特許の存在しない国での販売に係る実施料

質問

弊社はA社より特許の実施許諾を受けて製品を販売し、ランニングロイヤルティーを払っています。
特許は日本及びX国、Y国で成立していますが、Z国では無効となっています。
特許は製造方法に関する権利を含みますが、日本で製造した製品をZ国で販売した場合、Z国での販売に対してもロイヤルティーを支払わなくてはいけないのでしょうか。
ちなみに、契約書ではロイヤルティーの対象地域を限定していません。

回答No.1

kakashi4

基本的には、各国特許独立の原則(工業財産権に関するパリ条約)がありますので、Z国で販売する行為は、Z国の特許法などの法律に従うことになり、日本国や、X国、Y国の特許法の効力は及びません。

ここで、ランニングロイヤルティーの契約は、販売行為のみに対する契約ではなく、特許の実施権を販売数量に応じて支払うという契約だと推測します。
すると、日本国内で製造する行為と日本国から輸出する行為は、A社の日本国の特許の実施に当たりますので、支払う必要があると思います。

また、特許は複数の特許があるようですが、
製品そのものの特許でも、製品の製造方法の特許でも、販売(特許法上は譲渡という用語で無償も含む)、製造、輸出は実施行為に当たります。

P.S.
特許権の無いZ国内で製造・販売するぶんには、A社の権原はありませんから、ロイヤリティーも要りません。