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スターリングエンジンの原理を使っている生物は
いるでしょうか。鯨の仲間で頭の中にある脂肪の温度を変えて潜水するものがいるそうですが、こういう行動はスターリングエンジンの原理とは無関係でしょうか。
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そのクジラとは、マッコウクジラです。 イルカを含むクジラ目の多くは、頭部の中にメロン(メロン体)という脂肪組織を持ちます。 例えば、バンドウイルカなどは、拡散するクリック音を、前方へ集約し音波の指向性レンズとして用いていると考えられますが、マッコウクジラの場合は、浮力のコントロールに使っているようです。 マッコウクジラのメロンは、体温では液体で比重が小さくなり、海水温では固化し比重が大きくなります。 (比重 = 単位体積当たりの重さと比較媒体との重さの比。この場合は々体積の海水との重さの比。) この性質により、深海へ潜行するときは、海水を鼻から吸い込んでメロンを固化させ比重を増やし、浮上するときはメロンを体温で溶かして比重を小さくして、浮力の変化を得ています。 これにより、マッコウクジラは、他のクジラ類と比較して、急速潜行、急速浮上の能力を備えています、というか、メロンの比重で潜行や浮上をしているので、よく、頭を真下や真上に近い角度で潜行・浮上している姿が見られます。 詳しいことは存じませんが、マッコウクジラの特徴的な太い頭部は、大量のメロンが仕込まれているからなんでしょうかね?。 従って、マッコウクジラは、潜行・浮上の際には、せいぜい海水を吸入したり排出したりする以外、殆どエネルギーは使っていない、ということになります。 つまり、メロンの固化・溶融による比重の変化、という、可逆的反応の性質を応用していて、固化は溶解への、溶解は固化への、それぞれの反応への足掛かりにはなっていません。 また、浮力には、重力が欠かせない要素となります。 これに対し、スターリングエンジンは、シリンダー部の片側を加熱して温度の「偏り」を作り、これにより、ピストン部の加熱と冷却を交互にかつ連続して行うことで運動エネルギーを得ます。 ここで使われている物理的な力は、熱膨張による圧力です。 そして、加熱されていない側のシリンダーによりピストンが冷やされるのは、空中への放熱という、一方的な方向へ熱が逃げているためです。 つまり、シリンダー部の片側が「常に加熱されていないと」、シリンダーも動かないため反動も得られず、全く動かないのです。 加熱するためのエネルギーは、途中、いったん運動エネルギーに変換されても、最終的に全て熱エネルギーに変換され空間へ散逸してしまう、不可逆的反応です。 所謂、熱力学第二法則に則った反応であり、全エネルギーが外気と平衡状態となって実質的に失われます。 この、熱力学的平衡状態へ向かう事を、エントロピーの増大、とも表現します。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%8A%9B%E5%AD%A6%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E6%B3%95%E5%89% また、スターリングエンジンは、ISSの中でも動くため、重力が動作原理に関わっていない運動機関です。 このように、マッコウクジラとスターリングエンジンとは、動作原理が根本的に異なりますので、無関係と思われます。 確かに、浮力による浮沈は、スターリングエンジンの摂動と似てなくもないですね。 最初、同じかもしれない、と迷いました。なかなか、興味深いご質問で、楽しかったです。
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- foomufoomu
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どこまで同じなら、関係ある、といえるか・・・ですね。 どちらも、物質の、温度による体積変化を利用している点では同じですが、それ以外はほとんど共通点はないような気がします。
お礼
早速のご回答ありがとうございました。もう少し勉強してみます。
お礼
詳しくご説明いただいたお話をこれからの勉強の糧にさせていただきます。どうもありがとうございました。