ある3元の代数系で 0^0=1 とすることについて
体と言われる代数系においては、0に逆元0^-1はありません。
従って、0^0=0^-1*0^1=1 とはされていません。
逆に言えば、体でなければ、0に逆元が存在し、0^0=1 とすることができるだろうと予想されます。
この質問では、以前の質問の回答を踏まえて、3元で考えます。
http://okwave.jp/qa/q7989312.html
次のような代数系を定義します。
-- ここから --
集合X = {0, 1, Z} とする。
加法を次のように定義する。
0+0=0, 0+1=1, 0+Z=Z
1+0=1, 1+1=0, 1+Z=Z
Z+0=Z, Z+1=Z, Z+Z=Z
乗法を次のように定義する。
0*0=0, 0*1=0, 0*Z=1
1*0=0, 1*1=1, 1*Z=Z
Z*0=1, Z*1=Z, Z*Z=Z
この代数系では、体での基本法則は以下のようになる。
・加法において、交換法則と結合法則は成立する。
・加法単位元は0で、Z以外は逆元 -0=0, -1=1 が存在する。
・乗法において、交換法則は成立する。
・乗法において、Zを除いた0, 1で結合法則は成立する。
・乗法単位元は1で、逆元 1/0=Z, 1/1=1, 1/Z=0 が存在する。
・Zを除いた0, 1で分配法則は成立する。
・0≠1。
つまり、Zを除けば、この代数系は体になる。
-- ここまで --
この代数系で、べき乗を定義します。
べき乗:a^1=a, a^(n+1)=a^n*a より
0^1=0, 0^2=0, 0^3=0, …
1^1=1, 1^2=1, 1^3=1, …
Z^1=Z, Z^2=Z, Z^3=Z, …
さらに a^-1=1/a, a^-n=(a^-1)^n より
0^-1=Z, 0^-2=Z, 0^-3=Z, …
1^-1=1, 1^-2=1, 1^-3=1, …
Z^-1=0, Z^-2=0, Z^-3=0, …
そして a^0=a^-1*a より
0^0=1
1^0=1
Z^0=1
となります。
以上の結果から、次のことが分かります。
加法の単位元を0で表し、乗法の単位元を1で表すとき、0^0=1となる。
…という例が存在する。
つまり、体に0の逆元を添加し、分配法則が成立しない代数系では、0^0=1となることがある。
ここまでの計算とこの結論は妥当ですか?
お礼
なるほど! 単位元も移っていくというのがポイントなんですね 的確な解説ありがとうございます。