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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:誘導モーターの始動時の電流が大きくなるメカニズム)

誘導モーターの始動時の電流が大きくなるメカニズム

このQ&Aのポイント
  • 誘導モーターの始動時の電流が大きくなる理由とメカニズムについて教えてください。
  • 始動時の電流が大きくなる理由は、回転子が回転していないため逆起電力が発生しないためと、回転子コイルにインダクタンスがあるためです。
  • 始動時のトルクが小さくなる理由についても詳しく説明してください。

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  • foobar
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回答No.8

#7補足に関して。 d軸、q軸は空間的な軸です。 電動機の軸が垂直になるようにおきます。d軸の正の向きが南のとき、q軸の正の向きが東になります。 (たぶん、正弦波をかけたときに、時間的な位相差と空間上での角度が対応している、というところが引っかかっているのではないかと思います。) で、dqはxyのように直交する軸なので、これをd+jqのように便宜上複素数の直交座標に対応させると、表記と計算が簡便になるので、使っています。もちろん、d軸、q軸について式を作って、連立させて計算させてもOKです。 固定子電流の増加は、回転子電流が作る磁界の誘導によるものです。 以前の回答では、「固定子の鎖交磁束を電圧で決まる値に保つために、固定子に電流が流れる(1)」という説明をしています。 が、見方を変えると、「回転子の電流が作る磁界による誘導電圧が固定子側に誘起される。この誘導電圧で固定子の電流が増える(2)。」と見ることもできます。 数式で書いてみると、(1)は、Φ1=L1I1+MI2=電圧で決まる一定の磁束、という見方です。 これを時間で微分すると dΦ1/dt=L1dI1/dt+MdI2/dt からdI1/dt=(1/L1)dΦ1/dt-(1/L1) M dI2/dt になります。 右辺第一項は、電源電圧で決まっていて、第二項が回転子電流の誘導電圧分です。これが(2)の見方です。

zefy0201
質問者

お礼

お返事遅くなってしまい申し訳ございません。 なるほど、d軸q軸は空間的な軸で、複素数のjは位相的な軸を表しているのですね。すっきりしました。 電流の増加についても、参考書に、電源から電流が流入すると書かれていたため、それに少々ひっかかっていましたが、式を見て納得しました。 私の物わかりが悪く、長くなってしまいましたが それでも最後まで、丁寧に、私に分かり易いように噛み砕いて説明していただきありがとうございました。 おかげさまで、人に説明できるくらいには理解できました。 ベストアンサーとさせていただきます。ありがとうございました。

その他の回答 (7)

  • foobar
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回答No.7

#1でも書きましたが、誘導機の状態をどう捉えるかは複数の方法があります。 #6との関連で、dq座標での回路方程式を使って静止状態の誘導機の状況を考えて見ます。 #6の説明では、すべりが小さい領域での説明をするために、漏れインダクタンスを0の近似を置いています。すべりの大きな停止時の状況を見るには、この仮定は適切でないので、漏れインダクタンスを考慮した計算(Φ1≠Φ2)をすることにします。(固定子巻き線抵抗は0とします。これまで考慮すると、固定子側での磁束と電圧の対応が複雑になるので。) 一次磁束の関係は、前回と同じく Φ1d=L1 I1d+M I2d = V1/ω1 ...1, Φ1q=L1 I1q+M I2q=0 ...2 で、これが拘束条件になっています。 次に回転子の電圧方程式は、 E2q+r2 I2q = s ω1 Φ2d+r2 i2q = s ω1 (M I1d +L2 I2d)+r2 i2q =s ω1M I1d +s ω1L2 I2d +r2 i2q = 0, ...5, E2d+r2 I2d =-s ω1 Φ2q + r2 I2d =-s ω1 Φ1q + r2 I2d =s ω1 MI1q+s ω1 L2 I2q+r2 I2d=0 ...6 で、これだとちょっと見通しが悪いので、複素数表記(I1=I1d+j I1q, I2=I2d+jI2q)を使います。 すると jsω1M I1+jsω1L2I2+r2I2=0 になり、sω1L2>>r2なら、r2を無視できることになります。 (#3で書いた、sω1L2とr2の大小関係が領域AとBを決める大きな要因になっているのと整合します。) すると、5,6は s ω1M I1d +s ω1L2 I2d = 0 ...5' s ω1 MI1q+s ω1 L2 I2q =0 ...6' 2の条件から、i1q,i2q=0 となり、二次電流の磁束に直交する成分は0になり、また、6'は回転子に鎖交する磁束Φ2=0を意味していて回転子には磁束は進入しません。実際には、回転子巻き線の抵抗があるので、若干のi2qは流れます(I2qとI2dの比はr2/sωL2になる)が、固定子の磁束の大半が後述するように回転子を迂回して、回転子と鎖交する磁束が小さくなるため(i2qを小さくする効果と、I2qが作る磁界によるトルクが小さくなる効果の相乗)トルクは非常に小さいものになります。 I2dはとなると、5'からI2d=-M I1d/L2 になり、これと1式から、 (L1-M^2/(L1L2))I1d=V1/ω1となって、I1dが通常の励磁電流(V1/(ω1l1))より極めて大きくなります。(漏れインダクタンス成分(漏れ磁束に対応)だけに電流が流れる状態で、#1のBで書いた、「回転子に磁束が進入せず、周囲を迂回して磁束が通る」に対応)します。) また、この状況はトランスで二時巻き線を短絡したときに一次に大電流が流れるのと、同様な状況になっています。 すべりが小さくなってくると、r2の効果が強くなり、I2qが増加して、回転子電流の作る直交磁界成分が増加、同時に回転子への磁束進入を打ち消すI2dが減少して、漏れ磁束(一次磁束のうち、トルクに寄与しない成分)が減る効果で、トルクは上昇します。 元の質問に戻って、始動時の電流がなぜ大きくなるか、という点については、 ・電気回路的に考えると(#6,7で扱ったように回路の電圧方程式で扱う)と「始動時には回転子巻き線に誘導する電圧、sω1Φが大きく、回転子電流が大で、回転子電流から固定子に誘導する電流が大きくなる」という事になるでしょうし、 ・磁束の振る舞いで見ると、「すべりが大きいときには、(上で書いたように、回転子電流が固定子電流の磁束を打ち消し、)回転子内に磁束が進入できなくなる。結果、固定子の鎖交磁束(固定子電圧の条件から一定)は漏れ磁束だけで支える必要があり、励磁電流が大きくなる(漏れインダクタンスは全インダクタンスの数%程度)、 という見方になるでしょう。 次に、静止時のトルクが低い理由については、 ・電気回路的に考えると、回転子電流i2は大きいが、磁束Φdに直交する電流成分i2qが小さいため ・磁気的には、回転子の作る磁界が固定子の作る磁界と直交しない という具合になるかと思います。

zefy0201
質問者

補足

回答ありがとうございます。 式の展開はできるのですが、dq座標の意味するところが理解できていないため(例えば、IdとIqはそれぞれ90°位相が違うことを表しているのに、計算時にはどうしてjをつけるのか等)、書籍を購入し勉強することにします。 始動電流が流れる原因としては、 固定子に誘導する電流が大きくなるということですが、この時、固定子側の入力電圧は高くなったりはするのでしょうか?

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回答No.6

磁束と電流、電圧にかんして説明を書き直してみました。 直交する磁束などを含めて、正確に表現するために、dq座標系を導入します。 (dq座標は誘導機のベクトル制御などで使われる代物ですが、これを持ってくるのが一番楽そうな気がしますので。詳細は、「誘導機」「ベクトル制御」「dq座標」あたりのキーワードで検索して頂くか、オーム社などから出ている電動機制御の教科書を見て頂きたく思います。) まず、dq座標について簡単に説明します。 dq座標というのは、同期速度(磁束の回転速度)で回転する直交座標系、この座標でみると正弦波の三相電圧や電流が直流量に見える、という特徴があります。さらにdq座標上の電圧をV=vd+jvqとおくことで、複素ベクトルで一括表記できるというメリットもあります。) また、定常交流分の微積分はdq軸間をまたがる掛け算になります。例えば誘導電圧 v=dψ/dtは Ψ=ψd+jψq=Ψ0exp(jωt)とするとV=jωΨ0exp(jωt)となり、Vq=ωΨd、Vd=-ωΨqと、ω倍して別の軸の量になります。(複素ベクトルで微分がjω倍するのと同様です。) 話を簡単にするため、以下では回転子と固定子の漏れ磁束はない(漏れインダクタンスは0)、固定し巻き線の抵抗r1=0とします。また、固定子、回転子の巻き数は1とします。(式を簡単に書くために。) 一次巻き線に加える電圧V1はq軸成分V1qだけ(Vd=0)とします。固定子巻き線の磁束(=鎖交磁束)Φ1は、V1q=ω1Φ1d、V1d=-ω1Φ1qから、Φ1d=V1q/ω1、Φ1q=0となります。(これが#5で、固定子に鎖交磁束の直交成分が固定子電圧の制約で0、の部分です。) また、漏れ磁束を0としたので、回転子を鎖交する磁束Φ2と固定子を鎖交する磁束Φ1は一致します。あと、固定子と回転子の自己インダクタンスをL1,L2、相互インダクタンスをMとします。 これで、準備ができました。この状態でAの状況を見てみます。 まず、磁束の関係は、 Φ1d=L1 I1d+M I2d = V1q/ω1 ...1, Φ1q=L1 I1q+M I2q=0 ...2 で、これが拘束条件になっています。 次に回転子の電圧方程式は、 E2q+r2 I2q = s ω1 Φ2d+r2 i2q = s ω1 Φ1d+r2 i2q = 0, ...3, E2d+r2 I2d =-s ω1 Φ2q + r2 I2d =-s ω1 Φ1q + r2 I2d=0 ...4 ですが、Φ2d=Φ1d、Φ2q=Φ1q=0なので、E2d=0,I2d=0になります。 すると、上の式で、Φ1d=L1 I1d = V1q/ω1になり、磁束は固定子のd軸電流I1dでできていることになります。(このI1d=V1q/(ω1L)が励磁電流。) またI2(=I2q=-sω1Φ1d/r2)の作る磁界L2 I2qと固定子の作る磁束Φ1dは直交(回転子電流の作る磁界成分はq軸、固定子励磁電流の作る磁束はd軸)していて、これがトルクの元になり、トルクはすべりに比例します。 ところが、2式にあるように、Φ2q全体(=Φ1q)は0になる必要があって、そうなるように固定子にI1q=-MI2q/L1が流れます。このI1q(励磁電流と90度位相が異なり、一次電圧と同相)が誘導電動機のトルクに応じた電流成分になります。 なお、ここで使ったモデル(漏れ磁束、固定子巻き線抵抗が0)は回転子が静止しているときの検討には適していない点は留意する必要があります。(漏れインダクタンスや固定子の抵抗が電流を制限する要素として大きな影響を持っているのですが、これらを0としているので。)

zefy0201
質問者

補足

回答ありがとうございます。 お返事遅くなってしまい申し訳ないです。 dq座標は初めて知りました。 調べて見ましたが、分かり易く解説しているサイトが見つからず理解は完全ではありませんが、foobarさんの式展開を実際にやってみる中で、なんとなく理解はできました。 この展開から、一次電流に励磁電流とトルク電流の成分が含まれていること、またその位相関係が数学的にわかるのですね。 最初の質問に戻ると、 励磁電流 I1d=V1q/(ω1L)は一定であるので I2q=-sω1Φ1d/r2,I1q=-MI2q/L1 より 始動時(s=1)の時は、トルク電流Iq1が大きくなるため始動電流が大きくなるということですね。 始動トルクに関しては… A領域とB領域に関してdq座標からどう解釈すればいいのでしょうか。 それと、#5の補足にも書いたのですが 始動電流はどういう仕組みで増加するのでしょうか。 1. 一次側抵抗成分が減るから? 2. 一次入力電圧が増加しているから? ご回答宜しくお願い致します。

  • foobar
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回答No.5

#4補足に関して。 トルクの発生、BからAへの遷移はそれで良いかと思います。 「回答に『回転子を通過している(鎖交している)磁束』とありますが、それは、固定子側が作る磁束から回転子によって生成される固定子側とは逆向きの磁束を引いた(合成した)磁束のことを言っているのですよね? この磁束は、始動時のように回転子側の磁束を打ち消すように電源から電流が流れて一定にはならないのですかね?」 これは、Aの状態で、ですね。 (回転子から見ると、固定子の作る磁束は大きさが一定で、方向が時間とともに変わってゆく(すべり角周波数 s ω1で回転している)ように見えます。きちんと書き表すには、この空間的な角度変化まで含めて、巻線を直交する二巻き線に分けて考える必要がでてきます。 その部分は、ちょっと割愛します。) 回転子巻線を通過する磁束ψ2は、固定子(の励磁電流)が作る成分ψ21と回転子電流i2の作る成分 ψ22の和になります。 Aの領域では、ψ21とψ22は90度の位相差があります。 ここで、固定子に誘導する電圧を考えると、v=dψ1/dt の関係があり、電圧に対応した磁束になっている必要があります。ところがi2が固定子の作る磁束に対して直交成分を作ってしまうため、そのままでは固定子の電圧と磁束の関係がくずれます。このため、固定子巻線にはこの直交成分を相殺する 電流がながれて、最終的にはi2が作る直交する磁束は固定子の電流変化分で打ち消されています。結果、回転子を通過する磁束でも、i2による成分は相殺されてしまって、固定子の励磁電流が作る磁束(最初に考えていた磁束)だけが残ることになります。(ここでの説明では、話を簡単にするために、もれインダクタンスの作る磁束は十分小さいとしています。) この「i2が作る磁束を相殺する、固定子の電流成分」が電動機固定子のトルク成分電流に対応します。(磁束と作っている成分が励磁電流。)

zefy0201
質問者

補足

回答ありがとうございます。 何度も回答を読ませていただいて考えてみたのですが、ちょっと理解が追い付きませんでした。 今、Aの領域を考えた時に、磁束には 固定子の作る磁束   φ21 回転子の作る磁束   φ22(φ21に対し位相が90°ずれている) 回転子を通過する磁束 φ2 = φ21 + φ22 の3つがあるんですよね。ここまでは、わかります。 しかし、 『固定子に誘導する電圧を考えると、v=dψ1/dt の関係があり、電圧に対応した磁束になっている必要があります。ところがi2が固定子の作る磁束に対して直交成分を作ってしまうため、そのままでは固定子の電圧と磁束の関係がくずれます。このため、固定子巻線にはこの直交成分を相殺する』 の部分がわかりません。 v=dψ1/dtのψ1は、上記3つとはまた別の磁束ではなく、ここでいうφ21のことですよね? 回答にある、『磁束と電圧の関係が崩れる』という部分ですが、これは、端子電圧と周波数を一定とした時に、固定子側が発生する磁束φ21は一定(V=dφ21/dt)にならなければならないのに、φ22の磁束によって減少し、等式が成り立たない、という意味なのですか? だとしたら今、φ21とφ22の位相は90°ずれ、直交しているから、φ22はφ21の磁束を打ち消さないと思うのです。 意味を取り違えてましたらすみません。 また、加えて質問させてください。 φ22を打ち消すための電流はどこから発生するのでしょうか? オームの法則から、電流が変化するには抵抗が小さくなるか電圧が大きくなるかしているはずですよね。 私の理解では、電圧が大きくなったと解釈しています。 φ22によってφ21が減少するのでそれを増加させようとして入力電圧(固定子側にかける電圧)と同じ向きの誘導電圧が発生し、それで全体的な電圧が増加し電流が増加する。あってますでしょうか? でもこれだと、φ21の磁束が大きくなると、今度はφ22が打ち消され、それを強めようと2次側の磁束φ22がまた大きくなり…と延々と繰り返されるような気がするのですが…。頭がこんがらがってきてしまいました。 ご教授宜しくお願い致します。

  • foobar
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回答No.4

#3補足に関連して。 #2で「すべりが0に近いところ(r2>>sω1L2)のA」と「すべりが1に近いところ(r2<<sω1L2)のB」(ただし、r2:回転子抵抗、L2:回転子のインダクタンス、 ω1:電源周波数、sすべり)に分けて、説明しましたが、「じゃあ、その境はどの辺だ?」ということになります。停動トルク(最大トルク)になるすべりsmが概ねこの境になります。(正確には、smを境に切り替わっているわけではなくて、BからAに徐々に変わっていってゆくのですが、定性的には、smを境にして、それよりすべりが小さければAの状態、おおきければBの状態と考えて良いかと思います。) すべりがsmより小さいところでは、#2のAの状況になっていて、この時に回転子に誘導する電圧e2はe2=sω1Φ2(Φ2は固定子が作る磁束のうち、回転子を通過している(鎖交している)磁束)になり、すべりに比例します。結果、回転子電流i2とこれが作る磁界(固定子が作る磁界と直交)もすべりに比例し、トルクもすべりに比例します。

zefy0201
質問者

補足

回答ありがとうございます。 なるほど。おおよそ、停動トルクを境にしてBからAの状態に遷移しているのですね。 停止状態のすべりが1から始まって停動トルクまでは、二次側の誘導電圧の周波数が高い。従って、インダクタンスの影響が大きくなり回転子側が発生する磁束は固定子側の磁束と反対の方向を向く(位相が180°ずれる)。そのためトルクはとても小さくなる。この状態からすべりを小さくすると、二次側周波数が小さくなるのに伴いインダクタスの影響が小さくなり、回転子側の磁束と固定子側の磁束の位相差が小さくなって(位相差が90°付近に近づく)トルクが大きくなっていく。 停動トルクを超えると、Aの状態になる。この状態では回転子側と固定子側の磁束の位相差がほぼ90°となるため、トルクが発生する。トルクはすべりに比例するため、このA領域ではすべりが小さくになるにつれトルクは減少していく。 私の理解はあっていますかね? それと、確認なのですが 回答に『回転子を通過している(鎖交している)磁束』とありますが、それは、固定子側が作る磁束から回転子によって生成される固定子側とは逆向きの磁束を引いた(合成した)磁束のことを言っているのですよね? この磁束は、始動時のように回転子側の磁束を打ち消すように電源から電流が流れて一定にはならないのですかね? 何度も質問してすみません。 しかし、せっかくご親切に教えていただいたからには、私も最後まで完全に理解したいと思っております。 ご回答宜しくお願い致します。

  • foobar
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回答No.3

#2お礼に関して。 1.二次電流 i2と二次電流が作る磁束ψ2(正式には鎖交磁束) の間には、ψ2=L*i2の比例関係が成立していて、電流と磁束は位相差がありません。(細かいことを言うと、鉄心があるばあいには、若干の位相差が出るのですが、割愛します。) 2.すべりが1近いときのベクトルの向きは、#2お礼欄で書かれているとおりです。 (符号について言及するのが(符号も含めて言及するには、電圧や電流の正の向きを定める必要があって)少々厄介だったので、#2では符号(向き)はとりあえず置いておいて、直角か並行(同じ向き、もしくは逆向き)だけについて言及しています。(と言い訳をさせてください。)

zefy0201
質問者

補足

迅速丁寧な回答ありがとうございます! すごく勉強になりました。 専門家の方なのですかね。非常にわかりやすく教えて頂いたので、自分の中でも消化することができました。ありがとうございました。 しかし、このことを踏まえて誘導モーターのすべり-トルク特性を見ていてはたまた疑問が浮上しました。 特性グラフでは、すべりが大きな領域では、foobarさんから教えて頂いた通り、すべりが小さくなると位相差によりトルクは上昇しているのですが、停動トルク以降はすべりが小さくなるにつれトルクは低下しています。 この理由について、もしお分かりでしたら教えて頂きたいです。 宜しくお願い致します。

  • foobar
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回答No.2

まず、トルクに関係する回転子電流の位相について。 回転子に誘導する電圧はv=dψ/dtから磁束に対して位相が90度ずれます。 A. すべりが0に近いところでは、誘導電圧の周波数が低く、回転子はほぼ抵抗だけの回路に見え、結果二時電流は電圧と同位相で、磁束に対して90度の位相差があり、回転子電流の作る磁界は固定子が作る磁束に対しても90度の位相差があります。時間的に90度の位相差がある、というのは回転磁界で考えると、空間的に磁界の方向が90度ずれていることに対応していて、この90度ずれた磁界がトルク生成に寄与しています。(磁束中に90度の角度で磁石を入れると、回転力が作用する、というイメージでよいかと思います。) B. すべりが大きくて、回転子の誘導電圧の周波数が高いと、回転子の回路はインダクタンスのため、電流は電圧から90度の遅れとなり、回転子電流の作る磁界は固定子の作る磁界と同じ方向になります。この場合にはトルクは発生しません。(正確には、抵抗がある分だけ、電流の位相遅れが90度より小さくなり、角度ずれがある分だけ、トルクが発生します。) 次に、Bの場合に磁束がどうなっているかというのを見ると、回転子電流は固定子の磁束を打ち消す磁界を発生していて、固定子の作る磁束は回転子内に入ることができません。(巨視的には回転子が反磁性になっている。)結果、固定子の作る磁束は回転子の表面(ギャップの狭い部分)を通過する経路を作ります。磁束の経路が回転子鉄心を通過せず細長い経路をとる、ということは、同じ磁束をつくるための磁束密度が大きくなる必要がある、同じ磁束密度だとしても透磁率の小さい空間を長く磁束がとおる必要があり、必要な起磁力が大きくなります。磁束に対して必要な起磁力が大きい=磁気抵抗が高い、です。 (静止時の電流に関しては、二次回路を短絡した変圧器と同じ状況、という説明も良くされます。現象は同じで、どう説明するか、の違いではありますが。)

zefy0201
質問者

お礼

再度、親切にご回答いただきありがとうございます。 非常に勉強になります。 なるほど、位相を考えればよかったのですね! なんとなくイメージが掴めそうなのですが、まだ一つピンときてません。 A.すべり0の低周波数では、コイルはほぼ抵抗とみなせるので、二次電流と二次電圧の位相は等しくなる。 ここまではわかります。 しかし、『回転子電流の作る磁界は固定子が作る磁束に対しても90度の位相差がある』の部分がわかりません。 位相の方向を図にすると →φ1 ↑v2 ↑i2 ↑φ2 [φ1:1次側磁束,v2:2次電圧,i2:2次電流,φ2:2次側磁束] ということですよね?磁束によって発生する電圧の位相は90°傾くのに、2次電流とそれによって発生する磁束は同位相なのですか?その理由がわかりません。 B.『回転子電流の作る磁界は固定子の作る磁界と同じ方向になります』とありますが、下の図のように、回転子と固定子の作る磁界は反対にはならないのでしょうか? →φ1, ↑v1, ←i1, ←φ2 始動電流が大きくなる理由はなるほど、納得できました! すべりが大きい状態では、回転側が発生する磁束の向きが固定子側と反対を向くため、1次側の磁束が減少するんですね。それで、2次側の磁束を打ち消すために(電圧と周波数が一定ならば磁束は一定値となる?)1次側の電源から電流が流入し、結果始動電流が大きくなるということですよね。 大変わかりやすく教えていただきありがとうございます。 後もう少しで理解できそうです。 勉強不足で申し訳ありません。再度回答いただけるとありがたいです。 宜しくお願い致します。

  • foobar
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回答No.1

複数の見方ができますが、そのうち簡単そうなのを。 回転子が静止しているので、回転子には電源周波数の回転磁界がかかります。 回転子の電気的な時定数が回転磁界の周期より長いため、磁束は回転子内には進入できず、回転子の周囲(狭い空間)を迂回します。(磁気抵抗が高い状況。) 固定子には印可電圧に相当する磁束が必要ですが、磁気抵抗が大きいため、大きな励磁電流が必要です。(大電流の原因。) この説明で、磁束が進入できない、というのが回転子のインダクタンスと関連しています。 トルクに関しては、以下の説明になるかと思います。 誘導機でトルクが発生している状況は、回転子電流の作る磁界と固定子の作る磁束が直交している。 回転子が静止状態で、回転子に誘導する電圧の周波数が高い場合、回転子のインダクタンスにより電流の位相が送れて、固定子の作る磁束と同じ方向の磁界になるので、トルクが発生しない。

zefy0201
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 始動電流のメカニズムについてですが、すみません 電気抵抗や時定数について調べては見たのですが 『回転子の電気的な時定数が回転磁界の周期より長いため、磁束は回転子内には進入できず、回転子の周囲(狭い空間)を迂回します。(磁気抵抗が高い状況。)』 の部分が理解できません。時定数が回転磁界の周期より長いとどうして磁気抵抗が高い状況になるのでしょうか。 トルクの発生に関してですが 静止状態では、すべりが1のため、固定子側と回転子側の電圧の周波数は等しくなると思います。また、回転子側にも固定子側にもコイルがあるため、双方共に位相が遅れるため磁束を打消しあうことはないのかなぁと思います。トルクも、始動時は低いだけで完全に0になるわけではないので…検討外れなことを言ってたらすみません。 理解力が及ばす、恐れ多いのですが疑問点について再度ご教授いただきたく思います。 よろしくお願い致します。