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ハイパワードマネーと、現金と日銀当座預金

ハイパワードマネーは、現金と日銀当座預金の合計ということなのですが、なぜ日銀当座預金だけでなく、現金を追加するのでしょうか? またこれは、通貨管理制度でも、金本位制でも、同様にいえることなのでしょうか? お金がまだ流通していない状態から、日銀が市中にお金を流していく状況をいろいろ考えてみたのですが、現金と日銀当座預金の合計という形に、どうもなりません。 (信用創造などはわかります。) とても基本的なことだと思うのですが、教えてください。 よろしくお願い致します。

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回答No.1

■回答 大学で経営、診断士受験で経済を勉強、コンサルティングファームで会計コンサルをしている者です。 ハイパワードマネーとは一言でいうと日銀が発行しているお金のことです。 それを計算式にすると、現金(市場に流通しているお金)+日銀当座預金(市場に流通していないお金)になります。 ■補足説明(例) 以下は自作ゲームに置き換えた例です。 人生ゲームのチープ版くらいに思ってください。 以下で役割を持たせてお金の貸し借りゲームを行います。  ・Aさん:紙を切って物理的にお金を作る  ・Bさん:Aさんの作ったお金を借りて自由に使うことができる  ・Cさん/Dさん:Aさん以外からお金を借りて自由に使うことができる 以下が進行例です。 1.Aさんは紙をハサミで切って1万円紙幣を5枚作ります。 2.BさんはAさんから1万円紙幣を3枚借り入れます。 3.CさんはBさんから1万円紙幣を2枚借り入れます。 4.DさんはCさんから1万円紙幣を1枚借り入れます。 そうすると以下のような状態になります。  ・Aさん:2万円保有している  ・Bさん:1万円保有している(資産としての貸付金2万円)  ・Cさん:1万円保有している(資産としての貸付金1万円)  ・Dさん:1万円保有している これを現実世界にすると、、、Aさんは日銀、Bさんは金融機関、C/Dさんは民間企業のようなイメージです。 この場合、市場に流通しているお金はB/C/Dさんが物理的に保有する合計3万円となります。 現金(市場に流通しているお金)は、B/C/Dさんの保有している合計3万円、 日銀当座預金(市場に流通していないお金)は、Aさんの保有している2万円になります。 ハイパワードマネーは3+2=5万円です。 この計算で算出した数字は、Aさんが紙を切って作った5万円と同額です。 つまり、Aさんが紙を切って作った5万円を計算するがために、変な式を使うわけです。 マネーサプライの概念はご理解のことと思いますが、上記例でいう貸付金まで全て合計した額で8万円です。 ハイパワードマネーから5万円なので、信用創造で3万円増えています。 既にご存知と思いますが、ハイパワードマネーは信用創造の元になるため、マネタリーベースとも言われたりします。 経済学は考え方がややこしいですよね。 この説明で分かりますでしょうか。

spongetak
質問者

お礼

なるほど。よくわかりました。とても良い解説ありがとうございます。自分の誤解していた点などもわかりました。

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  • L0693614
  • ベストアンサー率50% (9/18)
回答No.2

ハイパワードマネー(H)はマネーサプライを調整する能力を持つ(力を持つ)マネーのことです。それは乗数効果後の(事後的な)現金通貨(C)、すなわち日銀券(お札)と補助通貨(硬貨。財務省が発行)プラス法定準備預金(R)すなわち銀行が日銀に預けなければならない預金の合計になります。 ハイパワードマネー(H)=C+Rとなる訳ですが、ΔHが貨幣乗数を通してΔC+⊿Rに等しくなるところで⊿Msが決まるのです。 ハイパワードマネーの中になぜCが入るかは信用乗数過程で預金創造の一部がキャッシュで保有されると前提しているからです。借入した企業は全額預金の形にではなく一部、たとえば10%を引き出して手元に置くと前提するわけです。いわゆる単純乗数過程から漏れる部分がある訳です。このほうがより現実に近いわけです。 では、この乗数過程をみていきましょう。 マネーサプライ(Ms)は現金通貨(C)と預金通貨(D)の和となり、Ms=C+Dとなります。ハイパワードマネーH=C+Rでした。 乗数は⊿マネーサプライ/⊿ハイパワードマネーとなります。式で表しますと、⊿Ms/⊿H=(⊿C+⊿D)/(⊿C+⊿R)になります、変形して、⊿Ms/⊿H=(⊿C/⊿D+⊿D/⊿D)/(⊿C/⊿D+⊿R/⊿D)となり、⊿C/⊿Dは非銀行部門の現金・預金比率、⊿R/⊿Dは日銀が銀行に課す預金準備率です。式を整理すると、⊿Ms/⊿H=(⊿C/⊿D+1)/(⊿C/⊿D+⊿R/⊿D)となります。たとえば、⊿C/⊿D(現金預金比率)を0.1すなわち10%、⊿R/⊿D(預金準備率)を0.01すなわち1%としますと、⊿Ms/⊿H=(0.1+1)/(0.1+0.01)=1.1/0.11=10 貨幣信用乗数は10となります。 投資乗数と同じです。 投資乗数はΔY/⊿I=1/(1-c)=1/sで表され、ΔIの乗数効果は1/s倍ΔY 増加させます。事後的にΔI=ΔSでΔYが決まるのです。それと同じで、⊿Ms/⊿H=(⊿C/⊿D+1)/(⊿C/⊿D+⊿R/⊿D)、⊿C/⊿Dは現金預金比率、⊿R/⊿Dは預金準備率ですが、預金準備率が1(100%)はあり得ませんので⊿C/⊿D+1>⊿C/⊿D+⊿R/⊿Dから乗数は1より大きくなります。投資乗数ΔI のΔIに当たるのがハイパワードマネーΔHで乗数(⊿C/⊿D+1)/(⊿C/⊿D+⊿R/⊿D)効果を経て事後的にΔH=ΔC+ΔRになるところで⊿Msが決まるのです。 たとえば、日銀が法定準備率を下げて1%にした結果、2兆円の日銀当座預金に余剰(⊿Hに当たります)が生じたとすると銀行はこの⊿H2兆円を貸出します。借入れた非銀行部門の預金が2兆円増えました。そのうちの1%(200億円)を預金準備として銀行が積増し、そして10%(2000億円)を非銀行部門が手持ち資金として引き出します。その結果、1兆7800億円が貸出に回り、サイクルの2順目がはじまります。1兆7800億円のうち銀行は1%(178億円)を預金準備として積立て、企業など非銀行部門は10%(1780億円)を手持ちとして引き出します。これを繰り返し銀行全体でみるとΔC(1兆8181億円)+ΔR(1818億円)=2兆円で⊿Dが18兆1818億円となりました。⊿Ms(20兆円)=ΔC(1兆8181億円)+ ΔD(18兆1818億円)となりました。 もうひとつ例をあげます。現金預金比率(10%)、預金準備率(1%)が変わらずとします。日銀が緩和政策として買いオペを1兆円実施したとします、これは銀行が持つ日銀当座預金に1兆円の余剰資金(これがΔHです)が生じたことを意味します。銀行軍団はこの1兆円を有利に運用しなければなりません。その時、市場に資金需要が豊富にあれば(ここが今の日本には当てはまらないのですが)貸出を伸ばします。どこまで伸ばせるかは、信用創造乗数10倍すなわち10兆円まで理論的には現金と預金を創造しMsを増やすことが出来ます。貸出金利がマックス稼げるところまです。結果として理論的には始めに日銀当座預金に生じた余剰(ハイパワードマネー1兆円)が事後的に同じ金額の現金⊿C(9091億円)プラス預金準備預金⊿R(909億円)になるまで非銀行(民間)部門の現金(9091億円へ)と預金(9兆909億円へと)を、すなわち⊿Msを10兆円増やすことになるのです。 このように中央銀行にある銀行当座預金に余分な準備が生じたときに、現金・預金比率と預金準備率から、そのハイパワードマネー(余分準備)が乗数倍まで非銀行部門の現金と預金、すなわちMsを増やすのです。 金本位制ではマネーサプライは金保有量にリンクしていますので、金保有量が増えない限り増えません。    

spongetak
質問者

お礼

ありがとうございます。現時点では、全体像はまだ分かりませんが、徐々に勉強していきながら参考にさせていただきます。

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