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マレイン酸からフマル酸へ
hv ジメチルマレイン酸+Br2ーーー>ジメチルフマル酸 という反応の仕組みは、どうなっているのでしょうか?レジカルが関係しているとは思うのですが、付加反応ではないので、どうなっているのかわかりません。 お願いします。
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おおよその状況はわかりましたので、少し詳しく説明をします。 まず、薬品の量は、マレイン酸ジメチルが約3mmol、臭素が約0.3mmolということになりますので、やはり触媒として加えられていることになります。 反応の推進力は、生成物がトランス配座であることによる安定性以外にも、もう一つの要因があるようです。 すなわち、生成したフマル酸ジエチルのジクロロメタンへの溶解度の低さのために、フマル酸ジエチルの結晶が析出し、平衡の系外に出たことも一因でしょう。 マレイン酸ジエチルやフマル酸ジエチルへの臭素の付加も起こっていると思いますが、その付加体ではエステル基のα位にBrが来ることになり、比較的不安定であると考えられます。 そのために、特に光照射下では解離が進みやすく、溶液中にある程度の濃度で臭素が残ったのではないでしょうか。 それに対して、シクロヘキセンへの臭素の付加体は比較的安定ですので、臭素を効率的に除去できたのだと思います。 上述のような副生成物は、ろ過や再結晶で除かれたということでしょう。
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- DexMachina
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No2,4です。 > マレイン酸ジメチルも、フマル酸ジメチルもその点では、同じだと思うのですが No5の補足の通り、臭素が少ないということであれば、No.5の方の回答の通りだと思います。 No.4は、そこでも書きました通り、あくまで「それでフマル酸エステルへの異性化が進むのだと」しての、回答です。 (No.2で回答した通り、「一旦付加したら、外れないという気が」していましたので。それゆえの「自信なし」です(汗))
No.1,3です。 No.4のご回答にもありますとおり、マレイン酸ジメチルおよびフマル酸ジメチル(いずれもエステル)ですね。 臭素の量の件ですが、「同体積」というのがよくわからないのですが、100%の臭素を同体積加えれば、おそらく付加反応が進行した上で、未反応の臭素が残り、見た目は濃い赤褐色になるはずです。 おそらくは、臭素水とか臭素の四塩化炭素溶液などを用いたのではないかと思います。そうであれば、臭素の量は触媒量になっていると考えられます。 すなわち、たとえばマレイン酸ジメチルを10ml量り取って、それに純粋な臭素10mlを加えるような操作は、かなり異常な操作であると思います。通常は、何らかの溶媒で臭素あるいはマレイン酸ジメチルを希釈した上で、ゆっくりと他方を加え、混ぜ合わせます。 もしも、同体積のものをいきなり混ぜ合わせたのであれば、臭素は純粋なものではなく、ある程度薄い溶液であったものと推察されます。 反応物の量的な関係(物質量=モル数という意味で)は化学において極めて重要ですので、臭素なのか、臭素水なのか、臭素の○○溶液(濃度も必要)なのかについて、実験書をご確認下さい。 なお、臭素が少ない場合にも付加反応生成物ができると思いますが、その量が少ないために、フマル酸ジエチルの収率を低下させることはない(少ない)という意味です。 臭素の量が多ければ、付加反応の生成物が多くなり、フマル酸ジエチルはほとんど得られないと思います。
お礼
説明が曖昧で申し訳ありません。 臭素は、0.6mol/lのジクロロメタンとの溶液です。マレイン酸ジメチルは、原液です。これらを0.5mlずつ混ぜ合わせ、数分光に当てました。その後、フマル酸ジエチルの結晶が出来、シクロヘキセンを数滴加え、余った臭素と反応させました。その後、エタノールで再結晶し、フマル酸ジエチルを得ました。
- DexMachina
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No.2です。 > dimethyl malate でしたらエステルですね。 酸なら「dimethylmaleic acid」になります。 > 臭素は、dimethyl malateと同体積加えました。 それでフマル酸エステルへの異性化が進むのだとすると、 カルボキシル基のC=OとC=Cの共役による安定化が寄与しているのではないでしょうか。 (そうであれば、カルボキシル基の自由回転が阻害されるはずです)
お礼
dimethylmaleic acid。日本語は、紛らわしいです。 >カルボキシル基のC=OとC=Cの共役による安定化 そうですね。しかし、マレイン酸ジメチルも、フマル酸ジメチルもその点では、同じだと思うのですが、違うのでしょうか?
補足はまだですが・・・ おそらく、マレイン酸ジメチルのことだろうという前提のもとに回答いたします。 ジメチルマレイン酸だとしても大きな違いはないとも言えますが・・・ そもそも、Br2を1当量用いると付加反応が起こるでしょうから、おそらく触媒量のBr2しか用いられていないと思います。 だとすれば、以下のような機構が考えられます。 Br2 → 2Br・ ここで生じたBr・が、1原子のみ二重結合に付加すると、元々二重結合であった部分でπ結合が切断され、単結合となり、反対側の炭素上にラジカルが生じます。 Br・+ CHY=CHY → Br-CHY-C・HY → 結合の回転 → Br・+ CHY=CHY この状態では、C-C結合の回転が起こるようになりますので、C-C単結合の回転が起こった後にBr・の脱離が起こればフマル酸ジメチルになります。 なお、この反応の推進力は、トランス体であるフマル酸ジメチルとシス体であるマレイン酸ジメチルの安定性の差であると考えられます。 参考URLに似たような話があります。
お礼
回答ありがとうございます。 補足ですが、dimethyl malate からdimethyl fumarateへの変換です。日本語は、わかりません。 臭素は、dimethyl malateと同体積加えました。 臭素が少ないと付加反応に平衡が行きにくいため、付加反応が無視できるということですか?
- DexMachina
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勘違いかもしれませんが・・・これはジメチルマレイン酸に紫外線を照射して励起させ、カルボキシル基同士の反発の大きいcis-型から、反発の小さいtrans-型に転移させる反応ではありませんか? ただ、Br2が入っているのは、触媒になっているということなのかどうか・・・。 (一旦付加したら、外れないという気がしますし、光で充分に思うのですが)
お礼
勘違いしており、ジメチルマレイン酸ではなく、マレイン酸ジメチルでした。回答していただきありがとうございます。 マレイン酸ジメチルに紫外線を当てただけでは、フマル酸ジメチルは、出来ませんでした。臭素が触媒になっていることは、確かですね。
確認したいことがあります。 物質名はジメチルマレイン酸(2価カルボン酸)ということでよろしいのでしょうか? マレイン酸ジメチル(2価エステル)の間違いではないでしょうか? 前者であれば分子内の脱水反応が起こりやすいでしょうし、後者であれば起こりにくいはずであり、それによって結果も変わってきます。
お礼
分かりやす説明いただき、ありがとうございます。納得できました。