- ベストアンサー
日銀当座預金残高の無限増加について
- 日銀が国債を買っても当座預金残高は無限に増えるわけではありません。
- 銀行は利子の少ない当座預金よりも高利回りの金融商品に投資するため、国債を売らない可能性があります。
- 日銀当座預金残高が増えるためには、景気回復や融資の増加が必要です。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
> 素朴な疑問ですが、日銀に銀行が国債を売ったとして、現金を受け取ったとします。銀行はそれを日銀当座預金に預けておくだけでは0.1%の利子しかつかなくて、それだったら国債を持っていたほうが利子が大きいことになるのではないでしょうか。 #1の回答では利子がつかないということを言っていますが、現状ではついています。いわゆる「付利」と呼ばれるもので、現在では年0.1%となっています。この金利は国債の金利(10年国債の利回りベースで0.45%程度)よりも低いため、そのまま当座に預けたままでは、国債を持っていた方が金利が大きくなります。 したがって、国債を日銀が買い入れた代金を引き出してどこかに投資するか再度国債を購入するか、何らかの方法で投資を行うことが期待されています。その過程で、例えば投資が活性化し経済が活性化することによる物価上昇や、国債の増発を政府が行っても支えられることが期待されています。 とはいえ、限度があります。ざっくりといって日本の市中銀行は大体400兆円ほどの国債を保有しています。なので、上限は最大で400兆円です。 国債を買い入れるとして、現在、日銀当座の残高は45兆円ほどなので、175兆円までは130兆円ほど買い増さなければなりません。したがって、少なくとも3割、引き出し分を考慮すれば半分近くの国債を購入することになります。 これが可能か、ということですが、買いオペは現在は現先取引で行われています(これを変えるとは聞いていませんので)。 この方法では、一定期間後に売ることが定められていますので、実質的には日銀が国債を担保にお金を貸しているのと同じようなものです。また、売り直す価格を操作することで、国債を持ち続けた場合と同じかそれ以上の利回り(用語の使い方が少しおかしいけれども)にすることも可能です。 したがって、可能か不可能か、ということであれば、市中銀行側の事情からは可能です。 因みに。 > 準備預金制度というのがあって、銀行は預金規模(銀行にすれば借金)の一定割合を日銀に預けることが義務付けられています。 というのは、結構古い話です。実際には、近年の銀行は準備に必要な額の2倍~3倍程度を預けています。 http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/jcabs.pdf
その他の回答 (2)
- simotani
- ベストアンサー率37% (1893/5080)
より利益が出るように動く…これは経済学の基本です。 銀行は日銀預金と国債を天秤に掛けて利益が出る方を選択します。従って買ってくれるなら期間3年未満の国債は全て日銀に売り切り(年0.1%を割ってますから)預金にします。 銀行自体が預金者から借金しており(預金は銀行にとっては借金です)返済義務がある為、日銀預金の方が有利な分日銀預金にシフトします。 従来なら民間に貸し出して利鞘を取るのが銀行の仕事でした。が、今の銀行ではリスクを一切取れない為(過去の累積損失を償却するのに汲々としています)民間に資金を流す事を回避しようとします。優良企業なら社債で調達出来ますが、中小企業には無理です(海外ではジャンク=ボンド市場が存在し、中小企業の資金調達に役立ってますが日本にはありません)。 これを無理矢理民間に資金を流そうとしているのです。
- mekuriya
- ベストアンサー率27% (1118/4052)
一口にいえば質問者さんは日銀当座預金の性質をかなり勘違いしています。私もうまく説明できるかどうか自信はないけど。 当座預金には利子はつきませんし、原則出し入れ自由です。すなわち金融機関(銀行、証券、短資会社)が日銀と当座預金取引をする目的は、利潤を追及する為ではないし、余資を運用する為じゃないんです。 金融機関は好き好んで日銀の当座預金に預けている訳ではなくて、銀行間の決済や、支払い準備預金として積み立てることを義務付けられているんです。準備預金制度というのがあって、銀行は預金規模(銀行にすれば借金)の一定割合を日銀に預けることが義務付けられています。だから出し入れ自由といっても、実際は自由に引き出せる訳ではありません。支払準備率操作といって日銀は預金に対する支払い準備預金の割合を操作する権利があります。 黒田日銀総裁は好景気にするという目標を掲げている訳です。じゃ好景気って、何の指標で分かるの?ってこと。それが日銀当座預金残高だということなんです。
補足
大変詳しいご説明を有り難うございました。日銀による金融緩和の意味が少し理解できたような気がします。現先取引なのですね。これなら確かに取引は成立しそうですね。 現先取引をしている期間は、国債の所有者は銀行なのですか、それとも日銀に移るのですか。 その間、資金は日銀から銀行に移ります。その資金を全額銀行が融資とか株購入とかに使った場合は、日銀当座預金は増えないと思ってよいでしょうか。そうであれば、やはり2014年度に日銀当座預金の残高を175兆円にまで増やすのは簡単ではないような気がするのですが。もちろん、日銀の本来の目的は日銀当座預金を増やすことでなく、市中に資金を供給することであることを考えれば、日銀当座預金残高などどうでもよいのでしょうが。