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イタリア語表現 la mia cara madre
- イタリア語の表現『la mia cara madre』について
- 他の言語で同じような冠詞と所有形容詞の両方が使われる言葉はあるか
- 異なる形容詞や地域によりイタリア語の表現が異なることもある
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実のところ、ポルトガル語、スペイン語、イタリア語、現代ギリシア語、みんな同じです。 性数変化もしますし、一般には所有形容詞と呼ばれます。つまり、文法的にはほぼ形容詞。 以下、細かい規則や微妙なニュアンスなどはすっ飛ばして、言えるかどうかだけ示します。 ・イタリア語 il mio libro 私の本 un suo cane 一匹の彼女の犬(one of her dogs) questi tuoi errori これらの君の誤り qualsiasi mio libro 私のどの本でも ogni vostra opinione あなたたちの全ての意見 形容詞の付いていない単数形の親族名詞だけが特殊なのであって、変な規則なのはたしかだが、たいしたことはない。 ・カタロニア語 el meu marit 私の夫(定冠詞+所有形容詞+名詞) una casa teva 君の一軒の家(不定冠詞+名詞+所有形容詞) aquell amic seu 彼のあの友人(指示形容詞+名詞+所有形容詞) ・ポルトガル語 o meu esconderijo 私の隠れ家(定冠詞+所有形容詞+名詞) uma mensagem tua 君のひとつのメッセージ(不定冠詞+名詞+所有形容詞) algumas notícias suas 何らかのあなたの近況 冠詞の有無とか、語順は面倒なので省略 ・フランス語 現代語では英語と全く同じ。 しかし中世の古仏語においては、二つの系統があった。その後の変化は面倒なので省略。 所有冠詞:ma dame, nostre seignor 所有形容詞:li miens amis, un suen chastel(彼のひとつの城) ・ルーマニア語 むちゃくちゃ面倒くさい。 まず、定冠詞は名詞の屈折というか、接尾辞。 代名詞も古仏語と同様に二系統ある。 所有冠詞alなんてものもある。 frate-miu (bother-my), fratele meu (brother-the my) a casă a mea/vecinului (a house of mine/the neighbor's) a cărui casă (whose house) ・ロシア語 そもそも冠詞がない。定冠詞も不定冠詞も。
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- lupin__X
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一つの文法的切り口を比較しても本質は見えません。 体系的に理解しないとですが、その一部も全体的な雰囲気もわからない方に 説明するのは土台無茶な話てですね。 スペイン語 Éste es un amigo mío. Según el parecer nuestro, ~ ノルウェー語 fødselsdagen min (私の誕生日) dag に定形語尾(定冠詞)-en がついて、さらに所有形容詞です。 (他の北欧語も同様ですが、細かい差異は省略します。) 以上の言語は、イタリア語も含めて、所有形容詞を前置も後置もできます。 英語の所有形容詞は、限定詞の意味合いが強く、イタリア語の所有形容詞は、 一般の形容詞に近い感覚でしょう。北欧語は、形容詞通常後置しませんから、 ノルウェー語の所有形容詞は特殊ですね。 ルーマニア語の定冠詞は、名詞語尾につけます。前に形容詞があるときは、 形容詞につけます。所有形容詞は、後置され、その名詞は、通常定冠詞語尾 つきです。 frate 兄(弟) fratele meu 私の兄(弟)[-le:定冠詞語尾] バルカン言語連合には、系統の異なる言語にもかかわらず、共通の 文法的特徴があります。その一つが定冠詞後置です。 スラブ語には、冠詞はないといわれますが、ブルガリア語・マケドニア語 には、この後置定冠詞があります。 (後置定冠詞は、バルカン言語と北欧語にあり、何かひっかかる。) https://ja.wikipedia.org/wiki/バルカン言語連合 マケドニア語には、定形語尾(定冠詞)が3種類あります。 книга - book (不定) книгата - the book (その)(中,不明) книгава - this book (この)(近) книгана - that book (あの)(遠) 所有形容詞と併用できます。 мојата книгата - my book (私の) ハンガリー語(インド・ヨーロッパ語族ではない)は、系統の近い トルコ語やフィンランド語と違って、定冠詞・不定冠詞があります。 könyv 本 a könyv その本(a,az(母音が続く形):定冠詞) a könyvem 私の本(-em:私の(所有語尾)) az én könyvem (én:(人称代名詞)私/所有の強調) a te könyved 君の本(te:(人称代名詞)君,-ed:君の(所有語尾)) ez a könyv この本(ez:(指示代名詞)これ(英:this)) ハンガリー語定冠詞は、所有語尾・人称代名詞・指示詞と共存します。 余談◇◇ハンガリー語は、目的語が定冠詞つき等限定されていると、 動詞が、定活用の人称変化をし、非限定では、不定活用します。 つまり、他動詞では、2種類の人称活用があります。 目的語の限定・非限定で、その名詞だけでなく構文に影響するのです。 文法とか、英語が標準と思いこむ人が多いですが、英語が特殊な事項 も多いですよ。mine(私のもの)とかも、英語では定冠詞がつきませんが、 フランス語やイタリア語では、定冠詞つきますよね。
お礼
lupin__Xさん 楽しいお話しを有り難うございました。私 リケロ(理系老人)も、数十年前に比較言語学/Vergleichende Sprachwissenschaft に手を出そうかと考えたことがありました。しかし生まれつき記憶力が悪く、研究効率が低いと自分で決めつけて止めてしまいました。 折に触れ、再度助けていただくこともあるでしょう。よろしく。 ==== 今回 書いていただいたことでは、所有形容詞と他の単語の融合、前置後置の問題などは門外漢も手を出せるトピックスと思いました。 ではまた!!、
- Nakay702
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「お礼コメント」を拝見しました。以下のとおりお答えします。 >言語史から見た解説をいただきましたが、ラテン語にはこの様な言い回しがありますか。自分で調べてから伺うべきですが、知識がないのでお願いする次第です。 >また昔のギリシャ語ではどうですか。 ⇒ラテン語でもギリシャ語でも、このような言い回しはなかったと思います。 そもそも、これら古典語の時代にはまだ「冠詞なるものはありませんでした」。(後の時代の、例えば、俗ラテン語の中で、「指示詞等から変化したり、派生したりして出来てきた」ものと思われます。) さらに、いわゆる所有を表わす仕組みも、名詞・代名詞の格変化で示されました。すなわち、その語の属格(genitive case)という曲用形によって「~の(もの)」という所有関係を表わしていたわけです。 それはともかく、2つの要素のうちの一方である冠詞がなかったのですから、当然、冠詞と指示詞の重複使用もあり得なかった、ということになります。 以上、再伸まで。
お礼
再度の投稿有り難うございます。しかも素早い反応で有り難いことです。 我ながら、愚問であったと反省しております。 それはともかく、真面目の勉強はしておりますので、 また助けていただければと存じます。
- Nakay702
- ベストアンサー率79% (10007/12518)
言語変化の過程で冠詞や所有詞を発達させてきたロマンス諸語(ラテン語の子孫)のうちから代表的なものを幾つか見ることにします。 ☆ イタリア語と同じように「冠詞+所有詞+名詞」の形が使われる言葉には、ポルトガル語があります:a minha mãe (=*the my mother), os meus amigos (=*the my friends)。英語の人称代名詞所有格 (my, your...) は、冠詞と併用することはありませんよね(*印をつけたのは「非文法的」という意味です)。これを基準すると、このイタリア語やポルトガル語などの語法は確かに「変な規則」に見えますね。 ☆ スペイン語では、言語史上、「所有形容詞完全形」(ほぼ英語の「独立所有格」に相当)を「縮約する」形で「所有形容詞短縮形」(ほぼ英語の「人称代名詞所有格」に相当)ができてきました。:mío, mía (=mine) → mi (=my)。 英語の所有格の場合とよく似ていて、この短縮した形の所有形容詞は冠詞と併用されることはありません。冠詞と併用する表現には完全形が用いられます:un amigo mío (=one of my boyfriends), una amiga mía (=one of my girlfriends)。 所有形容詞短縮形は、冠詞と同じようにもっぱら「名詞にかぶせて使う」ので冠詞形とも呼ばれ、完全形は「補語になったり名詞を修飾したりする」ので形容詞形とも呼ばれます:mi coche (=my car), este coche es mío. (=This car is mine.)。 ☆ フランス語の場合も、スペイン語と同じように2種類の所有形容詞があります。:mien, mienne (=mine) → mon, ma (=my)。使い方もよく似ていて、mien, mienneは冠詞と併用されることがありますが、mon, maにはありません。なお、語形が2つ書いてある場合、前が男性形、後ろが女性形(1つしか書いてない場合は男女共通形)です。 以上をまとめると、こうなります。 (1) 所有形容詞短縮形を発達させたフランス語やスペイン語の場合、その所有形容詞短縮形は冠詞と併用することはないが、完全形は冠詞と併用されることがある。その際、語順は、多くの場合「冠詞+名詞+所有詞」となる。 (2) 所有形容詞短縮形を持たないイタリア語やポルトガル語では、「冠詞+所有詞+名詞」という語法や語順が普通に見られる。すなわち、これらの言語では、1種類の所有形容詞だけで、所有形容詞短縮形(人称代名詞所有格)の機能と、所有形容詞完全形(独立所有格)の機能を兼ねているのである。
お礼
Nakay702さん お礼欄を使って、もう一つ伺います。 言語史から見た解説をいただきましたが、ラテン語にはこの様な言い回しがありますか。自分で調べてから伺うべきですが、知識がないのでお願いする次第です。 また昔のギリシャ語ではどうですか。
補足
Nakay702さん 有り難うございます。 言語史から見た解説をいただきました、大変感謝しております。教えていただいたこと、直ちに裏付けを取り、確認をしてからお礼を書くのが礼儀でしょうが、私には知識も、資料も不足しているので、まずは感謝申し上げます。 その間にイタリアやのサイトなどものぞいて、イタリア人の中でも議論があることを知りました。イタリア語での問答は、理解が大変ですが、英語での問答もあり、参考になりました。 この話題、まだまだ楽しめそうです。今後ともよろしく。
お礼
Biolinguistさん お礼欄を使って、もう一つ伺います。 古仏語の解説をいただきましたが、ラテン語にはこの様な言い回しがありますか。自分で調べてから伺うべきですが、知識がないのでお願いする次第です。 また昔のギリシャ語ではどうですか。
補足
Biolinguistさん 有り難うございます。 見事なお答えでした。多言語の文法比較をこの小さな枠で質問し、答えるのは不可能です。それでも、欲しい知識、確認を十分にいただきました。 望外の知識は昔のフランス語に関するコメントでした。 Biolinguistで検索し、過去に於ける投稿も拝見いたしました。 日本語の言葉遣いなどのご意見。「ら抜き言葉」「可能動詞」なども面白く拝見いたしました。(泳げるなどの言葉は江戸時代にはなかったそうですね。) ロシア語には冠詞がない。うっかり質問に入れた方が馬鹿でした。 今後ともよろしく。沢山有益なお話が聞けそうです。 リケロ(理系老人)より。 また何かコメントするためにお礼の欄は空けておきます。