- ベストアンサー
なぜ火付け盗賊が絶滅してしまったのか
ニュースで聞いたことがないです。 金を奪った後に火をつけてから逃亡するタイプの盗賊団が明治大正昭和と完全に絶滅してしまったのはなぜですか? ガソリンをまいたら着火の有無に関係なく被害者や警備員の動きを限定できて有利な感じが素人目にはするんですが実戦では放火はドロボー大作戦の中であんまり機能しないんですか? 犯罪氏に詳しい方がいたら教えてください。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
江戸時代はすべての建造物が木材で、しかも民家はつながっていたのです。 ですから消防は、消火ではなく破壊消防といいました。 竜吐水と名付けられたポンプはありましたが、燃え上がる火を消し止めるパワーはなく、それよりも次々に燃え広がるのを抑止するのが重要だった。 したがって、火の手が上がっている建物の、ここまでは焼けると諦める場所を判断し、その場所との間の建物を破壊してしまうのです。 そうすると、薪にあたるものがそこに途切れるので、火は止まる、という、これが破壊消防です。 火消だの臥煙だのといわれる、命知らずの若い衆が屋根の上にのぼってやっているのは破壊行動なんです。消火ではありません。 さて、こういうシステムだということであれば、火をつけたら、それが燃え上がるとともに建物はこわされ、いわばきっちり鍵をかけていない場所が増えると言うことになります。そこに入りこんだら泥棒は楽に警備を潜り抜けることになります。もちろん、土蔵みたいなのはどうしようもないけれど、商店なんかの場合、現金を用意している帳場とかその部屋に収納する隠し金庫みたいなのがあるわけです。 そのため、火つけ盗賊という集団がペイする事業としてやる人間がいたわけです。当然ひとりでやると体力が持ちませんから集団になります。 江戸時代は、火つけがわかると刑罰は火あぶりです。そのため、その火あぶりになる役の若い衆を一人用意し、当人にはそれを悟らせないようにして飼っておくということもしたのです。暴力団と同じですね。 明治以後これはかなりむつかしい。 まず防火防犯の設備が格段の進歩をし、放火と窃盗がセットにならない。そもそも建物が必ずしも木と紙だけでできているわけではない。 そして、何人もでかかってやるとしたら百万ぐらいの窃盗では意味なく、数億はやらないといけないけど、そもそもそんな額を現金として持っているところも少ないわけです。 美空ひばり御殿の縁の下なんて、話題になるくらい珍しかったわけです。 それに火をつけたら、現金ぐるみ丸焼けになります。そして消防署は、放水で消火に勤め、破壊なんかしませんから、現金なんかは水ぴたしになり、持ち運ぶのも困難です。 やっぱり、火つけ強盗はもうペイしないんです。 警備員を装って現金輸送車を確保するほうがまだしも強盗のしがいがあるという時代になってしまったのです。
その他の回答 (3)
- hekiyu
- ベストアンサー率32% (7193/21843)
盗賊「団」ではありませんが、強盗放火殺人てのは ありますよ。 団は見当たりませんね。 武富士弘前支店強盗殺人・放火事件(2001年) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E5%BC%98%E5%89%8D%E6%94%AF%E5%BA%97%E5%BC%B7%E7%9B%97%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E3%83%BB%E6%94%BE%E7%81%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6 マブチモーター社長宅殺人放火事件(2002年) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%96%E3%83%81%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%A4%BE%E9%95%B7%E5%AE%85%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E6%94%BE%E7%81%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6
日本では、人を殺して盗むのは畜生働きって言って、盗賊の中でも最下層でした。 日本の盗賊には美学があり、石川五衛門や、ネズミ小僧、怪盗20面相、怪盗ジャンヌ、快盗天使ツインエンジェル等、歌舞伎や浄瑠璃、能や舞台、小説等の題材になったりしてます。 そこにあるのは、如何にスマートに盗むかであり、仁義とは何かであります。 義を重んずれば義賊となり、逆に軽んずれば盗賊仲間でも爪弾きにされます。 日本は職人気質の国であり、盗賊にもそういった、効率のみではない美学の文化が根付いているものと思われます。 (当時、人を殺して盗む盗賊は文化の違う朝鮮人が圧倒的に多く、蔑みの対象でした。) ===追加=== 人の死が身近ではない日本で、そのような惨たらしい事件を起こせば、警察も総動員で捜査に乗り出すでしょう。 地域住民も積極的に協力するでしょう。 結果、生き残れません。 日本は農工民族であり、地元にコミュニティを作って生活します。 そのなかに紛れ込むには、ほどほどにする、という精神が重要なのですよ。
今は、そんな事しても、防犯カメラなどの映像が残って居ます。 窃盗よりもはるかに、放火の方が罪が重いんですよ。 人がいるとわかっている建物に火をつければ、無期懲役か死刑しかありません。 窃盗のために、それ以上に思い罰を受ける犯罪を犯すんですか?
お礼
ありがとうございます 日本の伝統が消えた背景がよく分かりました 何か盗賊に美学があったわけではなくて単に損得なんですね