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複素関数論における等角写像と工学問題
複素関数論のテキストの後方の25%ぐらいのところまで来ると、等角写像が出てきます。このあたりは現実的な工学的問題と関連が出てきます。近年の計算機時代のものと異なり、古典的なアプローチであり、効果は限定的にはなると思いますが。 工学問題はモノの形状をできるだけ正確に表現できるというところがポイントなので、航空機の翼型などを表現するのに使えるようなのです。しかし、複素関数論の本を読んでも航空力学関係の本を見ても以下のような疑問があります。 1.複素関数論では、複素数の空間の間での写像変換の式が正則であれば、変換前後で座標の交差角が変わらない、との説明があるが、それがどのように役立つのか見えにくいです。 2.航空力学ではその写像変換を複数回繰り返して解が求まる空間を求めて解を得る という風に読めます。シュワルツクリスフォッフェル変換ということになっていくようですが。 そこで疑問なのですが、工学として自分が対象としている複雑形状に対してどのような写像変換をしていけば解に到達できるのかの説明がないように思えます。航空力学の方ではなぜ、そのような変換を行って何を目指そうとしたのかが分からないので本を読んでも理論を鑑賞するだけになってしまってしまい、自分の問題に応用することができません。冒頭にも書いたように最近はこのような研究アプローチも少ないので大方の関心は少ないと思いますが、この理論を自由に自分の問題に応用するにはどうしたらいいのでしょうか。工学問題では数学的な厳密性がある程度犠牲になっても近似的にでも解が求まるという面はあり、と思っています。よろしくお願いします。
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- BASKETMM
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1.本をよんで分からないときに、この様なネット上の質疑応答で、解決得られることはないでしょう。ここで得られるのは、ヒントだけです。 2.【最近はこのような研究アプローチも少ないので大方の関心は少ないと思います】と書いておられます。今世界中がエネルギーを節約するため、努力しています。航空機の省エネルギー対策。コンプレッサー、タービン、ポンプなどの効率改善。どの国も、研究所も、メーカーも、大学も必死です。 3.具体的なヒント:(あなたのご住所しだいで動けないかも知れませんが。) a.翼型は色々ありますが、有名なのは、アメリカ航空諮問委員会National Advisory Committee for Aeronautics、NACAが開発した翼型。公開されています。ネット検索で分かります。 b.研究論文は、各メーカー、大学、の論文集を探せばよいでしょう。機械学会や航空学会の図書室で、論文集をあさり、論文の後に附いている参考文献を調べることです。 c.検索サイトで有効な方法は、【画像】を検索することです。翼型、翼列、円形翼列などをキーワードにして、やってご覧なさい。私が言う対象にイメージがわきます。 d.本は、理学部系の本のみではなく、工学部系の本もよいですよ。例えば流体力学コロナ社。 e.外国の研究所、大学なども、問い合わせれば親切です。 f.全く異なるヒント;使うのは等角写像ですね。流れを解いたとき、角度は変わらないのです。従って、翼型に対する入口角、出口角などは変えなくてよいのです。翼列のピッチ、アスベクト比などもそのまま流用出来るかなと想像します。 g.たまたま見つけた講座:都立大学よりhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/tsj1973/5/10/5_10_614/_pdf 思いついたことをとりとめなく書きました。 ご健闘を祈ります。
- BASKETMM
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No.1 です。校正中の答がに間違って、送られてしましました。削除して下さい。以下が正しい答です。(文末に不要な数行が入っています。) ==== 一つ例を挙げます。 1.XY平面の流体の流れを考えます。具体的には軸流ポンプを等心円で筒型に切った面を考えて下さい。そこには、羽の二次元断面が見えますね。 2.この翼型/翼列をどのように設計すれば効率が上がるか、理論で考え空洞で試験を行います。時間もお金も掛かります。 3.次に遠心型ポンプを考えます。こちらでは、軸に垂直な平面で層状に切った面を考えます。流れはこの面を放射状に流れます。 4.この面でも翼型を設計しなければなりません。ここに、第二点の結果を利用できないでしょうか。 5.コーシーリーマン方程式は、座標系が xy から rθ に変わります。(軸流から遠心流に変わります。)翼型は解けた解の境界条件です。 6.第二点で実験をして軸流のポンプで効率のよい翼型は分かっています。 7.最後に軸流時の翼型を同じ解析関数を用いて遠心流の翼型に変換してやれば、よいのです。もう一度お金を掛けて、実験をする必要はありません。 8.勿論、実際の流れは純粋な二次元ではありませんし、流体は圧縮性を持ち、粘性も持ちます。従ってこの方法は近似的です。しかしこの方法かなり有効ですよ。コンピュータの速度が上がった現代において、方程式の数値解法はより正確な解を与えるかも知れません。しかし上記の方法は、ずっと見通しのよい方法です。
お礼
懇篤な回答ありがとうございます。実際の作業を考えてみたいのですが、ポンプの翼型の形状データ(境界条件)はどのように設定されるでしょうか。おそらくxy平面での座標値の集合体だろうと思いますが。それを平行移動して回転すると、計算空間上のどこにでも配置することができます。そのあと、計算領域上にあるそれらの障害物(翼型)の周りで流れがどのようになるかを調べるということになると思います。そのとき、具体的にどのようにして解を求めていくのでしょうか。実験した結果を変換していろんなパターンの解を構成していくと読めたのですが。複素関数論、ポテンシャル理論、等角写像等、解析関数を駆使してですが。それが個別具体の自分の問題に応用できる力になると思います。 私はこれができる人はかなりエライと思っています。コンピュータが無くても複雑な形状に対する結果を得ることができるからです(コンピュータによって知恵が変質した?)。複雑形状に対応する計算方法は有限要素法だと思いますが、それを使わないでやれるということですから。
- BASKETMM
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一つ例を挙げます。 1.XY平面の流体の流れを考えます。具体的には軸流ポンプを等心円で筒型に切った面を考えて下さい。そこには、羽の二次元断面が見えますね。 2.この翼型/翼列をどのように設計すれば効率が上がるか、理論で考え空洞で試験を行います。時間もお金も掛かります。 3.次に遠心型ポンプを考えます。こちらでは、軸に垂直な平面で層状に切った面を考えます。流れはこの面を放射状に流れます。 4.この面でも翼型を設計しなければなりません。ここに、第二点の結果を利用できないでしょうか。 5.コーシーリーマン方程式は、座標系が xy から rθ に変わります。(軸流から遠心流に変わります。)翼型は解けた解の境界条件です。 6.第二点で実験をして軸流のポンプで効率のよい翼型は分かっています。 7.最後に軸流時の翼型を同じ解析関数を用いて遠心流の翼型に変換してやれば、よいのです。もう一度お金を掛けて、実験をする必要はありません。 8.勿論、実際の流れは二次元ではありませんし、流体は圧縮性を持ち、粘性も持ちます。従ってこの方法は近似的です。しかしこの方法かなり有効ですよ。コンピュータの速度が上がった現代において、方程式の数値解法はより正確な解を与えるかも知れません。しかし上記の方法は、ずっと見通しのよい方法です。 6.実際には、どのような翼型が効率がよいかを決めなくてはなりません。式を解かなくても w = e^z
お礼
回答ありがとうございました。 等角写像によるアプローチはコンピュータ時代以前のものであることやポテンシャル理論を仮定しているため、効能が限定的だと思っていました。最適階(最大効率)ということになると、まさにしのぎを削る争いで必死だろうと思います。それは将棋でいうなら1人の勝者を選ぶプロのトーナメント戦のようなものであり、私の質問はそういうレベルではありません。将棋のルールのようなものです。ルールブックを読めばよい、ということにはなりますが、そういうことになっている本を読んでもそういうことになっていないように見えるのです。等角写像を何回も繰り返すのはなぜか、何を目指してそうしているのか、ということに集約されるのです。複雑な形状を最もシンプルな形状に射影してポテンシャルを求め、それを現実の複雑な流れ場に反映するということなのだろうとは思っているのですが。ではどうやったらポテンシャルが簡単に求まる形状になるのだろうか?という疑問が残ります。認識が間違っているでしょうか。