- ベストアンサー
RNAiについて教えて下さい。
生物学、分子生物学に詳しい方、教えて下さい。 RNAiは、センチュウ, コクヌストモドキ, ナミテントウ, ワモンゴキブリ, コオロギ, シロアリ, 酵母, イネ, シロイヌナズナ, タバコというような生物で確認されていると、wikipediaに記載されてあったのですが、ヒトでは、確認されてなかったり、起こらないのでしょうか? ヒトでは、レトロトランスポゾンの発現を抑えつける機構として、RNAiが働くと聞いたことが有るのですが、これはRNAiの機構によるものなのでしょうか? ヒトにおけるRNAiの機構に詳しい方是非とも、教えて下さい。よろしくお願い致します。
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
まず、一言。 私のコメントを含めて、ネット情報を元に知識をつけるのはよくありません。 特に、wikipediaは何が根拠か、どこまでが本当かわからないものです。 ネットはあくまで参考程度にして、きちんとした文献、教科書を調べることをお勧めします。 さて、質問のことですが、 この質問には少なくとも、「用語の定義の問題」、「どの生物で見られている現象なのかという問題」 が、微妙に絡んでいると思います。 まず、「用語の定義の問題」ですが、 下記の文献によると http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14749716 The RNA interference (RNAi) machinery is used by eukaryotes to inhibit gene expression by sequence-specific cleavage of messenger RNA (mRNA) or translational repression. らしいので、含める人もいるみたいです。 (浅学のため、含めていいか私は断定はできません) siRNAとmiRNAによる違いですが、 Two classes of proteins are central to RNAi: members of the PAZ PIWI domain (PPD) and Dicer families. PPD proteins are required at the effector stages of RNAi and in some cases for maturation of miRNAs. PPDタンパク質はin some cases for maturation of miRNAsで必要とされるというところが ミソなのかもしれません。あとは詳しい方に任せます。 次に、「どの生物で見られている現象なのかという問題」ですが、 >センチュウ, コクヌストモドキ, ナミテントウ, ワモンゴキブリ, コオロギ, シロアリ, 酵母, イネ, シロイヌナズナ, タバコというような生物で確認されていると 前述とおり、wikiはなんのことを言っているのかよくわからないときがあります。 ここで確認されていることが、 内在性siRNAによるRNAiが起こるのか 外来性siRNAによるRNAiが起こるのか 内在性miRNAによるRNAiが起こるのか これらの何を言っているのかわかりません(注1)。 なので、 >ヒトでは、確認されてなかったり、起こらないのでしょうか? 少なくとも3つのうち何のこと?ってことになります。 ただ、少なくとも、下記の文献に依ると(古いので新しいのを調べる必要ありですが)、 http://genesdev.cshlp.org/content/17/4/438 Very little, however, is known about the intrinsic biological role of RNAi in mammalian systems; indeed, no endogenous siRNAs have been identified in mammals. Nevertheless, transfection of mammalian cells with exogenous siRNAs has rapidly been adopted as a technology for targeted gene silencing. ヒトでは内在性にsiRNAは発現していないようです。 >ヒトでは、レトロトランスポゾンの発現を抑えつける機構として、RNAiが働くと聞いたことが有るのですが、 これが正しい情報かということを調べる必要があると思います。 これがヒトにRNAiががある根拠になるかわかりません。 結論としては(注1)の状態であるので、 ヒトに「どの機構によるRNAi」があるのか無いのか これをきちんと調べる必要があると思います。 少なくとも、内在性siRNAによるRNAiは無いようです(2003年現在) 詳細については私は語れません。 参考までに。
その他の回答 (5)
下の回答の一部に誤りがあるので、なるべくご自分で調べた方がよろしいでしょう。 (以下、調べずに記憶で書いているので不正確な点があるかもしれません) ヒトの場合、Ago1,2,3,4の4種類のAgoタンパクがあり、siRNA, miRNA区別なく、それぞれRISCを形成することになっているはずです。ハエとは少し仕組みが違うことに注意してください。 どのAgoに入っても抑制効果はありますが、切断活性があるのはAgo2のみです。 また切断されるには切断部位周辺が完全にマッチしていないといけません。 ヒトの細胞の中ではsiもmiも基本的には同じように働くと考えてよいでしょう。 siはパーフェクトマッチに設計するので切れるだけです。 ヒトでも内在性のsiRNAはあるという報告もされています。 これとは別にpiRNAというもう少し長いRNAを使う系も別にあります。 RNAiの定義はよくわからないところもあるので、RNAi machineryがあるという言い方をしたりします。
お礼
ご回答いただきありがとうございました。 知らない事が、たくさんあり、勉強になりました。自身でも、もう少し調べてみます。また、ご回答いただけると幸いです。
- otx
- ベストアンサー率44% (256/576)
すみません、コピペを間違っていました。 The RNA interference (RNAi) machinery is used by eukaryotes to inhibit gene expression by sequence-specific cleavage of messenger RNA (mRNA) or translational repression. The specificity of these processes is dependent on 21–22-nt small interfering RNAs (siRNAs) or microRNAs (miRNAs) produced from doublestranded (ds) RNAs or hairpin precursors, respectively. です。
お礼
訂正のご連絡どうもありがとうございます。 また、よろしくお願い致します。
- hiddenleaf
- ベストアンサー率63% (42/66)
RNAiとsiRNAのご理解はそれで良いと思います。素晴らしい。 miRNAとsiRNAによる遺伝子発現の違いですが、以下の点で異なります。 1.質問者様の文中にもでてきたアルゴノートタンパク(Ago)。 どっちがどっちか忘れちゃいましたが、AgoにはAgo1とAgo2が存在し、それぞれsiRNAまたはmiRNAと結合します。 2、遺伝子発現抑制機構 siRNAはmRNAをズタズタに分解し、さらにその切断されたmRNAがsiRNAとして機能するといった、非常に強い遺伝子発現抑制効果がみられます。これは植物のウィルス等への防御機構といった面で機能していることから、非常に強力なのでしょう。 一方、miRNAはmRNAの分解は基本的に誘導しません。mRNAからタンパク合成を行う際に、mRNAのしっぽにポリAというものが伸びるのですが、これの伸長を阻害したり、場合によっては切断したりするだけです。mRNAそのものの分解までは行いません。miRNAは生体内での遺伝子発現を調整するのに機能していますので、siRNAほど強力だと逆に都合が悪いのでしょう。
お礼
ご回答、ご教授、ありがとうございます。 非常にわかりやすい説明で、勉強させていただきました。 自身でも、もう少し、調べてみたいと思います。貴重な情報ありがとうございました。
- hiddenleaf
- ベストアンサー率63% (42/66)
RNAiとsiRNAの違いはご理解されているでしょうか。 RNAiを誘導する物質のことをsiRNAと呼びます。 ヒトにおいては、siRNAの発現はありませんが、RNAiの機構は備わっています。 だからヒトの細胞にsiRNAを入れてやるとRNAiが誘導されます。 不思議ですね。なんでかは僕もわかりません。 ヒトにsiRNAは発現してませんが、似たようなモノでmiRNAというものが発現しています。 ただしこれは似ているだけで、遺伝子発現を抑制する機構は厳密には異なります。
お礼
ご回答ありがとうございます。 回答者様がおっしゃった、RNAiとsiRNAの違いなのですが、siRNAは、dsRNAの分解産物であり、ヒトなどの動物細胞では、センス鎖の一部が転写されたりすることもあり、こうした場合、相補鎖と、部分的なdsRNA(約25塩基程度)が生じることがあるというふうに把握しております。 また、RNAiはsiRNAの一方の鎖が、RISCに結合し、この複合体が、siRNAの相補的な配列を持つmRNAに結合し、RISCの持つRNase活性によって、mRNAが分解される機構であると把握しております。 回答者様がおっしゃた不思議という内容なのですが、これは、ヒトの細胞にsiRNAを入れると、RISCが結合し、同様な現象が起きているのではないのでしょうか? miRNAは、アルゴノートタンパク質をリクルートし、このアルゴノートタンパク質のRNaseによって、mRNAが分解されるという機構があるかと思うのですが、これは、RNAiに含めないものなのでしょうか? レトロトランスポゾンの発現の抑え込みの機構もそうなのですが、RNAiに含めないのか疑問に感じております。 ご存知であれば、教えて下さい。よろしくお願い致します。
- otx
- ベストアンサー率44% (256/576)
そのwikipediaのページには、哺乳類の細胞でRNAiが確認されているということを 示した論文(Nature 2001年)があげてあります。 また、この様な参考文献も結構あります。 手始めに見てはいかがでしょうか? http://www.takara-bio.co.jp/rnai/pdf/kikou.pdf
お礼
ご回答いただきありがとうございます。 miRNAによるRNAiと類似したmRNAの分解機構も、RNAiと呼んでよいのでしょうか? よろしくお願い致します。
お礼
ご回答ありがとうございます。 おっしゃる通り、ネットでの情報は、参考程度にすべきですね。再認識致しました。 非常に、わかりやすい説明ありがとうございます。回答者様の正直な見解も付けていただいており、非常に感謝しております。 また、ご回答いただけると幸いです。お時間を割いて、誠意あるご回答どうもありがとうございます。