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史記に登場する劉邦が退治した大蛇について

史記に登場する劉邦が退治した大蛇の件について質問です。 劉邦が大蛇を切って退治しますが、その時にお婆さんが泣きながら『せがれは白帝の子で大蛇に化けて道をふさいでいたら、赤帝の子が現われ切り殺されたのじゃ、それが悲しうて…』というシーンがあります。 この時の赤帝の子はのちに漢王になる劉邦のことを指していますが、白帝の子は誰を指しているのでしょうか? 秦王の子嬰は、白い喪服を着て劉邦に降伏してくるので、白帝の子とは子嬰をさすのでしょうか? 解られる方はご回答のほど宜しくお願い致します。

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  • fumkum
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回答No.1

陰陽五行思想によって秦帝国は金徳による帝国とされ、そのため漢は金を溶かす火徳によって秦を滅ぼし、帝国を築いたとされます。逆に、五行思想から漢は火を表す色の赤の旗を用いたとされています。ちなみに金(こん)は白であらわされますので、白帝とは秦帝国を比喩したものです。つまり、漢=火徳の赤=劉邦が、秦=金徳の白を滅ぼすことを暗示した物語です。なお、秦王の子嬰の白い喪服を着て、羊を引いているのは降伏の作法です。 なお、蛇足ですが日本では天武天皇が陰陽五行思想に精通し、また、漢・劉邦の故事にならい、壬申の乱の時に自軍の旗の色を赤にしています。 陰陽五行思想(特に五行相克の項目) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B0%E9%99%BD%E4%BA%94%E8%A1%8C%E6%80%9D%E6%83%B3 五行思想(五行の表の中の王朝に注意。宋以降しか乗っていませんが王朝には五行説による五行の対応があります) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E8%A1%8C%E6%80%9D%E6%83%B3 以上、参考まで。

wasi50
質問者

お礼

陰陽五行思想での秦は金で、漢は火というのは面白いですね。 白帝は秦帝国のことを比喩したものですか。 丁寧に有難うございました。

その他の回答 (1)

  • 0_asuka
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回答No.2

劉邦が大蛇を切り、何者かが「大蛇は白帝の子で、殺したのは赤帝の子だ」という内容のことを言ったという逸話は史記の「高祖本記」に書かれているのが有名ですが、史記の「封禅書」にも同じような記述があります。 その「封禅書」には、秦王朝が襄公の頃から白帝を祭っていたという記述があり、それには白帝は上帝の仮の姿だと説明する逸話が含まれています。 中国で上帝というと、信仰の対象として祭られる「神」のようなものであって、特定の人物ではありません。 (「白帝」という名は、五行思想で西の色は白なので、西を司る者としてつけられたのでしょう) それらを踏まえると、高祖本記などに出てくる「白帝の子」が特定の人物を指すと考えられるのかは疑問といえるでしょう。 強いて言えば、秦王朝の命運といったところでしょうか。 参考:中国古典選20 史記三(朝日文庫)

参考URL:
http://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98/%E5%8D%B7028
wasi50
質問者

お礼

ご回答有難うございます。 白帝の子が、必ずしも人を指しているわけではなかったのですね。 秦王朝のことですか。