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微分と変分の学び方について

微分という操作は、極限操作によって定義されているわけですが、一方でsinの微分がcosというように機械的、あるいは辞書引き的に覚えているということで微分を知っていると考えている人も多いと思います。sinの微分を知らない人を見て驚いたりしているわけですが、そこは2つの意味があって微分の定義の沿ってすぐ誘導できる、ということと、それくらい覚えているということだと思います。そして誰がやっても1つの結果にしかならないということですね。 では変分はどうなるでしょうか。変分では関数を独立変数と考えて関数の関数(汎関数)としてその意味での微分をとることであり、その値がゼロということにいろんな物理的意味を見出しているということがあると思います。変分法は複雑な物理現象を理解するための指導原理という面があって効用が高いのですが、それを冒頭で示した微分の暗記のように理解していくことは可能なのでしょうか。変分法の本を読んでいると”○○○のように考える”という風に近似とか解釈風に書いてあるところがあり、やる人によって結果が違ってくるのかな?と何となく足元がもつれる感じになります。そのような感じ方は事実とは異なるはずですが、私にはそういう風に見えてしまうのです。だから変分法は取り扱いが難しい、間違える可能性がありそれに気がつかないまま先に進んでしまうかもしれない、と思ってしまいます。変分法も微分法ぐらいのゆるぎない理解の仕方が可能なものでしょうか。 抽象的かつ長文ですみませんが、よろしくお願いします。

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  • ddtddtddt
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回答No.1

 こういう風に書くと本職の方々からお叱りを受けそうですが・・・。 >微分という操作は、極限操作によって定義されているわけですが、一方でsinの微分がcosというように機械的、あるいは辞書引き的に覚えているということで微分を知っていると考えている人も多いと思います。  これはその通りなんですが、微分の本質はそこにはありません。まず微分係数の定義に戻ります(添付図の1行目)。微分係数の定義式で、非常に微小か無限小のhをdxと書く事にします(1行目後半)。さらに移項します(2行目の最初)。この変形にはじつは目的があって、2行目後半の関数方程式と比較するという目的です。  f(x+h)=f(x)+ahを、任意のhで満たす連続関数が、y=axである事はすぐ示せます。つまり微分とは、局所xにおける一次関数化の事です。それはf(x0+dx)=f(x0)+(df/dx)dxで、dx=x-x0とおいてやれば、f(x)=f(x0)+(df/dx)(x-x0)となる事から明らかですよね?。じっさいこれは、x=x0における接線の方程式です。  以上の話を数学では、もっと穏当な理詰めの論理で行いますが、正式には2行目前半の形式を微分と呼びます。(df/dx)dxも関数fの微分と呼ばれます。  変分計算も基本は同じです。いま時間t(時間でなくてもOK(^^))の関数v(t)とx(t)があり、v=dx/dtだったとして、vとxが関数f(v,x)を作ってるものとします(3行目)。関数vとxを、微小にδv,δxだけずらします(3行目最左辺)。この意味は、微小だけれどv(t)やx(t)とは「別の関数δv(t),δx(t)」を「勝手に(任意に)」加えるという事です。  ここでさっきの話を思い出すと、dxが微小であれば、2行目はいつでも成り立つのでした。だったら3行目中辺だよね?・・・と(^^;)。3行目最右辺は、   (∂f/∂v)δv+(∂f/∂x)δx=δf と「定義する」という意味に過ぎません。もちろんδfを関数fの変分と呼びますが、本当はdvやdxを使ったって良かったんですよ。δを使うのは、「ずらす相手は関数だよ」という事を強調したいがために始まった慣習です。  で変分は、4行目冒頭のような定積分の中でふつう使われます。定義に従うと4行目の最右辺の前まで来ます。4行目最右辺で、δv=d/dt(δx)におきかわっているのは、v=dx/dtなんだから、   v+δv=d/dt(x+δx)=dx/dt+d/dt(δx)=v+d/dt(δx) となるべきだから「当然じゃん!」という理屈です(^^;)。  次に4行目最右辺の1項目を部分積分します。その目的は、δvをδxに化かしたいからです。そのその真の目的は、最後に述べる定理を使いたいがためです。  5行目の部分積分項は、積分区間の端では「境界条件を守る」という条件を大概つけるために普通は0になります。何故ならそれは、積分区間端ではx+δxがxに一致するという事なので、t=t0,t1ではδx=0という条件と同等だからです。さらに「変分結果は0になる」が、これまた普通の条件になります。結局、5行目の「∫dt」の部分が0になれば良い訳です。  さて、任意に微小な関数δx(t)を、どうやって作るかを考えてみます。任意に勝手に連続関数g(t)を一個持ってきて、それにこれまた任意に微小な定数εをかけてやりゃいいんじゃないの?。・・・が、最も簡単なやり方です(^^)。  それで5行目の「∫dt」のδxをεg(t)にすると、6行目の前半になりますが、εはtに関して定数で、右辺0でした。なので、εで両辺を割れば6行目後半になります。6行目後半のカッコ内を取れ出せばオイラー・ラグランジュ方程式ですが、それをやるために、次の定理を使います。  [定理]   任意の連続関数g(t)と連続関数f(t)について定積分 ∫f(t)g(t)dt=0である条件は、f(t)=0.  証明します。g(t)は任意なので、g(t)=f(t)の場合がある。この時、∫f(t)^2 dt=0が成り立つためにはf(t)=0が必要(非負の連続関数の面積は、必ず0以上だから(^^;))。逆にf(t)=0なら、∫f(t)g(t)dt=0 は明らか。  よって6行目後半のカッコ内が取りだされ、めだたく「d/dt(∂f/∂v)-∂f/∂x=0」が得られます。もちろん細かい話をすれば、δx(t1)=δx(t2)=0なので、g(t)は完全に任意にはできませんが、両端でf(t)に一致するような「任意の」連続関数の中に、f(t)自身が含まれるのは明らかです。  先の定理は、じつは50年くらい前「変分学の基本定理」と呼ばれていました。ところが一見不可能なくらいに難しい定理に見えて、「非負の連続関数の面積は必ず0以上」さえ認めておけば、こっぱずかしいくらいに簡単に証明できてしまうからなのか、最近はこの定理を語ってくれる先生を見た事がありません(本にも載ってないし(^^;))。  そういう訳で、学生は惑います・・・(^^;)。

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