放物線と直線が1つだけ共有解を持つときの直線の傾き
下記の問題の模範解答について疑問があります。
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a を実数の定数とする。
x^2 + (a-1)x +a+2 = 0 ・・・式1
について次の問いに答えよ。
式1 が 0≦x≦2 の範囲には実数解をただ1つ持つとき、a の値の範囲を求めよ。
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--模範解答-----------
式1 より
ax +a = -x^2 + x -2 ・・・式2
式1 について判別式を取ると
D= (a-1)^2 - 4(a+2)
=(a+1)(a-7) ・・・式3
【I】
y= ax +a ・・・式4
y= -x^2 + x -2 ・・・式5
が接するとき
D= 0
∴ a= -1, 7
a < 0 より a= -1
【II】
式4 の直線が (0, -2) を通るとき
式2 の左辺 a
式2 の右辺 -2
∴ a = -2
式4 の直線が (2, -4) を通るとき
式2 の左辺 3a
式2 の右辺 -4
∴ 3a = -4
∴ a = -4/3
よって
-2 ≦a< -4/3
【I】【II】より
a = -1, -2 ≦a< -4/3
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--私の解答-----------
式1 より
ax +a = -x^2 + x -2 ・・・式2
式1 について判別式を取ると
D= (a-1)^2 - 4(a+2)
=(a+1)(a-7) ・・・式3
【ここまで同じ】
f(x)= -x^2 + x -2
= -(x-1/2)^2 - 7/4
g(x)= ax +a
= a (x+1)
とおく
【III】
y= f(x)
y= g(x)
が接するとき
D= 0
∴ a= -1, 7
a= -1 のとき 式1 は
x^2 - 2x +1 = 0
∴ x= 1
これは条件に適する
【添付画像の青の直線】
a= 7 のとき 式1 は
x^2 + 6x +9 = 0
∴ x= -3
これは条件に適さない
∴ a= -1
【IV】
y= f(x)
y= g(x)
が2点で交わるとき
y= g(x)
の y切片は a だから
交点の1つが 0≦x≦2 の範囲にあるためには
グラフより a <0 が必要条件
a <0 のとき y= g(x) は傾き負の直線だから
グラフより交点の1つが 0≦x≦2 の範囲にあると
もう1つは 2<x の範囲になければならない
f(0) ≦ g(0) かつ f(2) > g(2)
∴ -2 ≦ a かつ -4 > 3a
よって
-2 ≦a< -4/3
【III】【IV】より
a = -1, -2 ≦a< -4/3
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【質問1】
答えはどちらの解法でも同じになるのですが、私は模範解答には穴があるような気がしてなりません。
そもそもこの模範解答は、私と別の高校の生徒が、事前に学校教師に見せてOKをもらった上で、板書した解答なのです。だから、「もしその先生が見落としたのだと仮定すれば」、あちらこちらアラがある可能性はありますし、私が直接その先生に「これが本当に満点の解答なのか」と確かめることもできません。
私が疑問に思っていることの1つ目は、【I】において、さらっと
a < 0 より
としていることです。
図より、傾きが負(右下がり)になることが期待されたとしても、【III】のような簡単な検証は必要でないんでしょうか?
模試や記述式入試で減点されないために、
a < 0 は自明として良いのか
もっとうまくて簡潔な説明はあるのか、教えてください。
【質問2】
長くてすみませんが、関連質問は一度に投稿すべきだと思うので続けます。
【II】でも【IV】でも、良し悪しはなく満点の解答でしょうか?
私は、【II】の、特定の点(なんて呼んだら良いのかわからないので、(0, -2)と(2, -4)を、「端点」と呼ぶことにします)を通るときの傾きを求める、というやり方にある程度共感はしますが、
「式4 の直線が (0, -2) を通るとき」の解き方が乱暴
な気がしてしかたありません。
まず、y= ax +a が(0, -2)を通る、という代入の時点で、x≠0ならよくわかりますけれど、x=0を代入するのは、なんかとても危険な解法(直線がy軸に平行に可能性をはらむ)のような気がしてなりません。
今回たまたま、 y= ax +a と y= -x^2 + x -2 と y軸 は一点(0, -2)で交わっていますが、仮に y= -x^2 + x -3 のように少しでもずれていたらこの解法は使えなかったのではないか、というのが私の一つの根拠です。でもうまく説明できません。
y= ax +a は見た目通り、y切片a ですが、xの定義域の最小値0のとき、「(0, -2)を通る」ということ大前提でそのまま代入して良かったのでしょうか? y軸に平行な直線だったらそもそも y= ax +a の形にならなくないですか?
それに、【II】だと、(0, -2) を通るとき、という a の値は求められても、本当にそのときのもう一つの交点は、 0≦x≦2 の範囲にはない、ということは確かめていない気がしてなりません。正確な図さえ描いていれば、「図より」と描くだけで自明、として良いのですか?
ちなみにもう一つの交点は (3, -8) です。しかしこの模範解答者は、それは図に描き入れていません。
【質問3】
私も初めは気付かなかったのですが、この質問のために図を描き直していると、赤も黄も緑も青も、全ての直線が、(-1, 0) を通ることに気付きました。この問題は「恒等式」の範囲に載っていたわけではないのですが、
a (x +1) = -x^2 + x -2 ・・・式2
の形を見ると、何か恒等式「っぽい」解法もありそうな気がします(別に、全ての a についてとか、全ての x についてとかいう問題ではありませんが)。
何か、【模範解答(解答A)】や【私の解答(解答B)】以外の、高校生らしい解答があったら教えてください。
長くてすみませんが、お知恵をお貸しください。