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何故特異点?
「複素数のはなし」という本に、sin(z) / z は z=0 に特異点を持つと書いてありました。 特異点ってその近傍では正則でその点でだけ正則じゃない点ですよね? 正則って導関数が連続である事ですよね? (d/dz) {sin(z) / z} = (1/z){cos(z) - sin(z) / z} (1) Excelでf(x) = (1/x){cos(z) - sin(z) / z}のグラフを書かせたら(-1,1)でほぼ f(x) = -x に比例した連続なグラフが出てきて、 少なくとも実数の範囲では(1)は連続に思えます。 複素数だと(1)は連続ではないんでしょうか?
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すみません。忙しいくてついつい見落としてました。前の私の回答は#2の前半は間違っています.で、意図しない行き違いがあるようなので補足しておきますと、ダイレクトに計算して計算が合わないのかな?と思い計算の糸道を付けておけば、恐らく導けるだろうと思っていたのですが、そうではなかったのですね。私の判断ミスでした。 ざっと計算してみましたが、私はこんな結果になりました。合いませんか? それと特異点について述べておきました。どうでしょうか?納得いきませんか? ------------------- sin(z)/z = ( sin(x)cosh(y) + icos(x)sinh(y) )(x - iy)/(x^2 + y^2) = u + iv ただし、u,vを次のように定義する。 u = ( xsin(x)cosh(y) + ycos(x)sinh(y) )/(x^2 + y^2) v = ( xcos(x)sinh(y) - ysin(x)cosh(y) )/(x^2 + y^2) Cauchy-Riemannの関係は、 ∂u/∂x = ∂v/∂y , ∂u/∂y = - ∂v/∂x (#) なので、いずれも二次元Laplace方程式( △u = 0 , △v = 0 )に帰着するので、 ここでは簡単に前者だけ示します。(偏微分の計算練習として後者をやってみて確めてください) ∂u/∂x = [( sin(x)cosh(y) + xcos(x)cosh(y) - ysin(x)sinh(y) )(x^2+y^2) - ( xsin(x)cosh(y) + ycos(x)sinh(y) )2x] / (x^2+y^2)^2 ∂v/∂y = [( xcos(x)cosh(y) - sin(x)cosh(y) - ysin(x)sinh(y) )(x^2+y^2) - ( xcos(x)sinh(y)- ysin(x)cosh(y) )2y] / (x^2+y^2)^2 展開して互いの分子を比較する。(分母は(x^2+y^2)^2で一緒なので。) ∂u/∂x の分子 = -x^2sin(x)cosh(y) - 2xycos(x)sinh(y) + x^3cos(x)cosh(y) -x^2ysin(x)sinh(y) + y^2sin(x)cosh(y) + xy^2cos(x)cosh(y) -y^3sin(x)sinh(y) ∂v/∂y の分子 = (同上) 分子に表れる関数は正則関数なので分母が0にならなければ(#)式の関係は導かれる。 つまり、x = y = 0 i.e. z = 0 を除いてsin(z)/zは正則である。 ちなみにsin(z)/zのTaylor展開は次の式ですね。 f(z)≡sin(z)/z = Σ(-1)^n z^(2n)/(2n+1)! (where summantion is about n∈N) = 1 - z^3/3! + z^5/5! ・・・ 従って、f(z)のz=0は特異点でも除去可能な特異点だということは上の形から明らかですね。教科書的なやり方では、除去可能な特異点は、lim f(z) = 1 ( as z→0 )があることを確めて(これは実際に簡単に確められます)、改めてf(0)=1と定義し直すことですが、同じことをしていることは右辺一項を見れば明らかです。 ではでは。
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- siegmund
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どういう意味で特異点と本に書いているかが問題です. 恐らく,本に書いている意味は,単に (※) f(z) = sin z / z で z=0 を代入できない, ということなのでしょう. 0/0 になっちゃいますから,困ってしまう. で,f(0) の値を (2) lim_(z→0) f(z) = 1 と定義する,とすれば無難な関数(|z|<∞ で正則)になります. つまり,f(z) の z=0 における特異性は, 単に f(0) が定義されていないとか(今はこちらですね), 不適切に定義されている,などの原因によるもので, あらためて適切に f(0) を定義し直せば特異点ではなくなります. こういう特異点を「除去可能な特異点」と呼んでいます. 除去可能な特異点が現れるたびに上のような修正をおこなって特異点を除去する, というのが関数論での通常の扱いです. (3) f'(z) = (1/z){cos(z) - sin(z) / z} の z=0 も一見特異点ですが (4) f'(0) = lim_(z→0) f(z) = 0 と定義し直せば何事も起こりません. 特異点には,上に述べた除去可能な特異点の他に, 極になっている場合,および真性特異点になっている場合があります. 極は,ローラン展開が途中で止まること すなわち,特異点を z0 として, (z-z0)の逆べきに展開した際, もっとも異常性の強い項が (z-z0)^(-s),(nは自然数)であること. 例えば,tan z など(z = (2m+1)π/2 で1位の極,mは整数). 真性特異点は,ローラン展開でいくらでも異常性の強い項が出てきて, 止まらない場合です. e^(1/z) がその例です.
お礼
丁寧な解説、勉強になります。 ありがとうございました。
- sinisa
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「関数f(z)がz_0で微分可能⇒関数f(z)がz_0で連続」 だったと思います。 それで、z=0では連続でない(0が分母にくるためダメ)ので微分可能ではないです。だから特異点です。 孤立特異点はだいたいが、分母=0となってしまう点じゃないですかね。 習ったばっかなのであやしいですが、ご参考までに。 それでは。
あ、すみません。zで割るのを忘れてました。 1/z=(x-iy)/(x^2+y^2)をsinzに掛けて計算してみてください。 あと導関数ですが、簡単にいうと(1)でlimz→0は発散してしまいませんか?
補足
ですよね? ですから下に書いたように計算はしてみたのですが結果は予想とは違ってしまったと言う事です。 回答に自信がおありなら一度計算してみて頂けますか? 私はやってみてそれでもダメだからこうして質問しているのですから。
ああー、それは違いますね。 いや、先に示した式はその方が展開がわかりやすいかな?っと思って書いておいたのですが、sinzを生で展開してzで割れば1/zが出てきて、zで特異点を持つことになりませんか? で、コーシーリーマンの関係が導けないと言うことなのですが、多分展開してからz=x+iyとしているからだと思うのですが。そうではなくダイレクトに入れてみましょう。 sin(z)=sin(x+iy) =sin(x)cos(iy)+cos(x)sin(iy) =sin(x)cosh(y)+icos(x)sinh(y) =u +iv でどうでしょう?計算してみてください。 なんか今見たら本題とそれてしまいましたね。では。
微分可能なときに正則というんじゃないんでしょうか? 微分可能の必要十分条件はf=u+ivとおいたときu,vがその点で全微分可能でコーシー/リーマンの関係式を満たすことじゃないのでしょうか? sin(z)=(exp(iz)-exp(-iz))/2i で展開してみては? では。
補足
アドバイスにしたがって f(z) = sin(z)/ z =(exp(iz)-exp(-iz))/2iz をf=u+ivの形に展開してみたのですが、恐ろしく長い式になってしまい、 しかもz=0いがいでもコーシー/リーマンの関係式を満たさない結果になってしまいました。 恐らくどこかで計算ミスがあったんだろうと思うのですが、実際に導いて頂けますでしょうか? よろしくお願いいたします。
お礼
詳しく式を書いていただけたおかげで自分が途中で計算ミスをしていた事に気付きました。 ∂u/∂x = ∂v/∂y 、∂u/∂y = - ∂v/∂xともに確認できました。 それと「除去可能な特異点」についてはローラン級数の主要部が無いと言う事以外ほとんど知識がありませんでしたので勉強になりました。 ありがとうございました。