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財政法4条は均衡財政を求めていますが、諸外国は?
財政法第4条に、『国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。 但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。 』と書いてあります。 これでは緊縮財政を行うしか無く、日本経済は世界最低レベルの成長率を続けざるを得なくなります。諸外国も同様な法律で縛られているのでしょうか。もっと自由に歳出の額を決められるようにできないのでしょうか。
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国債は、将来、税金で償還せねばならない、というできもしないバカげた財政政策をとり続けているのは日本だけです。 「できもしない」と言い切れるのは、実際問題として、税金で全額を返済できたためしが無く、ただただ「借り換え債」という新しい国債を発行して、償還日が来た、旧の国債と入れ替えているだけの作業を延々50年以上も続けているからです。 そして、そんなことを続けていると、「日本は財政破綻する」と多くの経済学者が言ってきましたが、なんと、それは間違いだったと気づいて、今、そんなことを言う人は激減しました。 諸外国では、国債は借り換え、金利だけを支払うことが常識です。 参考: 「世界でも特異な国債 60 年償還ルールは廃⽌が当然」 ひとびとの経済政策研究会 2020 年2⽉ 25 ⽇ https://economicpolicy.jp/wp-content/uploads/2020/02/report-014.pdf 一部抜粋(3/5ページ) 「英国や⽶国などほとんどの国では、⼀般財源の歳出項⽬には⾦利⽀払い分だけを計上しており、元本の返済分を歳出に⼊れるようなことはしていません。財政制度等審議会 『財政制度調査会 海外調査報告書』(平成 26 年 7 ⽉)によれば、調査対象となった 7 カ国のうち、例外的に「債務償還費」を歳出に⼊れているのはカナダだけです。英国、⽶国、イ タリア、フランス、スウェーデンは利払費(等)だけを計上しているのです。ドイツは利払費と国有企業への政府出資が計上されて変則的ですが、元本返済分を予算に⼊れているわけではありません」 >もっと自由に歳出の額を決められるようにできないのでしょうか。 できるようになるかもしれません。そうなってほしいです。 今、政府・自民党のなかで従来の財政政策を総点検する取り組みが始まっています。 自民党の政務調査会(高市早苗会長)の一つの部会である「財政政策検討本部」です。 昨年12月の第1回会合では、「国債発行の意味すること(孫子の代にツケを残しているのか、返済不能になることはあるのか、国債とインフレの関係)」をテーマに、非MMT派の土居丈朗慶応大教授とMMT派の第一生命経済研究所の永濱利廣主席エコノミストを招いて開催されました。 第2回は、「貨幣と信用創造(貨幣とは何か、信用創造とは何か、日銀と国債の関係)」をテーマに、1月に開催されました。 毎月1回、開催予定ですから注目してください。 この部会では「積極財政派」が主流ですから、楽しみです。 しかし、財務省は、緊縮財政を続けたいのが本心です。 「プライマリーバランスの黒字化」を目指すことが、“省益”につながり、財務官僚の プライドを保てるからです。 そのわけは、下記「財政政策検討本部」部会長・西田昌司参議院議員の動画(14分)が答えてくれます。 「すべては財政法から始まる 今が財政政策の転換期 PB撤廃し正しい貨幣観を」 西田昌司×三橋貴明 MMT対談 西田昌司の政策議論「西田ビジョン」【週刊西田】 https://www.youtube.com/watch?v=einfOuHoTsw
補足
貴重な情報を有り難うございました。我々日本経済復活の会は20年前から日経新聞社と契約しNEEDS日本経済モデルを使って日本経済復活の方法を調べてきました。マクロ計量モデルを開発しノーベル経済学賞を受賞したローレンス・クライン教授を日本に招き『積極財政で財政が健全化する』というタイトルで2004年にシンポジウムも開きました。最近の計算は 『毎年120万円配れば日本が幸せになる』井上智洋、小野盛司(2021) 『ベーシックインカムで日本経済が蘇る』小野盛司。荒井潤、増山麗奈、山下元(2022) にまとめられています。こういった計算が正しいなら日本経済は積極財政により復活します。20年間NEEDSを使って計算し、公表してきましたが、このモデルによる計算は間違えているという指摘は全くありませんでした。クライン氏はこのモデルの開発でノーベル経済学賞を受賞したわけで、このモデルが間違えていることを証明できたらノーベル賞を受賞できるでしょう。日経NEEDS日本経済モデルを使って得られた結果は日本経済の将来にとって極めて重要なものと考えます。必要なら他のシンクタンクの保有する経済モデルで別途計算し、何が真実かを確かめるべきだと思います。これこそが積極財政が良いのか悪いのかという論争を最終的に決着させると思います。