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風俗と風習、仄かと微かについて
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風俗と風習はかなり互換性があるように思われます。風習を風俗習慣と引き延ばすことができるのも一つの根拠と言えそうです。 でも違うと言えばやはり違う。その派手な○○は当時の人々の好みをよく反映している、なら風俗でしょうし、節分に豆を撒いたり、七夕に笹竹を飾ったりするのは日本の昔からの○○だ、なら風習をどうしても選びます。 まあ、風俗は一時の流行と言うには持続が長すぎる、風習は太古から不易と称するには期間が短すぎる、って感じかな。手っ取り早く言えば、風習のほうが風俗よりも時間的にも空間的にも規模が大きい現象と親和的なのではないかしら。(お手元の辞書の説明のすべてには賛成できかねます。) 例えば「大正時代の風俗」という結びつきはたいへんしっくりするけれども、たった十五年しか続かなかったこの時代に限られる事柄に風習という語はそぐわないでしょう。逆に「日本の」とか「昔からの」なんて大掴みな言い方は風俗よりも風習のほうと仲がよいと申して大過ないでしょう。 仄かと微かについてですが、こういうのは仲間の言葉、つまり同根の語を駆り集めて共通する性格を抽象するのが有効なことも少なくありません。 仄かの仲間はほの暗い・ほのめかす・ほのぼの・あけぼの・ほの見える・ほの白いなど。微かは霞む・かすめる・かするなどが同根でしょう。 こうして並べて見ると、「ほの」なる語成分はどうも光がもたらす感覚、視覚的なものと関係が深いように見えます。ところが、「ほのかに聞こえる」とか「ほのかに匂う」とも言えるので一途にそう言い切ったら間違いになります。 岩波古語辞典は「ほのか」をこう釈します。「光・色・音・様子などが、うっすらとわずかに現れるさま。その背後に、大きな、厚い、濃い、確かなものの存在が感じられる場合にいう。類義語カスカは、今にも消え入りそうで、あるか無いかのさま。」 なかなか面白い語釈ですが、これの裏を読むに、ホノカのほうは黎明のまだ地平線下にあるお日様なんぞをイメージしつつかく解しているような気がするし、カスカのほうは霞が念頭にあるような感じがします。はっきりとは言っていないけれどもホノカは何かが現れ出る前触れ、カスカは存在が消え入ろうとするさま、ってことらしい。でも、そこまで明言はしたくない、ってところでしょうか。
お礼
mannequinkatzeさん、お礼が遅くなって、大変申し訳ございません。 いろいろ教えていただいて、誠にありがとうございます。 ご説明を拝見して、とても勉強になりました。 ありがとうございました。