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複素関数z^αのテイラー展開可能域は?
- 複素関数z^α(αは実数)のテイラー展開可能域について疑問があります。
- 一般的には、複素関数f(z)=(1+z)^αは|z|<1のみでテイラー展開可能と言われていますが、g(z)=z^αはC\{0}で微分可能です。
- そのため、f(z)もC\{-1}で解析的であり、|z|≧1でもテイラー展開可能であるのではないか疑問に思います。
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はい z_0=2,z_0=3の時,収束域はそれぞれ {z∈C;|z-2|<3},{z∈C;|z-3|<4}で 展開式は Σ_{n=0..∞}αCn(1+2)^{α-n}(z-2)^n Σ_{n=0..∞}αCn(1+3)^{α-n}(z-3)^n となり, この時, z=5/2での展開式は, (1+5/2)^α =Σ_{n=0..∞}αCn(1+2)^{α-n}(5/2-2)^n =Σ_{n=0..∞}αCn(1+3)^{α-n}(5/2-3)^n と2通りに書けます。 αが非負整数でない時 C\{-1}で定義された f(z)=(1+z)^α に対して w∈C\{-1} Dw={z∈C;|z-w|<|1+w|} で定義された展開式を fw(z)=Σ_{n=0~∞}αCn(1+w)^{α-n}(z-w)^n とすると z∈Dwの時 f(z)=fw(z) となる fw(z)をwを中心とするf(z)の関数要素という f2(z)=Σ_{n=0..∞}αCn(1+2)^{α-n}(z-2)^n f3(z)=Σ_{n=0..∞}αCn(1+3)^{α-n}(z-3)^n D2={z∈C;|z-2|<3} D3={z∈C;|z-3|<4} とすると 5/2∈D2∩D3 だから D2∩D3≠φ z∈D2∩D3 の時 f2(z)=f3(z) となる この時 f3(z)をf2(z)の直接解析接続 f2(z)をf3(z)の直接解析接続 という
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- jcpmutura
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はい αが非負整数でない時 C\{-1}で定義された f(z)=(1+z)^α が一意的に存在する解析関数です。 全てのz_0∈C\{-1} に対して |z-z_0|<|1+z_0| となる全てのzに対して f(z)=Σ_{n=0~∞}αCn(1+z_0)^{α-n}(z-z_0)^n とz-z_0のべき級数で表されるから f(z)は全てのz_0∈C\{-1}で解析的だから f(z)=(1+z)^αはC\{-1}における解析関数となる
お礼
どうも有難うございます。お陰様で理解が深まりました。
- jcpmutura
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α∈C\(N∪{0})の時, (1+z)^αはz≠-1で z_0≠-1 |z-z_0|<|1+z_0| となる z_0を中心として z_0に関して一意的に 無限級数展開可能で αCn=Π_{k=0~n-1}(α-k)/n! (1+z)^α=Σ_{n=0~∞}αCn(1+z_0)^{α-n}(z-z_0)^n |z-z_0|<|1+z_0| と表される でよいと思いますが、 z_0を中心とする テイラー展開の式の 収束域(展開可能域)は |z-z_0|<|1+z_0| であって C\{-1}全体で収束するような 1つの展開式は存在しません テイラー展開の式は 中心となるz_0によって 異なり一意的ではありません
補足
ご説明有難うございます。 > C\{-1}全体で収束するような > 1つの展開式は存在しません なるほどです。 > テイラー展開の式は > 中心となるz_0によって > 異なり一意的ではありません つまり, z_0=2,z_0=3の時,収束域は夫々 {z∈C;|z-2|<3},{z∈C;|z-3|<4}で 展開式は Σ_{n=0..∞}αCn(1+2)^{α-n}(z-2)^n/n!,Σ_{n=0..∞}αCn(1+3)^{α-n}(z-3)^n/n! となりますね。 この時, z=5/2での展開式は, (1+5/2)^α=Σ_{n=0..∞}αCn(1+2)^{α-n}(5/2-2)^n/n!=Σ_{n=0..∞}αCn(1+3)^{α-n}(5/2-3)^n/n! という風に二通りに書けるという解釈で宜しいでしょうか?
- jcpmutura
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f(z)=(1+z)^α は αが非負整数の時収束半径∞で微分可能でテイラー展開可能 αが非負整数でない時 z=z0≠-1で微分可能でテイラー展開可能です z=z0でのn回微分は f^n(z0)=(1+z0)^{α-n}Π_{k=0~n-1}(α-k) で z=z0中心のテイラー展開は f(z)=Σ_{n=0~∞}f^n(z0)(z-z0)^n/n! だから a_n=f^n(z0)/n!=(1+z0)^{α-n}[Π_{k=0~n-1}(α-k)]/n! f(z)=Σ_{n=0~∞}(a_n)(z-z0)^n f_n(z)=Σ_{k=0~n}(a_k)(z-z0)^k とすると lim_{n→∞}|a_n/a_{n+1}| =lim_{n→∞}|(1+z0)(n+1)/(α-n)| =|1+z0| だから f_n(z)の収束半径は |1+z0| で 収束域は |z-z0|<|1+z0| となります。 z0=0 時のテイラー展開はマクローラン展開といい zのべき級数となります
お礼
どうも有難うございます。 (1+z)^αはz≠-1でそのzの適当な近傍z_0を中心として一意的に無限級数展開可能で α∈C\(N∪{0})の時, (1+z)^α=Σ_{n=0..∞}αCn(1+z_0)^{α-n}(z-z_0)^n/n!, |z-z_0|<|1+z0| と表せれるんですね。
- jcpmutura
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f(z)=(1+z)^α はz=z0≠-1で微分可能でテイラー展開可能ですが z=0でテイラー展開した時の式 f(z)=Σ_{n=0~∞}f^n(0)z^n/n! は|z|<1で収束し|z|≧1では収束しません z=0の周りのテイラー展開は|z|<1のみであるという事で (z0≠0&z0≠-1)となるz0に対して z=z0のテイラー展開は 別の式 f(z)=Σ_{n=0~∞}f^n(z0)(z-z0)^n/n! 別の収束半径となります。
補足
ご回答誠に有難うございます。 私のはマクローリン展開だったのですね。 |z|≧1でも(1+z)^αは中心をz=0としなければ一意的に展開式を持つのですね。 (1+z)^α=Σ_{n=0..∞}αCn(1+z_0)^{α-n}(z-z_0)^n/n! 収束域はlim_{n→∞}|(αC(n+1)(1+z_0)^{α-(n+1)}(z-z_0)^(n+1)/(n+1)!)/(αCn(1+z_0)^{α-n}(z-z_0)^n/n!)} となるのですね。 つまり,αが複素数の時, |z|≧1における展開式は,このzの適当な近傍の点z_0を中心して, (1+z)^α=Σ_{n=0..∞}αCn(1+z_0)^{α-n}(z-z_0)^n/n!と展開できるのですね。
- jcpmutura
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f(z)=(1+z)^α α>0を整数でない正実数とすると z=0でのn回微分は f^α(0)=Π_{k=0~n-1}(α-k) だから f(z)のz=0でのテイラー展開は f(z)=Σ_{n=0~∞}{Π_{k=0~n-1}(α-k)/n!}z^n だから a_n=f^α(0)/n!={Π_{k=0~n-1}(α-k)/n!} f(z)=Σ_{n=0~∞}(a_n)z^n f_n(z)=Σ_{k=0~n}(a_k)z^k とすると lim_{n→∞}|a_n/a_{n+1}| =lim_{n→∞}|(n+1)/(α-n)| =1 だから f_n(z)の収束半径は1だから f_n(z)は|z|<1の時収束するけれども |z|≧1の時収束しないので αが実数であっても |z|<1→C-{-1}へ収束半径は拡張できません
補足
ちょ,ちょっと待ってください。 g(z)=z^αはz≠0,α<arg(z)<α+2π,つまり,C\{0}で微分可能なのですよね (因みにd/dz g(z)=αz^{α-1}となりますよね)。 という事はC\{0}でg(z)は正則という事ですよね。 同様にして f(z)=(1+z)^αの時,d/dz f(z)=α(1+z)^{α-1}でC\{-1}で微分可能,つまりC\{-1}で正則ですよね。 『fが開領域Dで正則⇔fはDで無限級数展開可能』 が必要十分条件ですよね。 でもf(z)は|z|<1でのみ無限級数展開可能という事はf(z)は|z|≧1(z≠-1)では非正則となってしまい矛盾ですが、、 この矛盾は一体どう解釈すればいいのでしょうか?
- jcpmutura
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#1です訂正します f(z)=(1+z)^α α=-1の時 f(z)=(1+z)^{-1}=1/(1+z) z=0でのn回微分は f^n(0)=(-1)^n*n! だから f(z)のテイラー展開は f(z)=Σ_{n=0~∞}(-z)^n=1-z+z^2-z^3+z^4-…+(-z)^n+… だから f_n(z)=Σ_{k=0~n}(-z)^k とすると f_n(z)は初項1公比-zの等比数列だから|-z|=|z|<1の時収束するけれども |z|>1又はz=-1の時発散する z=1の時 f_{2n}(1)=1 f_{2n-1}(1)=0 となってf_n(1)は1と0に間で振動し収束しないので αが実数であっても |z|<1→C-{-1}へ展開可能域は拡張できません
- jcpmutura
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f(z)=(1+z)^α α=-1の時 f(z)=(1+z)^{-1}=1/(1+z) z=0でのn回微分は f^n(0)=(-1)^n だから f(z)のz=0でのテイラー展開は f(z)=Σ_{n=0~∞}(-z)^n=1-z+z^2-z^3+z^4-…+(-z)^n+… だから f_n(z)=Σ_{k=0~n}(-z)^k とすると f_n(z)は初項1公比-zの等比数列だから|-z|=|z|<1の時収束するけれども |z|≧1の時発散又は振動し収束しない z=1の時 f_{2n}(1)=1 f_{2n-1}(1)=0 となってf_n(1)は1と0に間で振動し収束しないので αが実数であっても |z|<1→C-{-1}へ収束半径は拡張できません
補足
ご回答誠に有難うございます。とても参考になっております。 それなら,αが正実数の時はいかがでしょうか? C\{-1}には拡張できませんでしょうか?
補足
詳細なご説明有難うございます。 直接解析接続思い出しました。 g(z)=f2(z) z∈D2, f3(z) z∈D3というD2∪D3での解析関数gが一意的に存在するですね。