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リーマン面上の複素積分
複素関数論の勉強をしているのですが、 リーマン面上の複素積分がよくわかりません。 極座標表示(r,θ)で、 半直線θ=0 に沿った積分と、 半直線θ=2π に沿った積分は 別の値になるのでしょうか? ∫_c f(z) dz = -∫_(-c) f(z) dz という複素積分の性質と矛盾するように思えるのですが。 どなたか教えていただけるとうれしいです。
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リーマン面の切断線がθ=0にあるとし、最も簡単な f(z) = f(r,θ) = z^(1/2) = √r exp(iθ/2) で考えてみましょう。この関数は f(r,0) = √r f(r,2π) = -√r なのでθ=0の点とθ=2πを同一視するとうまく定義されません。しかし θ→2π-0 とした時 f(z)は滑らかに変化します。そこで2π≦θ<4π に相当する定義域の複素平面をもう一つ用意し、θが2πを超えた時はそちらに移り、4πを超えると再び元の複素平面に戻ってくると考えることにします。θ=0上で(x,y)=(1,0)から(2,0)まで積分すると ∫_c f(z) dz =∫[1~2]√x dx θ=2π上で(x,y)=(1,0)から(2,0)まで積分すると ∫_c f(z) dz =∫[1~2] -√x dx なのでこの二つは異なってきます。現在ではこのような「はさみと糊で作った」リーマン面は古典的なリーマン面と呼ばれているそうです。なおご質問の趣旨は同じ曲線上で同じ向きに積分しても被積分関数が異なるリーマン面上にあるときは積分は異なるのかということだと思われます。∫_c f(z) dz = -∫_(-c) f(z) dz は曲線上を反対の向きに線積分すると符号が替わるということを表しているので無関係ではないかと思います。
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- grothendieck
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(1,0)から出発して実軸の上側を通り(2,0)に到り、実軸の下側を通って(1,0)に戻ってくる積分路cを考えます。この曲線内で関数が正則であればコーシーの定理より ∫c f(z) dz =0 よって積分路を上と下側から実軸に近づけると ∫c1 f(z) dz +∫c2 f(z) dz = 0 ここでc1はθ=0 に沿って(1,0)→(2,0)の積分路、c2はθ=2πに沿って(2,0)→(1,0)の積分路を表します。しかし積分路内に極とか分岐点がある場合コーシーの定理が成り立たず、上の式が成り立たないということではないでしょうか。
お礼
なるほど、理解できました。 ありがとうございました!!!
補足
回答ありがとうございます。 前半部分についてはなんとなく理解できた気がします。 ∫_c f(z) dz = -∫_(-c) f(z) dz の話については、 θ=0 に沿って(1,0)→(2,0)まで積分したものと、 θ=2πに沿って(2,0)→(1,0)まで積分したものを 足したらゼロになるのではないかという疑問だったのですが、 これは、θ=0とθ=2πは別の曲線であるから、 非積分関数が異なってくるので、違う積分値になる、 よって足してもゼロにはならない、 ということで正しいですか? よろしくお願いします。