる、と思わなかった場合は、 「彼女の対応は、ちょっとひどいと思うよ」 「彼女の対応は、あまり適切とは言えなかったね」などという表現になります。 原文の場合は、このようなコメントをする気が無くなるほど(何を言っても無駄だと思うほど)ひどい対応だった、ということを言いたい時の表現になります。 1、 a.「ときたら」は強調です。必ずしも否定的な言葉が後に続くとは限りません。 (ex)「あのケーキときたら、おいしすぎて何個でも食べてしまいそうだ。」 b.「素晴らしさ」を表現したい場合は、悲しみや嬉しさなどの感動的心情を表わす「言葉もない」(「言葉もありません」)「言葉も出ない」「言葉にならない」「言葉を失う」などという表現が使えると思います。 (ex)「彼女の対応ときたら、あまりに素晴らしすぎて言葉もないよ。」 「感動のあまり言葉にならない。」 「あまりの美しさに言葉を失った。」 c.「○○といえば△△」は、 「○○」から連想して△△ということについて述べていることになります。 「そう言えば」という慣用句的表現が便利です。 (ex) A:「私は野球よりサッカーが好きです。」 B:「そう言えば(=サッカーと言えば)、次のワールドカップはいつだったっけ」 他には、「○○ということならば」という意味もあります。 (ex)「彼は背が高いといえば高い」 「いつもは寝坊ばかりしているのに、釣といえば早起きする」 Aさんという女性について他の2人が話をしている時に、 「Aさんといえば、この間の彼女の対応ときたら、あきれてものが言えないよ」 というような表現は自然です。 しかし、 「彼女の対応と言えば~」という切り出し方は不自然になると考えて良いでしょう。 2、表現技法として反語的に使うのでなければ、「あきれる」という表現は良いことには使わない、とお考えになって良いでしょう。 3、「ものが言えない」は『あきれてコメントする気持ちにもなれない』という意味で使う場合が殆んどですから、 基本的にはこれも悪いことだけに使うとお考えになって良いでしょう。 ただ、「実際に言葉を口にできない」という意味で使われることもありますから、これとは別の表現として考えるべきでしょう。 (ex)「その時の私は、疲れきってものも言えない状態だった」 「彼は、恐怖のあまりものが言えなくなったみたいだ。」 ご質問文に関しては#2さんが詳しくご回答なさっていますので省略します。 ただ、「選べよ」に関する文法的解釈について私自身少し知りたいことがあるので質問を立ち上げたいと思います。
その他の回答 (2)
私は日本語の先生ではないですが、ネイティブな日本人の感覚として回答しますね。 まず、「あきれる」は好ましくないこと、悪いことに対して使います。 例えば、 ・態度の悪さにあきれる。 ・酒ぐせの悪さにあきれる。 などといいます。 そして、「あきれてものが言えない」は、「あきれる」を誇張した表現です。「あきれる」と「ものが言えない」は組み合わせて使います。 そのため、「彼女の対応ときたら」が書いてなくても「ものが言えない」で判断できるので(1)が正解になると思いますよ。 (追伸) awayuki_chさんの日本語、とても流暢です。 指摘するところはほとんどないです☆ でも、暇だったのでawayuki_chさんのお勉強になればと思い、 小さいことですが、下記2点をアドバイスさせていただきます。 1.「同じものを選べよ」⇒「同じものを選べ」 選べよって言うと、なんだか男の人がしゃべってるみたい(笑) 練習問題の文章だったら「選べ」でいいですよ。 2.「3点について」⇒「下記の3点について」 いきなり3点って言われると試験の点数かと思ってしまうので、 3つについて下に記述しているのであれば「下記の」や「以下の」 を添えたほうが丁寧になります。 それでは、これからもがんばってくださいね。
お礼
ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。「彼女の対応ときたら」で判断するのではないのですね。助かりました。また、質問文の添削に感謝いたします。今度からは気をつけるようにします。 励ましていただき本当にありがとうございました。頑張ります!
1. 「ものがいえない」はある言動がひどすぎる結果、批判さえ出来ない、何もいえないときに使用します。ある言動が「すばらしすぎる」時は、ほめ言葉にこまることはあっても、なにもいえなくなることはないので不的確です。 2.「呆れる」は通常常軌を逸した言動に対して使いますが、例外として「呆れるほどうまい」という表現があります。 3.「ものが言えない」は「あきれて」以外に次のような言葉と組んで使われますが、良いことには使いません。 *自由に *気軽に *まったく *はっきりと *ストレートに
お礼
毎度お世話になります。 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。大変参考になりました 本当にありがとうございました。
お礼
いつもお世話になります。 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。「ときたら」と「と言えば」の違いはよく分かりました。また、「素晴らしさ」を表現したい場合の例文も拝見してとても嬉しいです。大変参考になりました。 本当にありがとうございました。
補足
「選ぶ」という元の動詞を誤って「選べる」と思ってしまったので、一段動詞の命令形のルールで「選べよ」と書いたのです。文法のことは私もよく分からないのですが、「選べよ」の「よ」は一段動詞の命令形の中のその「よ」とは、何か性質が違うように思います。 選ぶ 五段動詞 命令形:選べ 述べる一段動詞 命令形:述べろ(話し言葉)・述べよ(書き言葉) する サ変動詞 命令形:しろ(話し言葉)・せよ(書き言葉) 来る カ変動詞 命令形:こい