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以下の文章(『悲劇とは何か』)についての質問
以下の文章(【本文】以下)についての質問にお答えいただけますでしょうか。 【質問】 1."悲劇的感覚的"とは何か。 2."このセールスマンは社会の巨大な力を把握するでもなく、他者と和解するでもなく"とあるが、このように強調しているのはなぜか。 【本文】 ミラーの論旨は、「悲劇的感覚は、個人の尊厳("personal dignity")を確保するためには死をも厭わない人間を前にしたとき、観客の内部に喚起される」というもので、かつては英雄、現代では「普通の人」もその主役になり得る、つまり悲劇は時代を超える、と言う。これはローマン(Loman = low man) と名づけられた平凡なセールスマンの悲劇の意義を説くために書かれたものだが、しかしながら、残念かつ不可解なことに、作者自身の主張とは裏腹に、このセールスマンは社会の巨大な力を把握するでもなく、他者と和解するでもなく、混濁した意識のまま幻覚を抱いて死ぬにすぎず、いささかの「尊厳」も感じさせない。この劇が時代を超えたとは言い難く、何より作品の与える素朴な印象として、ミラーの創作した「現代の悲劇」が過去の古典悲劇と同質なものであると認めることはとうていできない。
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