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線形代数の問題・・・・・・・だと思います。
はじめまして数学の問題で、 Aが実対象行列ですべての固有値が異なる時、Pは直行行列であることをしめせ という問題があるのですが、証明の仕方がわからないので、教えていただきたいです。よろしくお願いしますm(_ _)m
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問題文ですが,漢字変換ミスも含めて正確には 「nを自然数とする.n次正方行列Aが実対称行列であるとき,Aの固有値がすべて異なるならば,Aは直交行列Pで対角化できることを示せ.」 だと思います.線形代数の有名事実なのでどんな本にも載っていると思いますが,簡潔には以下のようになります. まず,以下の話はすべて実ベクトル空間でできるので,行列の成分や固有値などはすべて実数です. (☆)A^T=Aa_{ij}=a_{ji} です.一般に,Aの固有値は重複度を含めてn個あります.それらを a_1,a_2,・・・,a_n とします.またa_kに属する固有ベクトルをx_kとします.x_iとAx_jの内積を計算します. <x_i,Ax_j>=x_i^TAx_j=x_i^Ta_jx_j=a_j(x_i^Tx_j)=a_j<x_i,x_j> さて☆より,これは <x_i,A^Tx_j>=x_i^TA^Tx_j=(Ax_i)^Tx_j=(a_ix_i)^Tx_j=a_ix_i^Tx_j=a_i<x_i,x_j> ともかけます.よって a_j<x_i,x_j>=a_i<x_i,x_j> (a_j-a_i)<x_i,x_j>=0 もし,固有値がすべて異なるなら,i≠jならa_i≠a_jだから<x_i,x_j>=0,すなわち (★)i≠j⇒<x_i,x_j>=0 この事実を行列を使って表現しましょう.x_jを第j列ベクトルとする行列 P=(x_1 x_2 ・・・ x_n) を考えます.この(i,j)成分をx_{ij}とかくと, x_j=(x_{1j} x_{2j} ・・・ x_{nj})^T となります.したがって直交条件★は i≠j⇒Σ_{k=1}^nx_{ki}x_{kj}=0 となります.固有ベクトルの大きさをすべて1にしておきます: <x_i,x_i>=Σ_{k=1}^nx_{ki}x_{ki}=1 すると次の等式が成り立ちます. Σ_{k=1}^nx_{ki}x_{kj}=δ_{ij} δ_{ij}はi=jのとき1でi≠jのとき0,いわゆるクロネッカーのデルタで単位行列の(i,j)成分です.また左辺は直交行列Pの転置P^TとPの行列積の(i,j)成分になっています.つまり, P^TP=E が成り立つことを示しています.これが★の行列表現です.このことからPは正則でP^{-1}=P^T,すなわち,行列Pは直交行列であることが分かりました. さて,このPによってAが対角化されることは次のようにしてわかります. AP=A(x_1 x_2 ・・・ x_n) =(Ax_1 Ax_2 ・・・ Ax_n) =(a_1x_1 a_2x_2 ・・・ a_nx_n) =PΛ ここにΛの(i,j)成分はa_iδ_{ij}となります.つまり,Λは対角線に左上からa_1,a_2,・・・,a_nが並ぶ対角行列です.なぜなら, (AP)_{ij}=Σ_{k=1}^na_{ik}x_{kj}=a_jx_{ij}(∵Ax_j=a_jx_j) (PΛ)_{ij}=Σ_{k=1}^nx_{ik}a_kδ_{kj}=x_{ij}a_j となるからです.こうして両辺にP^{-1}=P^Tをかけると P^TAP=Λ となり,Aは直交行列Pにより対角化されました. ※なお,この定理は固有値に同じものがあっても成り立ちます.証明はその方がややこしいですけど.
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- alice_44
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あー、書いちゃったか。 A と P の関係を質問者自身が確認、整理 することが大切だと思ったんだがな。 P が「直交行列」だというのは、(P^t)P=E であることを指すが、 No.2 の方法で証明することができるのは (P^t)P が対角行列であることまで。 それもそのはず、 (P^-1)AP が対角行列になるような P は A から一意には決まらなくて、 (P^t)P=E になるような P を採ることも できる…という話でしかないから。 そこを含めて、そもそも P とは何なのか を理解する必要があるのだ思う。 固有値が重複する場合の話はなおさらで、 重複した固有値があると、 (P^-1)AP が対角行列だというだけでは、 P の列ベクトルが直交するとは限らなくなる。 その場合も、直交行列であるような P を 採用することもできる…という話になる。 だから、ちゃんと勉強しようよ。 これを機会に、線型写像による固有空間分解 まで、一通り成書を読んどくことを勧める。
お礼
すみません もう一度一通り教科書、参考書を詳しく確認してみたいと思います。 ご回答ありがとうございましたm(_ _)m
- alice_44
- ベストアンサー率44% (2109/4759)
とりあえず、その A と P がどういう関係なのか 自分の言葉で記述することからかな。 問題文に解らない箇所があれば、それを調べて、 問題そのものを、自力でキチンと説明してみよう。 その作業が、一番のポイント。 題意が理解できれば、ほぼ自明な証明だから。
お礼
回答していただきありがとうございます。 とてもわかりやすかったです。 もう一度、参考書の確認をしなおしたいと思います。