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再帰代名詞について(生成文法の知見から教えてください)
Mary wants Hanako to help herself.という文のherselfについてなのですが、この場合は、Mary wants (Hanako to help herself)でherselfはHanakoだとは思うのですが、どのようにして、生成文法を使って説明がつくのか教えてください。 あとtheta-roleはこの場合want[proposition]と考えたらいいのでしょうか。いろいろな原理とか理論とかどううまく当てはめたら良いのかわかりません。教えてください。
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GB 理論ですと、再帰代名詞は「統率子(governer)と主語」を含む領域内で束縛されなければなりません。 herself の統率子は help で、主語は Hanako ですから、束縛領域は [Hanako to help herself] となり、herself の先行詞は Hanako となります。 Minimalist Program では、まだあまり束縛理論については議論が進んでいません。 Hornstein らは Hanako が help の目的語の位置でθ表示され、さらに vP 指定部へ移動し、動作主役ももらい、さらに TP 指定部へと移動し、一番下のコピーが再帰代名詞 herself として実現する、という分析を提案していますが、果たしてどうなることやら。 >theta-roleはこの場合want[proposition]と考えたらいいのでしょうか 補文(この場合は [Hanako to help herself])のθ役を proposition とするのは便宜的なものです。何か名前を付けておかなければならないのでそういっただけで、べつに「主題(Theme)」でも構いません。 jacky15 さんが新しいθ役を作って、ここに当てはめてもいいのです。説得力さえあれば。
お礼
とてもわかりやすく説明していただきありがとうございます。生成文法の最近の動向まで詳しく言及して頂きありがとうございました。
補足
もしよろしければ、生成文法についてのお勧めの参考書があれば教えていただけないでしょうか。「生成文法の基礎」や「生成文法の考え方」は一度よんでみたことがあるのですが、他にお勧めがあれば教えてください。あと、入門書として初心者でも読めるような洋書もよければ教えてください。